【ロシア編】ハードな環境を生き抜く危険察知能力が身についた

Reported by しんのすけ
ロシアの首都モスクワにある日系販売会社の現地法人に勤務。モスクワには、思った以上にさまざまな種類の博物館があるので、休日は博物館や美術館を巡るのが楽しみ。仕事帰りに、コンサートやオペラ鑑賞に行くのも貴重な息抜きとなっている。

つぶしが利く言語としてロシア語を選んだ

こんにちは。しんのすけです。今回は、ロシア駐在で身についたスキルを中心にお話しします。

そもそもロシア駐在になったのは、今の会社に入った際に、会社がこれから力を入れるエリアがいくつか提示され、その中から選ぶように言われたから。フランス語やスペイン語よりも習得者が少ないであろうロシア語なら、身につけておくと、今後もつぶしが利くのではないかと考えたのです。また、ロシアは国土が広大なので、マーケットとしての可能性も計算に入れての選択でした。

会社から派遣される形でロシアに留学して、徹底的にロシア語を学び、1年間で日常会話とビジネスでのやりとりができるまでになりました。20代半ばの若さだったので、吸収も速かったのだと思います。ロシア駐在となり、仕事をするようになってからは、外回りの多い部署にいる間こそ、ロシア語が上手になった気がしましたが、今の部署はデスクワーク中心なので、語学力はやや衰えたかも。なんとか今の水準は維持したいと思い、現地スタッフや現地の人と話すときは、極力ロシア語で通すように心がけています。

「あのあたりはヤバそう」と勘が働くようになった

ロシアで仕事をすることで身についたのは、ハードな環境でサバイバルするために危険を察知する能力でしょうか。赴任当初は、今よりもさらに治安が悪かったのですが、歩いていても、「あのあたりはヤバそうだな」ということが、勘でわかるようになってきました。警察官に交通違反を見つかったときなども、こちらが外国人だと罰金をその場で徴収してポケットに入れてしまう警察官がいるので、毅然(きぜん)とした態度で「後から払うことになっているはずだ」と反論することができるようになりましたね。

また、外回りのときは、ビジネスの最前線で顧客とナマのやりとりができる醍醐味(だいごみ)を存分に味わうことができました。「うちの会社では、今度こういうことがやりたいんです」と売り込めば、すぐに反応があり、成果も出て、自分の力で交渉してマーケットを開拓していく手応えがありました。なかなか得難い経験だったと思っています。

日本は、サービスのレベルも高く、経済も安定していて、とても暮らしやすい国ですが、その一方で、少々、窮屈に感じることもしばしばあります。その点、海外、特に未開拓なマーケットは、何でもあり。もっと自由にいろいろなことにチャレンジできる魅力があります。年を取ってからだとなかなかしんどいので、若いうちにちょっとだけでもいいから海外に出て、日本の常識が通じない、まったく異なる文化の中に、身を置いてみることをお勧めします。

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ロシア語の教材。ロシア語の名詞には、男性名詞、中性名詞、女性名詞とがあり、動詞にも「完了体」「不完了体」があるなど、文法は、かなり英語とは異なっている。

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モスクワの赤の広場のすぐ外側に店を出している土産物店。観光客が鈴なりになってマトリョーシカなどの土産物を買っている。

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世界各国の歴代リーダーやアーティストが描かれたマトリョーシカ。ここには元野田総理の姿があるが、現安倍総理のマトリョーシカもあった。

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赤の広場にある百貨店「GUM」。帝政ロシア時代の1893年に完成した建物が今でも使われている。

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スーパーのウォッカ売り場。さすが本場だけあって、その種類の豊富さに圧倒される。

構成/日笠由紀

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