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海外駐在員ライフ

Vol.342 【イギリス編】決して侮れないイギリスの食文化

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Reported by J
イギリスのロンドンにある日系メーカーの販売拠点に勤務。現地での楽しみは、ロンドン市内の散歩や、イギリス国外への旅行、革靴などイギリス名産品のショッピング。ジムのプールで泳ぐことを日課としている。

日本にいた時よりも頻繁に魚の刺し身を食べている

こんにちは。Jです。今回は、イギリスの食文化についてお話しします。

 

皆さん、イギリスは食べ物がまずいと思っていませんか? すっかりそのイメージで語られてしまうイギリスの食事ですが、私の意見は正反対で、実は非常にレベルが高いと思っています。確かに、イギリス独自の食文化というものには、あまり巡り合えていない気がしますが、ロンドンのような大都市に来ると、世界中の料理が非常に高いクオリティーで味わえます。特に、タイ料理、インド料理、中華料理は、どのレストランに入っても、ほぼ外しません。

 

一部の和食レストランチェーンの料理も、いわゆる「なんちゃって和食」のようなレベルではなく、「こんなに本格的な和食が食べられるなんて!」と感動するほどです。新鮮なお魚も日本食材店で手に入り、定番は大トロ、赤エビ、しめサバ、クエなどです。クエは、日本では高級魚で、100グラムで3500円くらいしますが、ここでなら100グラムで6ポンド(約1000円・2016年3月現在)。大トロも、100グラム8.5ポンド(同約1400円)。日本でなら、100グラム3000円以上はするであろう上質なものです。こうした環境なので、日本にいた時よりも頻繁に刺し身を食べるようになりました。

 

フランス料理も同様。私が気に入っているロンドン市内の星付きレストランは、実に繊細なテイストのフレンチを提供してくれるので、今まで食べたフランス料理の中で一番を決めるなら、迷わずここにすると思います。

 

スーパーなどにそろっている食材も、新鮮かつ上質。オーガニックなど、こだわりに応じたチョイスが可能な上、季節ごとに世界中から食材を調達してきているところに、レベルの高さを感じます。例えば、ファーストラム(生後半年以内の子羊の肉)を手に入れようとするとき、イギリス国内では調達できない季節になると、南半球のニュージーランドから調達しています。

 

加えてイギリスはビール天国! イギリスでビールを楽しんでいると、日本のビールは物足りなくなってしまいます。なぜなら、イギリスには多種多様なビールがそろっていて、奥深い味わいのものが多く、味のバリエーションが豊富だから。「インディアン・ペール・エール」というビールは、酸っぱさと苦味が立っていて、意外や意外、ご飯によく合うんです。皆さんもよく知っている「ギネス」は、ビールそのものの味わいが深く、ビールに合うツマミを探したくなるお酒です。

 

宅配の荷物をほかの家の庭先に放置

こうした豊かな食文化とは正反対に、イギリスでひどい目に遭っているのが、宅配事情です。以前、子どもの誕生日にプレゼントしようとした品物が、通販でしか扱っていないものだったため、イギリスの最悪な通販事情を覚悟しながらも注文したことがあります。誕生日の数日前だったので、日にちに余裕がない点も心配でしたが、荷物をトラッキング(追跡)できるオプションもつけていたので、なんとかなるかとほのかな期待を抱いていました。すると、その日のうちに配送したという通知があり、「あなたの家に12時ごろに届きます」というショートメールとEメールが同時に到着。ところが、素早い反応に、妻と感動したのもつかの間、受け取りのために家に待機していても、待てど暮らせど届かないと妻から連絡が。おかしいと思い、トラッキングのサイトをのぞいてみると、やはり「あなたの荷物は配達されました」となっています。しかも、受け取り手のサインが私のイニシャルです。

 

誰かが自分になりすまして荷物を受け取っているのだと思い、配送業者に電話すると、「ドライバーと連絡を取るから2時間後に折り返す」とのこと。しかし、2時間後にかかってきた電話では、「ドライバーはもう勤務を終えたので今日は確認できない。明日確認する」と言うではありませんか。

 

怒りと哀しみが同時に湧き上がりました。誕生日にプレゼントが間に合わないなんてあり得ません。何かあったときのために、プレゼントする品物のメーカーと配送業者のメールアドレスを調べて、まずは怒りを鎮めながら就寝。

 

そして翌日。朝8時半にわが家の前に女性が現れました。「うちの前にこのパッケージが捨ててあったけど、あなたのよね?」と、私が注文した品物の包みを持っています。わが家から20メートルほど離れた所に住んでいるという彼女に、受け取りのサインをしたかどうかを聞いたところ、「していない。ただうちの前に置いてあったから」。そうして彼女がわが家に届けてくれたというわけなのです。

 

どうやら、配達員は近所までは来たものの、配達先の住所を探すのが面倒になり、適当な家の前に荷物を放置して、受け取りの伝票には自分でサインをしたようです。ほかにも、間違えて配達された私の荷物を、誤配送された先の人が代わりに受け取り、どうやらそのまま自分のものにしてしまったらしき事件もありました。日本では考えられない宅配事情の惨状がおわかりいただけたでしょうか?

 

次回は、ロンドンでの暮らしについてお話しします。

 

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家の玄関先に雨ざらしのまま置かれていた宅配の荷物。申し訳程度に、玄関マットが上に置かれていたものの、中身までずぶぬれになっていた。

 

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ロンドン地下鉄ハマースミス駅名物の木製ベンチ。ロンドンには最先端のデザインと、こうしたレトロな魅力が共存している。

 

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国外旅行で訪れたクロアチアのドゥブロヴニク。ロンドンから飛行機で3時間ほどだが、地中海クルーズの寄港地としても人気がある。

構成/日笠由紀

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