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海外駐在員ライフ

Vol.357 【サウジアラビア編】サウジアラビアではラマダン中の交渉は朝イチにセット

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Reported by nk4
サウジアラビアで国家規模で展開しているプロジェクトに日系企業として参加している。現地での楽しみは、料理や外食、ゴルフやサッカーなどのスポーツと、釣りやバーベキューなど。

人妻を褒めるときは慎重に

はじめまして。nk4です。サウジアラビアで国家規模で展開しているプロジェクトに日系企業として参加しています。

 

同僚の国籍は、韓国やフィリピン、インド、パキスタン、ほか欧米の国々といった顔ぶれで、韓国人がやや多いという構成です。取引先としては、サウジアラビアが約7割、フィリピンが約2割で、残り1割が欧米です。したがって、仕事で使う言語はすべて英語となります。

 

前述の通り、主な顧客はサウジアラビア人ですが、彼らの多くはサウジアラビアのエリート教育を受けている上、前国王が留学を支援していたこともあり、大半の方が欧米での留学経験があります。したがって、国際的な感覚や、グローバルな意味での一般常識は十分備えており、こちらが一般的なビジネスマナーを守っている限り、文化の違いが問題になることはありません。

 

ただし、彼らは全員がイスラム教徒なので、ビジネス以外の話題やジョークには、気をつかわないといけません。信仰の深さも個人によってまちまちなので、その辺を見極めて相手のキャラクターに合わせる必要があります。もっと簡単に言うと、「冗談(下ネタ含む)が通じる人と通じない人がいる」ということになります。日本でも、真面目な人にそういった話題を振るとその場が微妙な空気に包まれますが、敬虔(けいけん)なイスラム教徒に対しても同様で、会話のときは慎重に話題を選ばなければなりません。

 

また、人妻の容姿をやたらに褒めるのも考えものです。以前、親しくしているサウジアラビア人に、夫人とのウエディング写真を見せてもらったことがあったのですが、その時「きれいな奥さんでうらやましい」というようなコメントをしたところ、後になってほかのサウジアラビア人から、「サウジ人男性は嫉妬深いので、他人の奥さんの顔を見たときのコメントは気をつかわないといけない」と教わりました。「きれいだね」とは言わずに、「君とお似合いだね」程度にとどめておくのがベターなのだそうです。

 

国の成り立ちとイスラム教の歴史を猛勉強

また、イスラム教のラマダン(断食月)のシーズンは、特に気をつかいます。夜更かしによる睡眠不足と空腹のせいで、相手の意欲が削(そ)がれているため、相手の体調を見極めた上でビジネスを進める必要があるからです。そこで私は、タフなネゴ(厳しい交渉)は極力避けるか、彼らの意識が比較的明瞭な朝イチの時間帯にセットするようにしています。

 

とはいえ、かくいう私も、新入社員だったころは、アラブ人顧客とのミーティング中、ラマダン時期を意識せずにペットボトルの水をがぶ飲みしてしまったことがありました。当然、先輩社員に大目玉を食らい、顧客が「別に気にしないからいいよ」とフォローしてくれたものです。

 

また、どれだけ忙しくても、仕事とは無関係な顧客のおしゃべりにはトコトン付き合うようにしています。サウジアラビア人は非常におしゃべり好きなので、車の話、家族の話、好きな日本のテレビ番組の話など、話題は多岐にわたります。サウジアラビアの20代は、日本のアニメと『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』を見て育ったそうで、テレビの話は特に盛り上がるのです。

 

赴任するにあたっては、サウジアラビアとイスラム教の歴史をよく勉強しました。今も勉強しています。おかげで、顧客と一緒に食事に行ったときなどに、勉強中のサウジアラビアの歴史の本を見せると、彼らは大喜び。会食の場は大いに盛り上がりました。

 

加えて、インドやフィリピン、韓国といった、チームメートの出身地にも、旅行で訪れました。仕事相手の出身地の話は盛り上がるし、相手に対する理解を深めることにもなるので重要です。

 

次回は、サウジアラビアという国を特徴づけるイスラム教の文化についてお話しします。

 

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なつめやしのドライフルーツ「デーツ」。サウジアラビアにはこのような「デーツショップ」が数多くある。

 

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水タバコ(シーシャ)を吸うシーシャバー。水タバコは、香りが付けられたタバコの葉に炭をのせて熱し、その煙をガラス瓶の中の水を通し吸うというもの。

 

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サウジアラビアのラクダ。この国では、ラクダのレースもしばしば行われている。

 

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サウジアラビアのショッピングセンター。海外ブランドや珍しい食べ物などを扱い、現地の買い物客でにぎわう。

 

構成/日笠由紀

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