【シンガポール編】映画を活用して語学力を高めよう

Reported by ちょんばるくいな
シンガポールの日系企業現地法人に勤務。休日には、フィットネスやサイクリング、スイミング、映画鑑賞、音楽鑑賞など、多彩な趣味を楽しんでいる。

ストーリーが追いやすいアクションものがお勧め

こんにちは。ちょんばるくいなです。今回は、語学力を高める方法についてお話しします。

私の場合、シンガポールに赴任してしばらくの間、現地の人たちが話す中国語交じりの独特な英語が理解できず、苦労したこともあり、こちらで本格的に英語の勉強に取り組みました。

まずは、ケーブルテレビの映画チャンネルで放送される映画を録画して、見まくりました。毎日1本は英語の映画を字幕なしで見るようにしています。特に英語の教材としてお勧めなのはDVDです。英語の字幕が表示可能なので、聴き取れなかった場合でも文字で確認することができます。アクションやサスペンスムービーなどであれば、映像を見ているだけでもストーリーが追えるので、会話の内容もおのずと理解しやすいんです。

加えて、英語の字幕を見ながら音声を聴き、そこで覚えた言い回しを、自分でも声に出して言ってみるという練習も繰り返し行いました。その言い回しを普段の会話で実際に使ってみることで、だいぶ身につきましたね。例えば、「Please make sure you do.」(自分の言ったことを、きちんとやってくださいね)などは、仕事の場面でも頻繁に使うことができる、とても便利な言い回しでした。一方、難易度が高いのはコメディやラブストーリー、あるいは歴史もの。会話が主体なので、ついていくのが大変です。

また、英語を話す機会を増やすために、パーティーなどに積極的に参加して、日本人以外の人たちに、自分を売り込むつもりで話すようにしました。多様な話題に対応しているうちに応用力もついてきて、今では「シングリッシュ」(シンガポール国民が話す独特のアクセントの英語)を含め、いろいろな国の言葉の影響を受けたクセのある英語も理解できるようになりました。

「シングリッシュ」は、中国語のなまりが強く、四声(4種類の声調)のイントネーションがそのまま反映されています。「OK」は「オーケーラー」、「Not yet」は「ノーイエット」といった具合に、独特の語尾がついたり、音が省略されたりするので、最初に聞いたときは何を言っているのかさっぱりわからなかったのですが、今はバッチリ理解できています。

英語をツールとして使いこなせるように

海外で仕事をすることで得られた一番の収穫は、実地で英語を使うことで、英語を話すことに抵抗がなくなったということです。赴任当初は、「自分が言っていることを、相手にわかってもらえなかったらどうしよう?」という不安から、eメールに頼ってしまっていたのですが、そうしているだけでは、お互いの距離感が一向に縮まりません。そこで、対面や電話で直接話すようにしたところ、相手の懐に飛び込もうとする意欲的な姿勢を評価してもらえたのか、心が通じ合うようになってきたのです。語学力を気にしなくなったことで、純粋にコミュニケーションに注力することができ、どんな相手とも臆せずに話せるようになったのは、駐在生活の賜物(たまもの)だと思っています。

また、シンガポールは、ほかの東南アジアの国々と比べて、いろいろな人種・民族の人々で構成されているせいか、さまざまな文化を受け入れる素地ができているように感じます。お互いのバックグラウンドが異なることを前提に、共通の言語である英語を媒介して、相手を理解したり、自分の考えを掘り下げたりする機会に恵まれるのは、この国ならではではないかと思います。

将来、海外で仕事をしたいと考えている皆さんには、やはり英語をしっかり勉強しておくことをお勧めします。受験勉強のような学び方ではなく、「相手に自分の言いたいことが伝えられるか」「相手とわかりあえるか」といった観点で、英語をツールとして使いこなせるようになりたいものです。

加えて、海外に出る前に、行きたいと思っている国の文化背景を理解しておきましょう。例えば、シンガポールなら、一時期マレーシアの一部であったことや、イギリスの植民地になったこと、中国から来た華僑が多いことなどを知っているだけで、現地の文化や、人々の考え方を理解する助けになりましたよ。

そして最後に。海外の人と話していると、必ずといっていいほど日本の文化について質問されます。自分が日本を代表してこの国に来ていることを認識しながら、日本という国をいかにわかってもらえるかを常に考える毎日です。それが海外で暮らすということではないかと思います。

3棟のタワーの頂上部を船型の空中庭園でつなぐというユニークな建築で知られるマリーナ・ベイ・サンズホテル。手前の美術館の建物はなんと「蓮(はす)」の花の形だとか。

近未来的なデザインが目を引くマリーナ・ベイの歩道橋。

若者たちは総じてファッショナブル。急速な経済成長も手伝って、ファッション・イベントなども行われている。

「ラクサ」と呼ばれるマレーシア・シンガポールの麺料理。麺は米粉から作られており、スープの出汁(だし)は魚やエビから取る。

公園で座禅を組む仏教徒の人たち。シンガポール全人口の約3分の1が仏教徒だ。

構成/日笠由紀

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