人事のホンネ

Vol.7 人事500人に聞いた「学生時代、やり直せるなら××したい」<勉強編>

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新卒採用を担当する人事に聞く「学生時代、やり直せるなら××したい」。今回のテーマは「勉強」です。人事500人に「学生時代をやり直せるとしたら、力を入れたいこと」を尋ねたところ、ダントツで多かったのが、「大学・大学院での勉強・研究」。さらに、約4割の人事が「大学・大学院以外での勉強・研究(資格取得対策など)」を挙げる結果に。その理由と、やり直せるなら、どんなふうに勉強したいか?などを聞きました。

「大学・大学院での勉強・研究」や「資格取得対策など」に力を入れたいという人事はどんな人?

■「やり直せるなら、大学・大学院での勉強・研究に力を入れたい」という人事が学生時代に力を入れていたこと(n=292)

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■「やり直せるなら、資格取得対策などに力を入れたい」という人事が学生時代に力を入れていたこと(n=202)

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まず、「やり直せるなら、大学・大学院での勉強・研究に力を入れたい」と答えた人事が学生時代に力を入れていたことを見てみると、「大学・大学院での勉強・研究」と「それ以外」でおよそ半々に分かれる結果に。大学・大学院での勉強を頑張ったが不十分だったと感じている人と、大学・大学院での勉強以外を頑張っていたために後悔がある人に分かれていることがうかがえます。

 

一方、「やり直せるなら、資格取得対策などに力を入れたい」という人事の場合、その70.3%が、学生時代は資格取得対策以外に力を入れていたという結果に。資格取得対策にまで力を回せなかったことへの後悔がうかがえます。

 

「大学・大学院での勉強・研究」に力を入れたいのはなぜ?

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公務員を目指していたので、大学時代は公務員試験対策とTOEIC(R)Testの勉強を優先。大学の授業は、卒業単位が取れればいいと最低限しかとっていませんでした。ところが、仕事で上司や取引先との話題に反応できるかどうかで持たれる印象が変わることを実感。有名文学から経済・社会情勢まで、幅広い教養の必要性を感じています。しかし、働いているとなかなかまとまった勉強時間がとれません。腰を据えて勉強できる学生のうちに、専攻していた社会学の授業をもっと受けて多くの社会事象について知るとともに、経済学など専攻以外の授業も受けて、幅広い教養を身につけておきたかったですね。

 

<学生時代に「大学・大学院での勉強・研究」に力を入れていた人事のホンネ>

まんべんなくいろいろなことに取り組んだが、「これをやった!」と一つの言葉で表せない。それに、社会に出ても勉強は続くとはいえ、机に向かって学べるのは学生まで。やり直せるなら、論文あるいは研究といった、形に残せるものに力を注ぎたい。(アパレルメーカー・20代女性・人事歴6年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「部活動・サークル活動」)

 

学生時代は、どちらかというと「試験をパスするための勉強」「卒業するための研究」という意識でいたが、今思えば、せっかく勉強・研究に没頭できる環境を無駄にしていたと感じる。やり直せるなら、研究の目的・目標をより深く理解し、自分で判断してPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:検証、Action:改善)サイクルを回すような研究をしたい。(電機メーカー・40代男性・人事歴8年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「アルバイト」)

 

あれだけの学費を払って、どれだけ授業をとっても同じ価格で学べるし、吸収力も今より格段に高いから。やり直せるなら、自分の専門分野に直接かかわらないような授業をもっと受けたい。(電機メーカー・30代女性・人事歴2年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「部活動・サークル活動」「アルバイト」「旅行」「趣味・遊び(舞台鑑賞)」)

 

<学生時代に「大学・大学院での勉強・研究」以外に力を入れていた人事のホンネ>

社会人になって外国人と話をすると、日本の学生は本当に勉強していないことがわかったから。やり直せるなら、ゼミなどで教授の指導をみっちりと受けて成果を挙げたい。(コンサルティング業界・40代男性・人事歴5年/学生時代に力を入れていたこと「アルバイト」「旅行」「恋愛」「就職活動」「趣味・遊び(スキー・合コン・飲み会)」)

 

今になって勉強の面白さに気づいたから。当時は、将来に役立つかどうかを判断基準に幅広い経験をすることを重視していたため、単位が取りやすい楽な授業しかとっていなかった。やり直せるなら、きちんと授業に取り組みたい。(サービス業界・40代女性・人事歴3年/学生時代に力を入れていたこと「部活動・サークル活動」「アルバイト」「旅行」)

 

「資格取得対策など」に力を入れたいのはなぜ?

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会社員を経て40代で起業し、採用にも携わっています。起業後、経営者として、また、海外で事業を行う上で痛感したのは、英語やデザイン、建築、IT、法律などの知識不足。すべて独学で勉強するのは大変でした。皆さんには、学生のうちに英語とカラーコーディネートの知識を身につけておいてほしいですね。カラーコーディネートは、デザイナーでなくても、服飾や出版・印刷・広告、食品のパッケージ、工業製品、建築物など幅広い分野で必須。知識がないとデザインに意見することができません。知識を得る手段として、資格取得を目指すとよいと思います。

 

<学生時代に「資格取得対策など」に力を入れていた人事のホンネ>

弁護士になるために勉強していたがかなわなかった。やり直せるなら、もっと効率よく勉強できる方法を模索したい。(専門商社・50代男性・人事歴30年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「大学・大学院以外での勉強(資格取得対策など)」)

 

語学をもっとブラッシュアップしておきたかった。転職する際、語学の資格があれば選択が違っていたかもしれない。(総合商社・40代男性・人事歴15年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「大学・大学院以外での勉強(資格取得対策など)」)

 

<学生時代に「資格取得対策など」以外に力を入れていた人事のホンネ>

大学時代に仕事に役立つ資格を取得しておけばよかったと今思っている。やり直せるなら、MBAを取得したい。(省エネ環境関連企業・50代女性・人事歴15年/学生時代に力を入れていたこと「部活動・サークル活動」「旅行」「恋愛」「趣味・遊び(スキー)」)

 

学生時代にビジネス英語を磨いておきたかった。外資系企業に入社し、ビジネス英語と受験英語は異なることを実感。スクールを探して勉強した。検定試験で求められる英語と、仕事で相手の気持ちや考えを理解し、自分の考えを論理的に伝えることとは別だけど、TOEIC(R)Testのスコアを目安にするなら、これから社会に出る人は最低でも650点はあった方がいい。私のように外国人上司の下で日常的に英語を使う場合は、それ以上必要。(アパレルメーカー・30代女性・人事歴14年/学生時代に力を入れていたこと「大学・大学院での勉強・研究」「アルバイト」)

 

編集部より

専門分野の知識を深めたり、幅広い分野の学問に触れられたりするのが大学。人事のホンネにあるように、「やらなきゃいけないこと」ととらえるのではなく、学んだ分だけ身につくと思って取り組みたいものですね。また、「仕事に生かせる資格をとっておきたかった」という人事の声からわかるように、資格は単に持っておけばいいというものではなさそう。「その分野に向いているかどうか試すため」「目指す仕事に必要だから」など、自分なりの目的を持ってトライして、その後の大学生活や進路選びに生かしたいですね。次回は、「部活動・サークル活動」「旅行」「恋愛」について、人事の「やり直せるなら…」の理由を紹介します!

 

文/浅田夕香 イラスト/斎藤ひろこ(ヒロヒロスタジオ)

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