人事500人に聞いた 「大学の成績がいい」 「資格取得に注力」 どちらの学生を採用したい?【人事のホンネ】

「どちらの学生を採用したい?」をテーマに人事のホンネを聞いてみる企画。今回のテーマは、「大学の成績がいい学生と、資格取得に励んだ学生、どちらを採用したい?」。人事500人は、どんな回答をしたのでしょうか?
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約6割の人事が「資格取得に注力した学生を採用したい」と回答

■「大学の成績がいい」「資格取得に注力」、どちらの学生を採用したい?

「大学の成績がいい」「資格取得に注力」、どちらの学生を採用したい? アンケート結果(円グラフ)

「大学の成績がいい学生と、資格取得に励んだ学生、どちらを採用したいと思いますか?」と質問したところ、「大学の成績がいい学生」と答えた人事が43.0%、「資格取得に励んだ学生」と答えた人事が57.0%という結果に。

世代別に見ると、20代では、「大学の成績がいい学生」と答えた人事が71.4%に上る一方、(「資格取得に励んだ学生」と答えた20代の人事は28.6%)、30代では33.7%にとどまるという対照的な結果が出ました(「資格取得に励んだ学生」と答えた30代の人事は66.3%)。なお、40代以上の結果は、全体の割合とそれほど変わらない結果になりました。

資格取得に励んだ学生」は、主に「向上心」が評価される

■「資格取得に励んだ学生」を採用したいのはなぜ?
「自発的・積極的に行動した結果だから」(損害保険会社・30代女性・人事歴3年)画像

自分から興味を持って行動を起こしたという点で、資格を取った学生さんを評価します。というのは、学校の勉強は決められたことをやるものですが、資格は、自発的に行動した結果得られるもの。その自発性や積極性、決められた範囲以外に興味を持つ姿勢は、私が働く損害保険会社の、特に営業職には必要なものだからです。ただし、資格を持っていること自体が評価の対象になるわけではありません。重視するのは、取ろうとした理由。例えば、「留学やホームステイに挑戦したいからTOEIC(R)Testのスコアが伸びるよう頑張った」など、自分の興味・関心に基づいて積極的に行動したかどうかに注目します。(損害保険会社・30代・人事歴3年)

<「資格取得に励んだ学生」を採用したいと答えた人事のホンネ>

目的を持って資格取得に励んだ人は、しっかりした将来設計図を描いており、頼もしいと感じるから。(サービス業・40代・人事歴16年)

大学の成績の場合、出席率と教授との関係が良ければ、身についていなくても好成績が取れる場合があるので。勉強しなければ取れない資格の方を評価します。(専門商社・40代・人事歴9年)

大学の成績が良いからといって職場で優れた結果を出せるとは限らない。むしろ資格など自分にないものを追い求めた人の方が、どんな状況にも対応できる能力を持っているのではと感じる。(外食産業・30代・人事歴3年)

業務で必要だったり、役立ったりする資格を持っていれば、即戦力となりうるので。(ソフトウェア会社・30代・人事歴5年)

資格を取得するためには、一時期をその勉強に集中するために割かなければならないはずで、集中する時を過ごしたことで得られるものがあるはずだから。(専門商社・50代・人事歴30年)

「大学の成績がいい学生」は主に「勤勉性」が評価される

■「大学の成績がいい学生」を採用したいのは、なぜ?

「やるべきことを頑張れるから」(電機メーカー・40代男性・人事歴2年)画像

資格取得のために一人でコツコツと頑張ってきた人よりも、友人の力を借りながらでも試験でいい成績をとったり、仲間と協力してゼミや研究室の活動に取り組んだりして、自分の持つ情報網や人脈を最大限に活用して結果を出してきた人の方が、私が勤める電機メーカーで働く上では期待できます。というのは、当社では、チームで製品を企画・開発するから。「資格の勉強=仲間が少ない」というわけでは決してありませんが、履歴書にやたらと資格を列挙している人に限って資格をたくさんとることに固執していて、仲間とうまくやっていけるのか疑問に感じることが多かったです。(電機メーカー・40代・人事歴2年)

<「大学の成績がいい学生」を採用したいと答えた人事のホンネ>

大学の成績がいいということは、それだけきちんと講義にもこつこつ出席していたということ。勤務を始めてからもこつこつまじめに取り組んでくれそう。資格は、会社で役に立つとは限らない。(アパレルメーカー・20代・人事歴6年)

大学の勉強を精一杯努力するという学生の本分に対する意識が欠けている学生が多いので、学生の本分に立ち返り、学問を究めたというくらいの人の方が評価できる。資格は、とりあえず取得した、もしくは就職活動に間に合わせて取得したというケースが多く、なぜ取得しようとしたのか、社会人になったときにどのように活用するかなど、長期的な展望が見えない学生が多い。(化粧品メーカー・20代・人事歴5年)

勉強を究めるということは、自信にもなるし前向きな思考や論理的な行動につながるなど、人格形成の上で役立っているはずだから。(ソフトウェア会社・50代・人事歴14年)

成績が良いということは、やらなければならない勉強をきちんとこなしたということ。社会においても、自分に与えられた課題をきちんとこなすというスキルは重要である。(電機メーカー・40代・人事歴8年)

編集部より

大学の成績は、やるべきことをきちんとやった結果として、資格は、向上心の表れや目標を定めて努力した結果として評価されるようですね。また、全体で見ると、「資格取得に励んだ学生を採用したい」と答えた人事の方が多かったですが、「資格の内容による」という声が多数あったのも事実。人事のコメントにもあったように、資格取得を目指す場合は、「何のためにその資格を取るのか」ということも考えて挑戦したいですね。次回のテーマは、「さまざまなことにチャレンジし、多様な経験をしてきた学生と、一つのことに没頭し、継続して頑張ってきた学生、どちらを採用したい?」です。お楽しみに!

【調査概要】
調査期間:2014年3月5日~3月6日
調査サンプル:新卒採用を担当している人事500人
調査協力:株式会社クロス・マーケティング

文/浅田夕香
イラスト/斎藤ひろこ(ヒロヒロスタジオ)


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記事作成日:2014年4月25日 記事更新日:2024年2月13日

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