ユニーク新人研修カタログ

Vol.4 兼松株式会社

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企業PROFILE
1889年、日豪貿易の先駆けとして創業した総合商社。国内外のネットワークと各事業分野で培った専門性と商社機能を生かし、「電子・デバイス」「食料」「鉄鋼・素材・プラント」「車両・航空」を中心とする幅広い分野で、多種多様な商品とサービスを提供している。国内は、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡など7カ所、海外は、ニューヨーク、デュッセルドルフ、シドニー、モスクワ、上海、バンコク、ジャカルタなど39カ所を拠点に事業を展開中。

研修内容

入社後2週間、会社の組織や業務内容、ビジネスマナーなどを学ぶ研修を受け、その締めくくりとして合宿研修が行われる。合宿形式の研修がスタートしたのは1968年ごろ。86年からは静岡県浜松市にある禅寺を拠点に、3泊4日の合宿研修を実施。プログラム内容はほぼ毎年同様で、①6人ずつ程度のチームに分かれ、地図を頼りに隠されたクイズを探し、答えていくオリエンテーリング、②事前に与えられているテーマについて賛成派と反対派に分かれて、チーム同士で討論するディベート、③アップダウンの多い20キロメートル強(女性は約15キロメートル)の山道を進むウォークラリー、④趣向を凝らした余興を披露して参加者を楽しませるアトラクションなどに挑戦し、チームで総合得点を競う。禅寺のしきたりを守り食事中や入浴中、廊下での私語は禁止。毎朝6時に起床して座禅を組み、質素な食事や、毎食前に食事の意義とありがたさを全員で唱えるといった、禅寺ならではの体験も組み込まれている。

 

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①オリエンテーリングがスタート。まずは、チームで協力して制限時間内で地図にポイントの場所を書き写す。

 

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②反対派と賛成派に分かれて議論を戦わせるディベート研修。

 

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③人事総務部が事前に設置した目印を頼りに進むウォークラリー。最初はみんな笑顔だが、途中には山中の道なき道を進む過酷なルートも。

 

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④夜に行われたアトラクションで桃太郎のコントを披露したチーム。

 

体験者インタビュー

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PROFILE
田島大地(たじま・だいち)●穀物部 食糧課。九州大学大学院農学府修了。2013年4月入社。農業関連の新しいビジネスを創出したいと考え、商社や食品メーカーなどを視野に就職活動。海外と仕事ができ、若手にも大きな裁量権が与えられる環境に魅力を感じ、入社を決意。現在は、米や麦を中心とした穀物の買い付けと販売、小麦粉製品の販売を担当。

私の同期は39名で、チーム構成は男女半々。一番印象に残っているのは、ウォークラリーです。通常の研修は、屋内で理論上の話を聞くだけですが、ウォークラリーは体力と判断力が試される課題。計画的に歩いているつもりでも、途中のポイントへの到着時間が早かったり、遅かったりするので、メンバーの体力を見ながら、今頑張るべきか、後で挽回するかを判断していかなければなりません。こうした判断力は、実際の業務にも通じるものです。

 

男女の体力差を考慮して、ウォークラリーの後半約5キロメートルは女性が抜けるため、遅れているチームは、男性だけで走って挽回するのですが、私たちのチームは女性が先を歩き、男性が遅れ気味で待ってもらっていたほど (笑)。学生時代にはここまで体を酷使したことはありませんし、アップダウンの激しい山道を歩いて足にマメができましたが、それだけにゴールした時の達成感は大きかったです。

 

今思えば、道なき道を進む経験は、まるで商社の業務そのものです 。実務で、時には周囲が心配するほどの過密日程をこなさなければならないことがあっても、「足にマメができるほど山を歩くわけではないし、あの研修を乗り切れたのだから大丈夫」と自分を鼓舞して、頑張っています。

 

この研修を通して、学生気分から社会人の気持ちへ切り替えることができましたし、長い時間、苦しい時間を共に過ごしたことで、同期に対する信頼感が深まり、何でもざっくばらんに話せるようになりました。大学時代の友人と話していても、他社よりも同期の結束が強いと感じます。また、長年実施している研修ということもあり、共通の話題で上司と盛り上がれるので、さまざまな部署の上司に話しかけやすくなるというメリットもありますね。

 

学生の皆さんには、大学時代にしかできないことに打ち込んでほしいと思います。私の場合は農学部での研究に打ち込みました。一生続けられるかどうかはわからなかったけれど、大学時代の今しかできないことをやって、結果を残すことにこだわりましたし、目標を掲げてその達成のために頑張った経験が、今の自分の糧になっていると思います。

 

人事インタビュー

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PROFILE
藤川知明(ふじかわ・ともあき)(写真左)●人事総務部 人材開発課 課長補佐。1997年に入社し、ケーブルプロジェクト部にて電線や電力プラントの輸出を担当。2001年、電子機器部に異動し、電子・自動車部品などの輸出を担当。11年、人事総務部にて海外人事総務を担当後、13年より現部署にて研修・人事制度に携わる。
山田大樹(やまだ・だいき)(写真右)●人事総務部 人材開発課。2015年4月入社。和食文化を海外に広めたい、自分という個の力で会社を動かしたいという思いから、入社を決意。現在は、新卒採用のほか、人員配置の集計・整理などの人員管理業務を担当。

それぞれの課題で、よりよい結果を残すために役割を分担し、知力と体力を結集してチーム得点を競うこの研修の目的は、ひと言で表すとチームビルディング。チームビルディングとは、メンバーが気持ちを1つにして、ゴールに向かっていく組織づくりのことです。(藤川さん)

 

オリエンテーリングは、時間を管理する、作戦を立てて遠くの場所にある高得点のポイントを目指す、質問を隠す人事担当者の意図を読んで手分けして場所を探し当てるなど、役割を分担することで効率アップが望める知的ゲーム。ウォークラリーは、決められた時間通りにゴールすることが目標なので、時間管理はもちろん、疲れているメンバーを励まし、協力し合って一緒にゴールするチームワークが求められます。ディベートは、チームがそれぞれ主張の趣旨を述べ、相手に反論して論拠を突くもの。商社業務に不可欠な交渉力を鍛えます。打ち上げのアトラクションもチームビルディングの一環です。ビジネスでは時に取引先を盛り上げ、楽しませるマインドが必要になることも。こうした課題を通して、同期の交流が深まる効果も期待しています。(藤川さん)

 

2015年4月に参加した時のチーム内での私の役割は、疲労からどんよりしたチームのムードを和ませる盛り上げ隊 (笑)。ウォークラリーでは、みんなの疲れを紛らせようと、面白い話題を提供したり、カラオケ大会を促したり。自分では意識していませんでしたが、チームの仲間には「全員に話しかけ、周囲に目配りができるタイプ」と言われました。研修では、考え方が異なるメンバーの意見を調整し、まとめていく大切さを実感したので、人事でもそのことを意識して業務に当たっています。ウォークラリーでは、違う山に迷い込み、助けられたという苦い経験もあり、「ゴールできないかもしれない」という危機をみんなで盛り上げながら乗り越え、ひと回りたくましくなりました。また、疲労しきった状態でお互いに素をさらけ出し、厳しさを共に乗り越えたことで、その時のチームのメンバーとは一緒に旅行に行くほど絆が強まっています。(山田さん)

 

学生の皆さんへのアドバイスは、勉強、アルバイト、サークル活動など、何でもいいので打ち込めることを見つけ、主体的に動いて他人とかかわり、巻き込んでいく力を身につけること。どんな仕事も一人ではできないので、社会に出る前に人とかかわりながら目標に向かう経験を多く積んでおくと、役立ちますよ。(藤川さん)

 

学生のうちに、年代の違う人と話し、いろいろな人の経験や知識に触れておいてください。社会に出るといろんな考えを持つ人や年代の異なる人と、否応なしにかかわっていきます。それから、自分の立ち位置――勉強ならどのレベルに到達しているのか、アルバイトや部活動ならどんな立場にいるのかを意識するといいと思います。社会では、自分の行動が周囲にどう影響するのかを常に考えて行動しなければならないので、その練習になるからです。(山田さん)

 

取材・文/笠井貞子 撮影/鈴木慶子

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