【最新版】大学生のインターンシップ事情

Vol.5 法政大学 3年 平井恵梨さん

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ひらい・えり●大学生活では、勉強はもちろん、数学、物理、化学を教える塾講師のアルバイトにも力を入れている。業務実践型を中心に、4社のインターンシップにエントリー。地方公共団体、建設会社、エンジニアリング会社など4社に参加。中でも印象に残っているのは、地方公共団体と建設会社。複数のインターンシップに参加して現場を見たことで、異なる仕事を経験できたほか、同じ建設業でも現場の雰囲気の違いなどを実感できた。

発注業務を間近に見たことで、仕事内容が明確に理解できるように

インターンシップデータ
参加企業の業界
:地方公共団体 参加のきっかけ:建設業の発注者側の仕事を見てみたいと思った エントリ方法:大学のキャリアセンター経由 選考方法:エントリーシートの提出とキャリアセンター担当者の面接 プログラム期間:5日間 報酬:なし

大学では土木工学を学んでいるので、建設関連の業界を目指しています。建設業の主な仕事には、発注、設計、施工監理(現場監督)があり、2年生の時最初に興味を持ったのが、発注者である地方公共団体でした。そこで、上流の仕事である発注とはどのような仕事なのかを見てみようと考え、夏休みを利用してインターシップに参加しました。

 

キャリアセンター主催の地方公共団体の説明会があったので、参加。エントリーシートを書くのは初めてだったので、どのように書けばいいのかわからず苦労しましたが、就活中の先輩に添削してもらって提出しました。面接は、志望動機や私が考える街づくりなどについて聞かれた程度です。

 

私が参加した地方公共団体のインターンシップ参加者は100名近くいましたが、2年生は20名ぐらいだったと思います。私が配属されたのは、駅の改修を担当する交通局で、私とほかの大学から来た3年生の2名。服装は「クールビスだからジャケットは不要」と言われていたので、スカートと半袖のシャツで行きました。

 

1日目の午前中はインターンシップ参加者全員でレクチャーを受け、午後は交通局で駅の改修現場を監理する設計部とのミーティングに同席するなど、早速OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)がスタート。2日目は工事現場を見学し、建設会社との話し合いにも参加しました。3日目は、設計部門の担当者とパワーポイントで住民説明会用の資料を作成。「学生が作成した方が、誰にでもわかりやすい資料になる」と言われ「なるほど」と思いました。4日目は工事現場の写真を撮影し、工事過程の記録を作成。最終日は、参加者全員が1人約5分ずつ、パワーポイントで5日間の活動内容を写真や図を用いて紹介し、学んだことや感想を発表しました。

 

出社時間は8時から17時。大学に行くときも自宅が遠くて朝が早いので、朝早い出社は苦ではありませんでした。仕事も、わからないことはすぐに質問しましたし、特に大変だったことはありません。良かったことは、仕事後に職場の人たちに食事に連れて行ってもらい、いろいろな話を聞けたこと。公務員の仕事内容だけでなく、建設会社から公務員に転職した方には、発注する側と請け負う側の仕事の違いなども聞くことができ、参考になりました。

 

業務の一端に携わってわかったのは、工事費用の積算(設計図に基づき工事費を見積もること)から住民説明会の開催にいたるまで、地方公共団体の業務がとても幅広いということ。職員の下について実務に携わることができたので、ぼんやりとしか見えていなかった仕事内容が明確になり、計画段階からすべてに携われる仕事の魅力を理解することができました。

 

体験によって、自分には現場に出る仕事が向いていると確認できた

インターンシップデータ
参加企業の業界
:建設業界 参加のきっかけ:大学の単位認定があるため エントリ方法:大学からの推薦 選考方法:なし プログラム期間:土日を除く2週間 報酬:なし

3年の夏休みは、大学の単位が取れる2週間のインターンシップに参加しました。選考はなく、自分で企業を選ぶことはできず、出せるのは業種の希望のみ。私は希望がかなって、第1希望の建設会社に行くことができました。実際に勤務したのは、建設会社の社員が13名ぐらい常駐しているマンションの建設現場で、インターンシップ生は私1人だけでした。

 

初日は、8時からの朝礼に現場作業員と一緒に参加。その後は、支給された作業着とヘルメットに着替えて、実務に入りました。仕事内容について説明を受けた後、40歳ぐらいのベテラン社員と共に作業現場を回り、工程表通りに進んでいるかの確認や、トラブルがないかなどを作業員にヒアリング。午後からは会議に参加し、作業員リーダーから進捗報告を受けたり、資材の搬入時間が重ならないよう調整したりと、現場監督の仕事を間近に見ることができました。

 

ほかにも、工事の進み具合を写真に収めて発注者に提出する報告書を作成したり、作業を終えた部分が設計通りに仕上がっているかを確認したり、次に着手する部分の測量をしたりと、建設工程に伴う作業をかなり体験することができました。それに、2週間いる間に建物が少しずつ完成していくことにも、ワクワクしましたね。

 

何より良かったのは、インターンシップ生が私だけだったこと。1人しかいないので、すべての業務を最前線で見ることができたのではないかと思います。こうした現場監督の仕事は、授業でいくら材質や設計について学んでもピンとこない。やはり、現場に出なくては学べないことが多いことがわかりました。

 

現場作業員と接するのも初めてでしたが、こうしたことも勉強になりました。建設需要が高い現在は、作業員が仕事を選ぶ側。ですから、気持ち良く仕事をしてもらうことも現場監督の大切な役割。作業員は大半が男性なので、女子学生の私は珍しがられ、名前を覚えてもらうこともできました(笑)。

 

天気が良くても悪くても、8時から17時まではほとんど屋外作業。夏だったので、終業時には汗だくです。体が慣れるまで2日ぐらいは大変でしたが、とても充実した2週間でしたね。社員の人たちと食事に行き、天候に左右される苦労、残業や土日出勤のことなど、ネガティブな話も隠さず聞かせてもらい、この仕事に対する覚悟ができました。私は、男性の中に女性1人でも平気なタイプ。インターンシップをしたことで「現場に出る仕事は自分に向いている」と実感できましたし、その見極めができたことは良かったと思います。

 

インターンシップスケジュール

大学2年4月
2年生のうちにインターンシップに参加してみたいと考え、大学のキャリアセンターを通じて、地方公共団体にエントリーシートを提出。選考は特になく、キャリアセンター担当者の面接のみ。
大学2年8月
地方公共団体の5日間のインターンシップに参加。塾講師のアルバイトと重なる日は、アルバイトを休んでほかの日に入って補った。
大学3年6月
大学の単位認定があるインターンシップにエントリー。ほぼ全員が参加するもので、業種は建設業界を希望した。
大学3年8月
選考はなく、インターンシップ先は大学から通達された。8月末から9月初旬まで建設会社の2週間のインターンシップに参加。6週間の夏休みのうち2週間参加したので、他社への参加は考えなかった。
大学3年12月
研究室の先生が懇意にしている建設会社の現場見学に参加した際に、1月にインターンシップがあることを知り、リクナビで2日間のインターンシップにエントリー。選考は、エントリーシートの提出のみ。
大学3年1月
12月にエントリーした建設会社の2日間のインターンシップに参加。卒業生が多く就職している建設業界以外の企業も知りたいと考え、リクナビを通してエンジニアリング会社の1Dayインターンシップにも参加。1日だったので、会社の説明を受ける程度。そのほか、インターンシップではないが、1月から2月にかけて、5社の現場見学に参加した。

インターンシップ時のファッション

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建設会社のプログラムは建設現場がインターンシップ先だったので、スカートは禁止。作業着と安全靴は現場で貸してもらえるので、ロング丈のパンツとポロシャツ、スニーカーで毎日通った。現場で作業着に着替えると、その会社の一員になれたようで、気持ちが引き締まった。借りた作業着は、インターンシップの記念にプレゼントされた。

 

これからインターンシップをする皆さんへ

私は2年時から参加して良かったと思っています。なぜなら、2年の夏に発注者、3年の夏に現場監督と、同じ建設でも違う立場の仕事を体験できたからです。就活の面接でも、1社だけ参加して「ここが良かった」と言うより、複数社に参加して比較した上で意見を述べる方が、説得力があると思います。日々の学校の勉強はもちろん大切ですが、インターンシップで現場に出てみて初めてわかることもたくさんありますよ。

 

取材・文/笠井貞子 撮影/鈴木慶子

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