【最新版】大学生のインターンシップ事情

Vol.7 帝京大学 2年 高森寛太さん

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たかもり・かんた●学業では、スポーツ経営学に力を入れているほか、高校3年からスーパーマーケットでのアルバイトを続け、現在も週5日働いている。大学1年の春休みは損害保険会社、大学2年の春休みはレジャー・アミューズメント業界のインターンシップに参加中。自分に目標を課さないとダラダラ過ごしてしまうタイプなので、長い休みを有効に活用して少しでも成長できるよう、春休みのたびにインターンシップに参加してきた。

どんな仕事も「人と人との関係が重要なのだ」ということを実感

インターンシップデータ
参加企業の業界
:損害保険 参加のきっかけ:授業でインターンシップ募集要項を配布され、興味を持った エントリー方法:大学のキャリアセンター経由で、大学の専用サイトからアクセス 選考方法:大学指定の履歴書を提出 プログラム期間:5日間 報酬:なし

初めて参加したのは、大学1年の春休みです。インターンシップ先の選択基準は名前を知っている企業であること。何をするのか不安だったので、長期は避け、1週間程度のものを選びました。学生には大きな出費なので、交通費が支給されるかどうかも重視。この損保会社からは、自宅からの往復と営業同行時の移動交通費が、後日支給されました。

 

参加者は6名。同じ大学からは4名で、1名が2年生、3名が1年生。ほかの大学の学生は2名とも2年生でした。初日の午前中はオリエンテーション。午後は代理店の営業支援を行っている担当者に同行し、大学と提携しているキャンパス内の保険代理店を訪問。代理店の仕事内容などについて話を聞きました。帰社後は、海外旅行保険の加入者を想定して保険証書を作成する、模擬事務作業を体験しました。

 

2日目も営業担当者に同行して、別の大学にある代理店を訪問。午後は文部科学省を訪ね、インターンシップ先の損害保険会社から出向している社員と会って、省内での仕事や仕事観などを聞きました。3、4日目は、本社内で実際に保険加入者に送付する冊子類の封入作業を行いましたが、大半は営業同行などで外出していましたね。

 

最終日の午前中は、5日間の振り返りを会社所定の用紙にまとめ、午後はその報告会。発表後、担当者から指摘を受けたのは、話すときの姿勢の悪さです。ショックでしたが、今後の自分に役立つことなので、早い段階で教えてもらえたのは、ありがたかったですね。

 

最初の2日間は緊張のあまり誰も質問せず、担当者から「もっと積極的に質問するように」と言われたので、その後は会う人全員に、僕自身が悩んでいたことについて質問しました。それは、「与えられた課題が期日までに思うように仕上がらないとき、社会人はどう対処しているのか」ということ。

 

得られた答えは「自分で最善を尽くした上で、仲間に頼る」というもの。「自分だけの力、限られた視野で頑張るより、他人と力を合わせた方がより良いものになる」という言葉は、僕にとって大きな気づきとなりました。それまでは、「自分に任されたことは、何とか自分でやらなければいけない」と考えていましたし、自分から積極的にコミュニケーションをとる方ではありませんでしたが、この話を聞いてからは、いろいろな人に意見を聞いて採り入れるよう心がけています。

 

もう1つの気づきは、「どんな仕事も、人と人との関係が重要だ」ということ。大学の代理店担当者が実は別の損害保険会社の出身だったと聞かされ、かつての競合相手とも、きちんと付き合わなければそこからビジネスは生まれないのだとわかりました。学生生活では、苦手な人を避けていても支障はありませんが、社会に出たらそうはいきません。社会人になる前に、苦手な人ともきちんとコミュニケーションを図る努力をしようと思いました。

 

2年の春休みは、レジャー・アミューズメント業界で接客に挑戦中

インターンシップデータ
参加企業の業界:レジャー・アミューズメント 参加のきっかけ:1年時の経験を踏まえ、自分から積極的にコミュニケーションをとる努力を重ね、自分の価値を高めたいと考えた エントリー方法:大学のキャリアセンター経由で、大学の専用サイトからアクセス 選考方法:大学指定の履歴書提出と、企業での個人面接 プログラム期間:木・金を除く週5日、約7週間 報酬:あり(1時間につき950円)

1年の春休みのインターンシップで、人と人との関係の大切さを知ったので、2年の春休みは対人力を学び、実践できる業種を選びました。レジャー・アミューズメント業界なら、プロから一流の接客を学べるはず。それに、その施設の人気が高い理由が理解できれば、自分が勉強しているスポーツ経営にも生かせるかもしれないと思ったのです。期間が長く、報酬が出る点も魅力でした。

 

参加者は6名。3年生が1名で、ほかは2年生です。最初の3日間は、施設内の概要や接客に関する知識を座学中心で学び、施設の視察なども行いました。4日目に担当分けがあり、僕は清掃係に。その後は、担当グループで清掃業務や担当エリアについてのオリエンテーションを受けました。5日目からはトレーニング期間となり、担当エリアのトレーナーの下で掃除のやり方や、ゲスト対応、緊急時の対応などについて研修を受けました。かなり詳細な内容を学ぶので、ノートを用意して大事なことはその都度書き留めるように。施設内で実際の業務に入ってからも学ぶことは多いので、携帯できる小さなメモとペンも用意しました。

 

施設内での清掃業務がスタートするのは、インターンシップの3週目から。これから実際にお客さまと接すると思うと、緊張感は高いですね。このインターンシップで自分に課した目標は2つ。1つは、1日10名のお客さまにお声がけすること。2つ目が、できるだけ多くの社員に仕事観について話を聞くこと。研修では、困っている人を見かけたら声をかける、携帯で自撮りしているお客さまには撮影を申し出るといったことも教わったので、1つ目の目標はクリアできそうです。

 

難しそうなのは、2つ目の目標。なぜなら、その施設はアルバイトが多く、担当トレーナーもアルバイトだからです。思ったほど社員と接する機会が持てませんが、担当エリアに新入社員が1名いるので、近いうちにアプローチしてみるつもりです。また、最終日にはインターンシップ参加者全員で目標を振り返る発表会があるので、そのときに社員にいろいろと質問してみる予定です。単なるアルバイトのような経験で終わってしまうか、社員の話を直接聞けるインターンシップらしい貴重な経験となるかは、これからの自分の働きかけ次第だと思っています。

 

インターンシップスケジュール

大学1年11月
授業で配布されたインターンシップ募集の案内を見て興味を持ち、キャリアセンターのガイダンスに参加。1回目は概要の説明会、2回目はビジネスマナーの講習会を受け、大学のホームページにある募集企業一覧にアクセス。企業名、期間、交通費支給の有無などが掲載された約75社の中から、名前を知っている損害保険会社にエントリー。大学指定の履歴書を提出しただけで、面接などの選考はなかった。
大学1年2月
損害保険会社の5日間のインターンシップに参加。インターンシップ期間中はアルバイトを休んだので、別の日に多く入るなどして、穴埋めをした。
大学2年4月
2月に参加したインターンシップについて、3000字程度の成果報告書を作成し、企業の担当者の承認をもらって大学に提出。その後、インターンシップに参加した学生約100名が集まり、4人グループに分かれて、インターンシップで学んだことなどを模造紙にまとめて発表した。
大学2年11月
1年時と同じガイダンスを2回受け、大学指定の履歴書を提出して、レジャー・アミューズメント業界にエントリー。
大学2年12月
応募先の面接があることがわかり、キャリアセンターで模範問答を調べるなど、面接対策を行う。
大学2年1月
面接を受け、中旬に合格の通知が届く。
大学2年2月
中旬からスタートした週5日間のインターンシップは、4月3日まで続く。アルバイト先にはインターンシップに参加することを事前に伝えてあるので、入れる範囲でシフトに入っている。

インターンシップ時のファッション

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損害保険会社はスーツ着用だったので、大学入学時に購入したスーツとネクタイで行った。ビジネスバッグは、事前に営業同行のために用意するよう言われて購入した。レジャー・アミューズメント業界は、最初の3日間はスーツを着用。その後は制服着用になったので、私服で通勤。制服着用時は靴が指定されているので、約3000円で平底靴を購入。白色か黒色の高価ではない腕時計の着用も指定されていた。

 

これからインターンシップをする皆さんへ

春休みの過ごし方は人それぞれだと思いますが、僕は、長い休みに新しい経験をして、何かを得る方が有意義だと判断。それがインターンシップでした。就職はまだ全然意識していませんが、低学年から参加したことで、「最善を尽くした上で、仲間に頼る大切さ」や「どんな仕事も、人と人との関係が重要であること」など、早い段階でいろいろな“気づき”を得ることができました。将来どんな仕事に就いても役に立つ、こうした点に気づくことができ、今からそのことを意識して行動することで、成長できると期待しています。

 

取材・文/笠井貞子 撮影/鈴木慶子

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