【最新版】大学生のインターンシップ事情

Vol.8 京都大学 4年 石原大志さん

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いしはら・たいし●大学の専攻が理系なので、授業以外ではなるべくアルバイトなどで多くコミュニケーションが取れる環境にいるように心がけている。就活準備のため、グループワークのあるプログラムを選択。金融業界3社にエントリーし、2社のインターンシップに参加した。

グループワークの進み方だけでなく、銀行員の働きぶりもわかりました

インターンシップデータ
参加のきっかけ:宿泊形式のグループワークができるから 参加企業の業界:銀行 エントリー方法:リクナビで検索し、企業のホームページからエントリー 選考方法:エントリーシート提出、Web試験、グループディスカッション形式の面接 プログラム期間:5日間 報酬:なし

この銀行のインターンシップに参加したのは、大学3年の8月。就活に備えてグループワークを経験しておきたいと思ったのです。また、人とかかわる仕事をした経験がないこともあり、コミュニケーション力に欠けるといった理系出身者にありがちなイメージを払しょくして、就活に備えたいという思いもありました。

 

特に金融業界に絞ってインターンシップ先を探していた訳ではありませんが、リクナビで検索していたら、4泊5日のインターンシップを開催する銀行が挙がってきたのです。すぐにネットに掲載されているインターンシップのエントリーシートの書き方などを参考にして、企業のホームページからエントリーしました。

 

インターンシップの参加者は40人程度で、全員3年生。初日の午前中は、金融業界についての説明を受けました。銀行業務は窓口業務や外貨両替業務ぐらいしか知らなかったので、業界知識を養う良いチャンスにもなったと思います。午後は5人のメンバーと顔合わせをした後、グループワークを開始しました。

 

課題は、ある企業に対して銀行の立場から、経営状態を見て、業績拡大につなげる提案書を作成すること。5日目が、そのプレゼンです。何から着手すればいいのかまったくわからず、まずはその企業について調査することに。僕以外は全員文系で、問題や課題を論理的に考えられる人や金融業界用語を熟知している人、パワーポイントを巧みに使いこなしている人など、誰もが優秀そうで、最初はほかの人たちの意見に惑わされていました。

 

ところが、実際にグループワークを始めてみたら、業界知識は大差なし。ほかの人の意見に気おされて、自分の意見を主張できなかったことを後悔しました。また、それぞれの意見を尊重することは大切ですが、それが本当に正しいのか、企画の観点から外れてないのかを見極めながら調整していく難しさがわかりました。

 

2日目の夕方までには、僕たちのグループ指導担当の社員からフィードバックをもらい、3日目提案内容の課長承認、4日目は、部長クラスに決裁をもらわなければなりませんでした。そのため2日目の作業も夜遅くまでかかってしまいましたが、担当の先輩社員はご自身の仕事を終えた後に、僕たちの作業が終わる深夜1時近くまで待って、内容を確認したあと、宿舎まで付き添って来てくれたのを覚えています。

 

3日目の課長からのフィードバックは、銀行の利益を最優先するのではなく、相手企業の課題を調べてベストな解決策を提案するべきだという法人営業の初歩的なことでした。この日も、夜遅くまで提案書を作り直すことになりましたが、4日目のフィードバックは若干の調整で済みましたね。

 

いよいよ5日目、グループごとに与えられていた課題のプレゼンです。発表後は、部長クラスからフィードバックをもらうという貴重な経験もできました。また、ほかのグループに対するフィードバックから、資産運用がどんな業務かも理解ができて、金融知識が深まりましたね。

 

このインターンシップでは、銀行という組織の中で上司に決裁をもらう業務の流れを知ることができました。また、期日を守るために深夜まで働き、自分の責務にやりがいを感じている銀行員の姿も垣間見ることも。皆さん本当に親身になって接してくれるので、担当社員とコミュニケーションを深めておけば、就職活動での先輩訪問もしやすくなると思います。

 

 

先輩社員との飲み会で、仕事以外のライフスタイルも明確に

インターンシップデータ
参加のきっかけ:まとまった時間がとれたことと、人気企業のインターンシップだったこと 参加企業の業界:損害保険会社 エントリー方法:企業のホームページから 選考方法:エントリーシート提出、グループ面接、個人面接 プログラム期間:3日間(1日と2日間の2回) 報酬の有無:なし

損害保険会社として知名度が高く、就職先としても人気の企業だったので、その理由をインターンシップで知っておきたいと考え、大学3年の12月にエントリー。また、前回の銀行でのインターンシップでうまく実践できなかった“自分の意見を言いながら、ほかのメンバーの意見をまとめていく調整作業”をもう一度経験しておきたいという気持ちもありました。

 

1月に行われたインターンシップの参加者は約25名。初日は、6人ずつのグループ分けの後、会社や損害保険に関する説明を受けました。その後は、グループごとの懇親会に参加。その5日後にインターンシップ2日目が開催され、本格的に作業スタート。企業によってインターンシップのスケジュールなどにも、違いがあるのだなと思いました。

 

その日の午前中は、部署の説明を受けました。僕が配属されたのはグローバル営業部。日本の企業が海外で起業する際に必要となる損害保険商品を取り扱う部署です。その後は、グループ6人が2つに分かれ、それぞれに提案を行う企業名が伝えられ、翌日の午後までにプレゼン資料を作成することになりました。

 

短時間で成果を出すためにも、1社目のインターンシップで実践できなかった役割を担おうと決心。今回は、自分の意見を活発に発表しながら、ほかのメンバーの意見も取り入れて調整するなど、リーダーシップを心がけました。

 

皆で考えたのは、フランスで工場を建設したい日本企業に対する損害保険。ストライキが起こった際に会社を保障する損害保険商品を作ったらどうかという提案でした。ところが、この保険内容では企業に対するメリットは大きいものの、損害保険会社の利益にはつながらないという先輩社員の指摘が。そこで、その意見に従って、再作成しました。プレゼンまで約5日間の猶予があった銀行のグループワークに比べると、今回はわずか1日半。短い時間で成果を出すことの難しさを学びました。

 

翌朝は、僕たちの面倒を見てくれていた先輩社員、課長、人事担当者の前で、作成した損害保険商品をパワーポイントを使ってプレゼン。かなり緊張したのを覚えています。

 

短期間で完璧な提案書を作成できる訳ではありませんし、作成中は仲間たちと意見の違いが生じることもあります。そうした場面での問題解決方法などを事前に学んでおけば、社会に出てからや就活の場でも役立つことは多いはずです。また、グループワークやプレゼンを通して、実際に組織に入ったとき、自分がどんな活躍が果たせるのかを見究める良い機会だなとも思いました。

 

プレゼンの後は飲み会へ。3日間のインターンシップの中で2回も飲み会があったので、先輩社員一人ひとりと密に接する時間が多く、仕事ではどんなことにやりがいを感じているかとか、いつごろ結婚してどんな生活スタイルなのかといった仕事以外のプライベートなことも詳しく聞くことができました。おかげで、自分が社会人になってからのプライベートライフも想像することができましたね。

 

 

インターンシップスケジュール

大学3年6月
初旬に、リクナビでA銀行の宿泊形式の5日間のインターンシップを見つける。4回実施される中で、夏休みを利用できる8月実施の回に企業のホームページからエントリー。Webテストを受ける。リクナビで見つけたB銀行のインターンシップに企業のホームページからエントリー。
大学3年7月
A銀行のグループディスカッションの1次選考を受ける。中旬、2次選考へ。30分弱の個人面接で、インターンシップに応募した理由や、銀行業務のどんな点に興味があるかなどを聞かれた。下旬にA銀行から合格通知をもらう。エントリーしていたB銀行は、参加時期が重なっていたのでエントリーのみにとどめた。
大学3年8月
初旬に、A銀行の4泊5日のインターンシップに参加。
大学3年12月
中旬に、ビジネス雑誌で損害保険会社のインターンシップ募集を見つける。時間に余裕のある1月に、グループワークをもう一度体験しておきたいと考え、企業のホームページからエントリー。数日後、グループで行う1次面接を受ける。
大学3年1月
初旬に、損害保険会社の個人面接を受ける。面接担当者は、人事部の採用担当者のように思えたので緊張したが、数日後に合格通知をもらい、下旬から3日間(1日と2日間の2回)のインターンシップに参加。

インターンシップ時のファッション

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1社目の銀行のときは、大学の入学式で使用した紺系のスーツで通った。インターンシップ参加者は、ほぼ黒のリクルートスーツだったので、少し浮いているように感じたが、担当の先輩社員から、スーツについて何も言われなかったので、気にしなかった。2社目の損害保険会社のときは、すでに就職活動が始まっていたので、そのために購入したリクルートスーツを着用。それ以外は身だしなみが整っているかを、チェックした程度。

 

これからインターンシップをする皆さんへ

数日間のインターンシップでも、その企業や業界に対するイメージとのギャップがわかるし、知識も深まります。例えば、僕が金融業界に抱いていたのは、数字にたけていてすごくスマートな人が多いという印象。実際に自分たちの面倒を見てくれていた社員は、優秀で話がわかりやすく、体育会的な熱いハートの人たちばかりでした。参加する目的はいろいろですが、就職したい企業や業界のインターンシップには、日程が合う限り参加することをお勧めします。先輩社員には積極的に話しかけて、良い人間関係を築いておくといいですよ。

 

取材・文/内藤マスミ 撮影/福永浩二

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