内定者インタビュー

Vol.241 広告会社内定 名古屋市立大学 鬼頭(きとう)佳代さん

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
就活データ
志望業界
:広告、インターネット関連 説明会参加:27社(うち合同企業説明会5社) 先輩訪問:4人(広告4人) エントリーシート提出:14社(うちOpenES2社) 面接:11社 内定:2社(広告2社) 活動費用:約11万1000円(交通費5万2000円、宿泊費2万円、外食費3万円、証明写真5000円、書籍代3000円、封筒・郵送代1000円。東京に出てくる際にはなるべく予定を固め、往来には深夜バスを使うなどして、滞在費と交通費を節約した)

東京には、直感的に働きたい会社がたくさんあった

就活を始める前は、漠然とですが「まともな仕事に就いて、まともな大人になりたい」と思っていました。勉強が得意なわけでもなく、大学では周りに面白い先輩がたくさんいたこともあって、自己評価が低かったんですね。特に明確な理由もなく「私ってダメだな…」と感じる瞬間がたびたびありました。

 

そんな自分を変えようと、大学3年が終わってから休学を決意。自費でフィリピンに語学留学をして、その後はバックパック1つでタイ・カンボジア・ベトナムなどアジア諸国を歩き回りました。英語には昔から苦手意識を持っていたので、「苦手を克服して英語を話せるようになったら、自分の中で何か大きく変わるかもしれない」という思いがあったんです。また、所属していた学生団体に休学して海外に行った先輩が何人かいて、皆さん面白くて尊敬できる方々だったので、「自分も海外に行ってあんなふうになれたら…」という憧れも、留学の決断を後押ししてくれました。

 

海外で生活をして一番よかったのは「時間をかけて自分自身と向き合えたこと」です。日本にいたときは、毎日授業やサークルやアルバイトで息のつく間もないような生活を送っていたのですが、日本を離れた途端に時間に大きな余裕ができて、ふっと心が軽くなりました。「何であんなに忙しかったのか…」と不思議に思うくらい。こうしたゆとりができたことで、それまで直近のタスクに追われてばかりいて考えられていなかった自分の将来について、就活前にじっくりと考えることができたのは、本当によかったなと思っています。

 

帰国後は大学4年の10月から復学。本格的に就活を始めたのは、就職情報サイトで多くの企業がプレエントリーの受付を始めた12月からです。大きな転機となったのが、東京の就活イベントに参加したことでした。東京に行くまでは上京して働くことがほとんどイメージできていなかったのですが、あちらでの就活に触れ、その選択肢の多さに本当に驚かされました。名古屋との差をとりわけ感じたのは、東京では起業してから数年で大きな成果を残している魅力的なベンチャー企業が積極的に採用募集をしている点です。説明会に活気もあって、直感的に「こんな会社で働いてみたい」と思える会社が数多くありました。

 

しばらく考えた結果、「地元や親元を離れ、知らない環境で自分のことを試してみたい」という思いが強くなり、私は東京での就職を目標に就活することに決めました。1月からは月に1~2回、名古屋から東京に行って合同企業説明会や個別の会社説明会を回るように。1度の上京で5~10日間滞在して、時間を最大限に有効活用できるようにスケジュールを綿密に組んでいました。

 

東京での就活中の“衣・食・住”を確保するために、綿密なリサーチを

地方から東京に出る就活で最も大変だったのは、東京に滞在している間の“衣・食・住”を確保することです。私はなるべく滞在費を抑えるために、地方から出てくる就活生を格安で泊めてくれるようなシェアハウスをよく利用していました。安心して滞在できる場所を見つけるため、インターネットで詳細に調べることはもちろん、同じように東京での就職を目指していた友人たちと頻繁に情報共有をするように。長く滞在する場合は、施設内に洗濯のできる場所があるか、または近くにコインランドリーがあるか、という点も滞在先選びの大きなポイントでした。

 

東京で会社回りをする際には、空き時間に自分がよく来るエリアを歩き回って、土地勘を身につけるように心がけていましたね。地方から出てきたばかりのころは、例えば「東京から大手町は歩いて行ける」といった距離感がまったくわからなかったため、効率的に移動ができず説明会に遅刻しそうになったこともあって…。自分の足で歩き回れば、コンセントのあるフリースペースや図書館など、空き時間を有効活用できる場所がどこにあるのかも把握できて、カフェなどを利用する出費を抑えることにもつながります。貸しロッカーなど荷物を預けられる場所や、インターネット経由でプリントができるコンビニの場所もチェックしておくと、いざというときに心強いです。知らない場所を歩き回る際には、地図を閲覧するスマートフォンなどの電子機器は命綱と言っても過言ではありません。予備の充電器は容量の大きいものを持っておくようにしました。

 

「地方から来た」というのは、面接において1つの武器になります。「わざわざよく来たね」と自然に話が弾みますし、地方と東京の状況を比較して「…だから私は東京で就職したい」ということを論理的に話すことができれば、それは地方出身者ならではの強みになる。面接を自分のペースにしていくためのツールとして、“地方”は心強いキーワードになりました。

 

面接では必ず一度は自分から質問をするように心がけていました。相手からの質問に答えるだけであれば、それは文面で事務的なやりとりをするのと大差がないように感じます。「自分の人となりは、言葉のキャッチボールをすることで初めて伝わる」と思っていたので、面接の場がなるべく双方向的なコミュニケーションになるよう、こちらから積極的に発言をしました。

 

5月の初旬にエントリーしていた企業の面接がすべて終了し、その時点で2社から内々定を頂いていました。2社ともインターネット関連の広告や販促支援に携わるベンチャー企業で、業務内容はどちらもすごく魅力的。最終的に決断の決め手となったのは、現在の内定先の最終面接でのやり取りです。私の「どういう基準でクライアントを選別するんですか?」という質問に対して、面接担当者であった社長が「君の正義感で選んでいいよ」とおっしゃったんですね。私はその言葉に心をつかまれました。

 

また、内々定を頂いた後に「本当にこの会社で自分がやっていけるか、社員の方々との相性はどうか」ということを確かめるために会社訪問をお願いしたのですが、そのときの対応が本当に丁寧で…。私1人のために1日かけてすべての部署の社員の方と話をする機会を設けてくださったんです。自分がこれから働く会社のことを納得できるまで知ることができたおかがで、一点のくもりもなく内々定を受諾する決心がつきました。内々定を頂いた後でも、何か懸念することや引っかかることがあれば、実際に会社訪問をしてお話を聞くべきだと、私は思います。

 

自分の就活を振り返ってよかったと感じるのは「自分が納得できる方法を選ぶ」ということを徹底できた点です。一般的な就活の方法論は、あくまで目安にしかすぎません。その通りに就活をしても、それが自分に合っていないやり方であれば、成果を出すことはできないと思います。インターネットで手に入る見知らぬ人の意見や情報に振り回されないで、自分の信じた選択を貫いていけば、悔いの残らない形になるのではないでしょうか。

 

低学年のときに注力していたことは?

大学1年のときから、海外インターンシップを運営する学生団体に所属していました。3年から団体の広報を担当するようになり、それまで有効活用されていなかったFacebookページの更新を積極的に行うように。「自分たちの活動を正確かつ丁寧に伝えるためには、どんな言葉を選んだらいいのか…」と、毎日文章と向き合っていました。Facebookページがきっかけとなってインターンシップの参加者が増えたり、サポーター企業の方から「いい活動をしているね」とコメントを頂けたりしたときには、とてもやりがいを感じましたね。

 

就活スケジュール

大学4年10月
インターンシップに参加
興味のあった社会福祉に携わる会社でのインターンシップに参加。2カ月間、うつ病の方の社会復帰を支援する業務の補佐をしながら、会社で働く感覚を身につけていった。
大学4年11月
就活イベントに参加
比較的大きな規模の就活イベントに参加し、初めて就活の雰囲気に触れる。企業の人事の方と対面でじっくりと話ができたことで、就活について真剣に考え始めるきっかけを得られた。
大学4年12月
リクナビに登録、東京での就活イベントに参加
リクナビに登録して本格的に会社選びをスタート。11月に参加したイベントが東京でも行われていたので、そちらにも参加することに。それまで視野に入れていなかった“東京での就職”を検討するようになる。
大学4年1月
説明会に参加
東京で就職することを前提に就活をするように。1週間ほどまとめて東京に滞在し、合同企業説明会や個別の会社説明会を効率よく回った。
大学4年2月
面接のピーク
志望先にベンチャー企業が多かったため、早い時期に面接が集中。名古屋と東京の往復をなるべく少なくできるよう、スケジュール調整に苦心した。
大学4年3月
初めての内々定
志望業界の企業から内々定を頂いた。以降は、より志望度の高かった2社のみ選考を受け、ほかの選考は辞退。
大学5年5月
すべての選考終了、内定先の検討
5月の初めにすべての選考が終了。最終的に内々定は2社から頂いた。選考が終わった後も会社訪問をして社員の方の話をうかがい、どちらの会社に行くのか納得のいくまで検討した。5月末、現在の内定先に受諾の連絡を入れて就活を終える。

就活ファッション

ph_naiteisya_vol241_01

 

リクルートスーツと私服を併用。ベンチャー企業の選考では服装の指定がない所も多かったので、私服を着ていく機会も多かった。私服については、東京で選考を受ける際には多くの服を持ち歩くと荷物になるため、上下ともに合わせやすい黒・グレー・白などの色の服を中心にして、洗濯をしながら着まわした。

 

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加