内定者インタビュー

Vol.310 建設会社内定 学習院大学 天野梨沙さん

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就活データ
志望業界:航空、商社、建設 説明会参加:約70社(うち合同企業説明会1回) 先輩訪問:17人(航空会社3人、商社4人、建設会社10人) エントリーシート提出:9社 面接:3社 内定:1社 活動費用:33万5000円(交通費5万円、スーツ4万円、書籍代1万5000円、証明写真2万円、飲食費2万円、就活塾受講料19万円。貯めていたアルバイト代から捻出。節約はしなかったが、欲しいものを買い控えるなど、活動費用以外の出費を抑えた)

エントリーシートが通らない。危機感から専門家にアドバイスをもらうことに

もともと興味を持っていたのは、航空会社や商社。ただ、体育会のバスケットボール部に所属していたため、これらの業界の面接が始まる8月よりも前に、できるだけ就活を終わらせたいという思いもありました。夏休みは秋のリーグ戦に向けた大事な練習期間。バスケはチームスポーツですし、選考のために部活を休むわけにはいかなかったからです。

 

大学3年の3月に企業の説明会が始まってからは、航空会社や商社以外の業種も知るために大学主催の会社説明会に参加し、幅広い業種の話を聞いてみました。しかし、興味を持てたのは、やはり航空会社や商社。あとは、メーカーに少しひかれたくらいでした。

 

また同時に、アルバイト先のコーヒーチェーン店の新卒採用に練習がてら応募してみたのですが、エントリーシート選考で落ちてしまったんです。エントリーシートを書いたのは、インターンシップの申し込みも含めて3社目。どれも志望動機があいまいだったり、自己PRや学生時代に頑張ったことなどをコンパクトにまとめられなかったりと、難しさを感じて…。専門家からアドバイスをもらって早めに手を打とう、と、大学4年の4月から民間の就活塾に通うことにしました。

 

エントリーシートで課題に感じていたのは、内容をコンパクトにまとめられないこと。例えば、「学生時代に頑張ったこと」であれば、課題に対してどんな行動を起こし、どのような結果に至ったのか、とPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:検証、Action:改善)サイクルを整理して書くべきところを、あれも入れたいこれも入れたいという気持ちが勝って、整理できなかったのです。それを、就活塾のスタッフの方や両親、大学の面接対策セミナーに指導に来ていた卒業生の方などに添削してもらって何度も書き直して改善していきました。

 

特に役立ったアドバイスは、「それって、誰でもできることなんじゃないの?」「『この内容、さっきも読んだな』と思われない内容にした方がいい」。当初は「そんなこと言われても…」と試行錯誤していましたが、選考が始まって、面接で質問を受ける中で、チームで目標を達成するために必要なときには厳しいことを言ったり、嫌われ役を買って出られることが自分の強みだと確信しました。エントリーシートとにらめっこして一人で悶々(もんもん)と考えるのではなく、人と話しながら考えたことで、整理することができたと思います。

 

漠然としていた企業選びの基準も、どの業種に興味があるのか/ないのか、なぜ興味があるのか/ないのか、といったことを就活塾のスタッフの方と話す中で、自分は、いろんな人とかかわりながら人々の生活を支える仕事をしたい、とはっきりして、志望動機を明確に伝えられるようになりました。

 

企業選びの基準にも、希望する選考スケジュールにも合っていた建設業界

建設業界との出合いも、就活塾がきっかけです。選考スケジュールが早い業種をいくつか教えてもらった中で比較的興味を持てたので、説明会に行ってみたんです。さらに、先輩訪問をしたり、選考を受けたりするうちに、建築物は形に残り、人々の生活を支え、技術系の社員をはじめ大勢の人とかかわりながら仕事を進められる点も企業選びの基準に当てはまっていると感じ、志望度が高まりました。

 

建設業界には事務系職で応募。技術系の職種に生かせる知識があったわけではないですし、自分の中では違和感はなかったのですが、面接では「理系なのになぜ?」と何度も聞かれました。理由を説明するのは難しく、理系の学問を通して培った論理的な思考や目指す結果から逆算して段取りすることを仕事に生かせることなどをアピール。また、建設会社の事務系職には法律の知識が求められますが、私にはその下地がなく、「ゼロからやっていける?」ということもよく聞かれました。それには、「足りない部分は努力するので大丈夫です」と笑顔で答えるようにしましたね。これまでも、勉強や部活、アルバイトで課題を感じたら克服するべく努力してきましたし、不安がったり顔色を変えたりしたら負けだと思ったからです。

 

そうやって建設会社1社に内定することができたのですが、内定を承諾したい気持ちと、これから選考が始まる商社や航空会社に挑戦したい気持ちの両方があり、就活を続けるかどうか1カ月くらい悩みました。とはいえ、部活が大事でしたし、内定先は航空会社などに比べると女子学生の採用数が少なく、一人ひとりをしっかり見てくれている印象を受けたので、自分を丁寧に見てくれるところで自分の力を発揮したいと感じ、入社を決めました。

 

自分の選択に後悔はありませんが、もう一度就活をするとすれば、採用情報が開示される3月までに、知らない業界についてもっと情報収集すると思います。興味のない業界も含めて、各業界のビジネスの仕組みや事業内容について基本的な情報を得ていれば、会社説明会に行ったときに疑問点や知りたいと思えることがもっと生まれて、理解が深まったように思うからです。私は、事前に情報収集していなかったので、漫然と話を聞いてしまっていました。

 

就職活動は、さまざまな業界の人から話を聞ける絶好の機会。しかも、社会人になってビジネスの関係になるとなかなか見聞きできないことを教えてもらえることだってあります。このチャンスを生かして、さまざまな企業を幅広く見てみてほしいと思います。

 

低学年のときに注力していたことは?

入学当初は教職課程と学科の授業、部活で手いっぱいでしたが、両立のめどが立った1年生の冬から、自分の世界を広げるためにコーヒーチェーン店で週2〜3日、アルバイトを始めました。アルバイトをして一番勉強になったのは、自分一人でできることには限界があると知れたこと。人と協力してこそ、より良いサービスを提供し、良いお店を作ることができることを体感しました。この経験があったからこそ「人とかかわりながら働きたい」という考えに行き着きましたし、部活だけだと得られなかった経験ができたと思います。

 

就活スケジュール

大学3年12月
業界研究など、就活準備開始。インターンシップにも応募
12月〜2月は、大学のキャリアセンターが主催する業界研究セミナーや面接対策セミナーに参加し、就活準備を進めた。また、12月に航空会社の客室乗務職のインターンシップに応募したが、書類選考を通過できず、エントリーシートを書く難しさを実感した。
大学3年3月
会社説明会への参加を開始
3月中は大学で開かれる個社説明会に参加。航空会社や商社だけでなく、不動産会社やメーカーなど約40社の説明を聞き、興味を持った企業は、4月以降、企業主催の個社説明会に参加。社員の様子から会社の雰囲気を感じ取り、座談会形式のときには社員がどんな思いで働いているのか聞いて、共感できるかどうか確認していた。また、3月末には初めてエントリーシートを提出した。
大学4年4月
就活に不安を感じ、民間の就活塾へ
エントリーシートがうまく書けないことに危機感を感じ、専門的なアドバイスをもらうために民間の就活塾へ。週1回ほど通って講師に相談に乗ってもらったり、模擬面接をしてもらったりしたほか、エントリーシートのWeb添削を受けた。ここでスタッフから選考が早く始まる業種を教えてもらい、興味を持った建設業界に応募してみることに。なお、3年次を終えた時点で週1回のゼミ以外の卒業単位はすべて取得済みだったので、4年前期は就活と部活に力を注ぐことができた。
大学4年5月
教育実習のため、就活は最小限に
5月末から3週間、教育実習へ。日曜日などに説明会の予定を入れたかったが、授業の準備に忙しくかなわず。就活は締め切りが迫っている企業のエントリーシートを書く程度にとどめた。
大学4年6月
建設会社に内々定。1カ月ほど悩んだ後、内々定先への入社を決意
6月中旬に建設会社に内々定。これからエントリーシート提出が始まる商社や、エントリーシートの結果が出始めていた航空会社に引き続き挑戦するか1カ月ほど悩んだが、内々定した企業の志望度が高かったことや、部活を優先したいことから、就活を終えることに。エントリーシートが通過していた航空会社の選考も辞退した。

 

就活ファッション

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黒のスーツ(ジャケット、スカート)2着と、パンツ1着を購入。説明会のときは移動が多いのでパンツを、面接では主にスカートを着用した。インナーの白のブラウスは、説明会のときは首回りがストレスにならないようにスキッパータイプを、面接時はきちんと感を出したくて襟元まで締まるタイプをチョイス。カバンのマチが小さめだったので、中に入れる荷物を財布と資料、化粧品などに絞り、残りの荷物は部活の荷物と合わせてコインロッカーに預けたり、移動途中に大学に立ち寄って部室に置いたりしていた。

 

取材・文/浅田夕香 撮影/鈴木慶子

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