内定者インタビュー

Vol.322 医療機器メーカー内定 東京大学大学院 植木典子さん

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就活データ
志望業界:医療機器メーカー、医薬品メーカー、化粧品メーカーなど 説明会参加:23社(うち合同企業説明会3回) 先輩訪問:2人(メーカー1人、ゼネコン1人) エントリーシート提出:34社(うちOpenES3社) 面接:16社 内定:3社(メーカー2社、印刷会社1社) 活動費用:約7万1000円(交通費5000円、スーツ・靴・カバンなど5万5000円、書籍代5000円、証明写真6000円。自転車で移動することが多かったため、交通費をかなり節約できた。カバンは自分で購入したものとは別に、先輩から頂いたものも使い、状況によって使い分けた)

会社選びは“やりがい軸”と“憧れ軸”の2つで判断

私が就活を始めたのは、修士課程の1年目が終わった3月ごろからです。周りの同級生は博士課程に進学する人ばかりだったので、就活についての情報がなかなか入ってこなかったために、少しスタートが遅れてしまいました。「区切りのいいところまで研究をやりきってから就活に臨もう」と考えていた部分もあったので、この点についてあまり後悔はしていませんが、就活関連の情報が入ってくるように工夫すべきだったなと、振り返って思います。

 

いざ動き出してみると、早い人は3月の時点ですでに内々定をもらっていたりと、その進度に驚きました。焦りを感じながらもリクナビなどの就職情報サイトに登録して、まずは説明会やセミナーを予約。「仕事として何をやりたいのか」が明確に定まっていなかったので、少しでも興味を持った会社の説明会は、片っ端から参加しました。

 

会社選びの軸は2つありました。“やりがい軸”と“憧れ軸”です。“やりがい軸”は「人の役に立てる仕事かどうか」という基準で、自分が研究領域にしてきた生物や医療の知識が生かせる化粧品メーカーや医薬品メーカーが主な志望に挙がりました。“憧れ軸”は「自分の尊敬している先輩が働いている業界」という観点で、広告や証券業界に興味を持つように。自分がこれまでやってきたこととはかけ離れている業務内容でしたが、だからこそ憧れを強く持ったんだと思います。「受けとけばよかった」という後悔はしたくなかったので、気になった企業は積極的にエントリーしました。

 

動き出しが遅かったために、会社選びをしている最中からどんどん選考が始まっていきました。修士2年の4月に最初の面接をしましたが、この時はまったく自己分析や業界研究ができていなくて、周りの就活生の話す内容を聞きながら「自分は就活に乗り遅れている」ということを痛感したんです。しかもそれが、志望度の高かった化粧品メーカーの面接だったので、かなり落ち込みましたね…。ただ、今思うと早い段階でつまずくことができてよかったなと思います。

 

信頼している社会人の先輩に面接のコツを聞いたところ「とにかく慣れだよ」と言われたので、場数を踏もうと意識しながらエントリーの数を増やしました。会社探しをしながらエントリーシートも書き、その合間に説明会と面接もどんどん入ってくるという状況…。そんな中で、自己分析を深める時間がなかなか取れず、苦戦することに。なので、深く掘り下げきれない部分は割り切って、代わりに「相手の求める人材像に自分を合わせていくこと」を面接では意識するようにしていました。

 

「相手の求める人材像に自分を合わせていくこと」のコツは、無理やり自分を企業のニーズに合わせていくのではなく、企業のニーズの中で自分がもともと持っているスキルや、適応しそうな性質を見つけて「私はそこなら貢献できます」とアピールすることです。そのために、説明会では弱点や今後の課題について質問でうかがって、その会社がどんな人材を求めているのかを把握しようと努めました。

 

面接のコツは、相手のニーズを察知すること

私が受けていた会社は総じて文系の志望者が多く、自分に比べて自己アピール力や、物事をわかりやすく伝えるコミュニケーション能力は圧倒的に高かったんです。そんな中で張り合っていくためには…と試行錯誤を重ねて、「理系的な強みをしっかりアピールしていこう」という考えに至りました。これまでの研究成果や、物事を順序立てながら分析して話すロジカルシンキングなど、選考で周りの学生と差別化できるポイントを積極的に出していこうと意識。そのおかげもあって、グループワークなどで問題解決型の課題をするときには、高い評価を頂けることが多かったです。

 

最初のうちは散々だった面接も、経験を積むことでだんだんとうまくいくようになりました。面接では、相手のリアクションを観察しながら「面接担当者が聞きたいと思っているエピソード」を話すように。相手がどんな話題に興味を示すかがつかめてくると、そこから「その人が欲しがっている人材像」と「自分をどういうポジションで採用しようと考えているのか」がなんとなく推測できました。

 

例えば、面接中に相手が研究内容の話よりも「学会でどんなプレゼンをしていたのか」という話で盛り上がった時に、「この人は技術方面のポジションではなく、マーケティング方面の適性を見ているのでは」と気づいたことがありました。そこで、技術寄りの話からコミュニケーションにフォーカスした経験を話すようにしてみると、すごく受けがよくなったんです。このように、相手のニーズをリアルタイムに察知して、話のテーマを柔軟に変えられるようになってからは、面接で落ちることはほとんどなくなりました。

 

面接がすべて終わったのは、8月の上旬です。志望度の高かった医療機器メーカー、化粧品メーカー、印刷会社の3社から内々定を頂きました。印刷は会社の社風や人柄にひかれていて、ほかの2社は業務内容に魅力を感じて受けた会社でした。どこを選んでも満足できるような3社でしたが、最終的な決め手は「自分がやってきた研究を最も生かせるところに行こう」という気持ちでした。大学院では皮膚がんについての研究をしていて、その内容に心からやりがいを感じていたんです。その経験と知識を余すところなく生かせるフィールドは医療分野であり、「自分が仕事をする意味が生まれる会社」だと感じたので、現在の内定先を選択しました。

 

就職後は、希望としてはマーケティング業務に携わりたいと思っています。マーケティングの仕事は自社の製品の宣伝といった業務も行いますがが、「正しい商品価値を広めることが人命救助につながる」といった捉え方もできます。自分の専門的な知識を生かしつつ、救える命をひとつでも多く救うために世界中を飛び回ることが、私の今後の目標です。

 

低学年のときに注力していたことは?

研究と学業に専念していました。研究の中では、調べれば調べるほど「なんでだろう?」という疑問が出てきます。その疑問に対して仮説検証をしていく作業が、本当に楽しかったんです。実験は一度で成功することはほとんどなくて、失敗するたびに問題点を抽出して解決策を考え、細やかな試行錯誤を繰り返します。こういった問題解決のための思考力は、就活の自己アピールに生かすことができました。

 

就活スケジュール

大学院1年3月
会社説明会への参加開始
少しでも興味を持った企業の説明会へは、業界問わず参加した。合同企業説明会は大規模なものには行かず、学内開催の小規模なものだけに絞って足を運んだ。
大学院2年4月
面接開始
1社目の面接が早くも開始する。面接慣れしている周囲に対して不安を感じたことから、面接準備を念入りに行うようになった。
大学院2年5~6月
エントリーシート提出のピーク
エントリーシート提出締め切りが、ほぼ毎日あるような日々が続く。説明会と面接の合間をぬって、計画的にエントリーシートを書くように。息抜きに先輩や社会人の同期に連絡を取ることが多く、その際アドバイスをもらうことを忘れなかった。6月下旬に化粧品メーカーから内々定をもらう。
大学院2年7~8月上旬
面接のピーク
面接が最も多かった時期。当初持っていた面接に対する不安は、事前に対策することと場数を踏むことで解消された。価値観や立場の違う相手に、いかに自分の想いを正確に伝えるかに重点を置いて、面接へ臨んだ。7月下旬に医療機器メーカーから、8月上旬に印刷会社から内々定をもらう。
大学院2年8月下旬
就活終了
内々定をもらった複数の会社の中から、現在の内定先に受諾の連絡を入れて、就活を終了した。

 

就活ファッション

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基本は黒のスカートスーツにストラップ付きのパンプスを着用。スーツは、体のラインがきれいに出るものを選んだ。靴は歩きやすさを重視し、ストラップ付きのものをチョイス。カバンはデザインがシンプルで、独立型のものを購入。髪形は清潔感が出るようにまとめることを心がけていた。

 

取材・文・撮影/西山武志

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