内定者インタビュー

Vol.377 NPO法人内定 愛媛大学 高橋貴一さん

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就活データ
志望業界:教育、人材、コンサルティング インターンシップ参加:2社(IT企業、機器メーカー) 説明会参加:約30社(うち合同企業説明会3回) 先輩訪問:なし エントリーシート提出:約30社 面接:20社 内定:2社(IT企業、NPO法人) 活動費用:約12万8500円(交通費約6万円、洋服代2万円、書籍代1万円、宿泊代1万5000円、食費1万5000円、証明写真3500円、筆記具5000円)。愛媛県内の活動は自転車で移動したので、交通費は東京での会社説明会や面接に参加するため。時間が空いたらカフェで資料整理や準備を行っていたので、飲食費がかかった。

精神的なストレスと疲労が重なり就活を中断することに

もともとは教職を志望していたので、教育学部を選びました。ただ次第に、教員は学校という限られた場所で特定の人しか出会うことができないので、普通の企業に勤めた方がさまざまな価値観を持つ方と出会い、自分の知らない新しいことを知ることができるのではと思い始めたんです。

 

そこで民間企業への就活を始めましたが、何から始めていいのかわからず、取りあえず企業を知ることから始めました。ただ就活を始めてすぐ、以前から決まっていた中国での交換留学がスタート。その間もできることをやろうと日本の機器メーカーに勤めている現地駐在員の知人を頼って、その現地法人で2週間のインターンシップを経験させてもらうことで就活を続けていました。

 

大学3年2月に帰国してからは、会社説明会に積極的に参加。業務内容に魅力を感じた会社も多くあり、このまま順調に進んでいけるものと思っていました。

 

しかし、そのうちに、エントリーシートを出しても通過しなかったり、合同企業説明会に参加した時に、ほかの学生と比べて自分が浮いているように感じたり。そこに、肉体的な疲労も重なり、気持ちが途切れてしまいました。何もしたくないし誰とも会いたくなくなり、1週間家の中に閉じこもってしまったんです。暗闇の中でポツンといるような孤独感を感じつつ、一方ではこのままではいけないという思いもあって苦悩しました。

 

それでも、インターネット電話で面接してくれる会社のみ応募するなどしながら、少しずつ行動を再開しました。あるとき、そんな僕を心配して、就活について相談していた先輩が、人材会社の人事の方に会うよう段取りしてくれたんです。そして、その人事の方から「君のこれまでの就活は、やりたいことを見つけようと本気で動いていない。このままだと中途半端な人生になってしまう。君は、一緒に働きたいと思えるほど魅力を持っている人だからあきらめるな」と言っていただきました。
僕は、その言葉に奮起し、もう一度、自己分析からやり直すことにしました。

 

自己分析をやり直し、就活の軸を見つける

自己分析は、小さいころから今まで、何をやってその時にどんな気持ちだったのか、覚えている限りを書き出しました。さらに、家族や友人へのヒアリングも行い、自分を冷静に見つめ直しました。そこから「今までの人生の中で避けている2つのこと」にこだわっている自分がいるとわかり、それを克服できる仕事を選ぶことを就活の「軸」にしました。

 

その軸というもののまず1つは、教職に就くことを目標に大学生活も頑張ってきたのに、視野が広がってきたことを理由に放り出してしまっていたことです。教職でなくても「教える仕事」には就くことができます。自分にとって「教育」というキーワードが明確になりました。

 

もう1つは、「英語」です。実は、教科の中で一番苦手で、留学先を中国にしたのも英語圏ではないことが理由でした。でも英語はこれからの時代には必要だし、自分としても苦手な英語にチャレンジすべきだと思っていたのです。そこで、「教育」と「英語」という軸であらためて企業研究を始め、現在の内定が出ている法人を知りました。

 

現在の法人は、世界46カ国に支部を持つグローバルな組織で、NPO法人という立場から教育の質の向上や教育環境の整備などを行います。まさに、自分の考える就活の軸に当てはまります。ここしかないという思いで、IT企業から内々定を頂きましたが断りました。

 

ただ、親からの言葉もあって教職の道も最後までやり通そうと、教員採用試験を受けましたが2次で不合格。そして7月、現在の法人に採用して頂けることになりました。次世代の教師を育てるというプログラムに選ばれ、教育委員会との契約で、春から教壇に立つことができます。さらに2年後、希望すれば海外支部のネットワークでつながっている海外の大学院に留学することも可能です。

 

壁にぶつかり、挫折を味わうこともありましたが、最終的には自分の「軸」に当てはまるやりたいことにたどり着くことができ、納得のいく就活だったと思っています。

 

就職活動で大変だったこと、学んだこと

就活で学んだことは、行動することの大切さです。思うように結果が出ず、立ち止まってしまいましたが、その状況を打開したいと周りに相談したことでどん底でもはい上がることができました。就活中はなんとなく孤独感を抱きがちですが、一人で思い悩んでもうまくいかないもの。誰かに頼る強さも必要だと思いました。
また、自己分析の過程で、例えばいじめや成績が悪かったことなど思い出したくない過去に向き合うことに。ありのままの自分を受け入れることは大変ですが、自分自身を知るという作業はその後の自分に必ずプラスになると思いました。

 

就活の流れ

大学3年6月
教職志望から切り替え、就活を開始
教師になることを目指していたが、一般企業の方がさまざまな方との出会いがあり、新しいことを知ることができると考え、就活を始める。
大学3年8月
中国に交換留学
以前から決まっていた留学へ。翌年の1月まで中国に滞在。その間もできることはやろうと、日本の機器メーカーの現地法人で2週間のインターンシップを経験。営業同行や商談、メンテナンスの現場を体験する。エントリーシートもこのころから作成。
大学3年1月
IT企業の面接
留学に行く前に短期インターンシップを経験したIT企業から、面接の連絡を受ける。そのほか、自分に合う企業を探すため企業研究を進める。
大学3年2~3月
会社説明会に参加
志望業界が決まっていなかったので、さまざまな業界を知るために合同企業説明会や個別の会社説明会に参加する。
大学4年4月
気持ちが折れて家に引きこもる
エントリーシートが通過しなくなり、会社説明会に行ってもなぜか自分だけが浮いているような違和感を覚える。そこに体力的な疲労も重なって精神的につらくなり、自宅に1週間引きこもる。その後、少しずつ気持ちが前向きになり始め、インターネット電話で面接してくれる企業に応募する。
大学4年5月
自己分析をやり直し、就活の軸を見つける
人材会社の人事に会い、叱咤(しった)激励の言葉をかけてもらったことで奮起する。あらためて自分が大切にしたい就活の軸を見つけるために、小さいころからの自分を振り返り、自己分析をやり直す。
大学4年6月
IT企業から内々定
インターネット電話での面接から選考が進んだIT企業で内々定をもらったが、現在のNPO法人の選考が残っていたので、就活を続行する。
大学4年7月
NPO法人に内々定
自己分析で見つけた軸に合う企業を探し、現在の内定先を見つける。インターネット電話を含め、3回の面接を経て、NPO法人に内々定。教育委員会との契約で、まずは春から教壇に立つことが決まった。

 

 取材・文/森下裕美子 撮影/嶋並ひろみ

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