内定者インタビュー

Vol.175 広告会社内定 立教大学 本橋 萌さん

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就活データ
志望業界
:広告業界 説明会参加:1社 先輩訪問:3人(広告業界3人) エントリーシート提出:7社 面接:6社 内定:1社 活動費用:約12万1000円(交通費5万円、スーツ2万円、シャツ5000円、かばん1万5000円、靴6000円、外食費1万円、書籍代1万円、封筒・郵送代など雑費5000円)

志望は“広告”一本、究めるめるつもりで打ち込んだ企業研究

私にとって“広告”は、それを意識する以前から、とても身近な存在でした。小さいころからCMが大好きで。面白おかしく笑わせたり、ときには感動させたりしながら、ほんの短い時間で見る人の心をつかむ世界観が、素晴らしいなと感じていたんです。また、高校生のときに初めてCDのジャケ買い(本やCDの見た目に引かれて、内容を確認せずに購入すること)をしたんですが、そのジャケットがあまりにも素敵だったので、どんな人が作っているのか興味を持ったんです。調べていくうちに、“アートディレクター”という職業があることを知って、自分も将来こんな仕事ができたらいいなと思うようになりました。

 

大きな転機は、大学で「広告論」という講義を取ったことです。授業内でコピーライティングの課題が出されたんですが、それを考えるのが本当に楽しくて。提出したコピーは先生が順位をつけて発表したのですが、そこで私のコピーが1位になったんです。思わぬ高評価に、私は「もしかしたら、才能があるのかも…!」と密かに胸を躍らせました。今思えばこれくらいで勘違いも甚だしいんですが(笑)、この経験があったおかげで、自分も作り手を目指してみようと現実的に考えられるようになりました。

 

大学3年の夏には、周りの「何か就活準備を始めないと!」という空気にあおられて、「自分も1つくらいはインターンシップを経験しておかなきゃ!」と思い、金融系の会社の短期インターンシップに参加。そこで社員の方や周りの金融志望の学生と話すうちに、「自分は金融には合わないな」と感じ、広告業界への志望がさらに固まりました。その後は自分が代表を務める学生団体の活動に没頭し、1月に主催したイベントが終わるまで、就活関連のことは一切しませんでした。社会人の方を含め多くの人を巻き込んだ大規模なイベントで、後輩たちもつきっきりで頑張ってくれていたので、「ここで個人的な就活にかまけていたら、下の代にしめしがつかない」と思っていたんです。

 

団体を引退した1月中旬、ようやく本腰を入れて就活をスタート。すでに周りは就活一色だったので、とても焦りました。最初は「自分で業界を絞りすぎてしまうのは良くない」と思って、広告だけではなく好きな商品を扱っているメーカーなどにもエントリーしたのですが、いざエントリーシートを書こうとしたときに、気づいたんです。「なんでこのメーカーの商品が好きなのか…その商品の広告が好きだからだ」と。結局、広告ありきで考えていた自分を再認識し、志望は広告業界のみにする決意を固めました。

 

受ける企業が少ない分、業界・企業研究に関しては「絶対に周りに負けない」と強く意識して取り組んでいました。広告業界誌は毎月必ずチェックして、テレビで新しいCMを見るたびに、どの会社が作っているか調べてノートに書き出しました。また、それぞれの会社が制作したCMを比較し、「どういう違いがあるのか、そこから見える企業のカラーはどんなものか」を徹底研究。CMの作り方の違いをよく観察すると、そこにはそれぞれの会社の企業理念に通じるコンセプトがちゃんと存在しているんです。そういった研究成果を面接で話すと、面接担当者から「そんなことは気づかなかった」と褒めていただけたこともありました。

 

先輩訪問では、自分が研究によって考えた「その会社が大事にしていること、今求めていること」などの仮説を話して、それについてのフィードバックをもらうように。また、制作現場や社内の雰囲気など、“社風の違い”を判断するヒントになるような事柄について、主に聞いていましたね。

 

エントリーシートでの挫折と挽回、“対話”を重んじた面接

自分でも相当自信が持てるほど準備をしたのですが…初めて提出したエントリーシートで落とされたときは、本当にショックでした。「本気で書いたのに、何がダメだったのか…?」と考えて、人に見せていなかったことに気づいて。それまで、ひとりで企業研究にのめり込んでいたので、就活自体がひとりよがりになっていたんですね。それからは、先輩や友達にチェックしてもらうようにして、それまでの「自己満足の文章」を徹底的に直していきました。例えば、ある会社のエントリーシートでは「“地図”をテーマに、“ちょっといい話”を書いてください」という項目があったんですが、その1項目に対して10パターンくらいの文章を用意して、「どの話がどういう理由で印象に残ったのか」と周りの人に聞いて回りました。ウケが悪ければ、何度も何度も書き直しをして。ほかの項目についても、必ず複数のパターンを用意して、客観的な評価がよかったものを選ぶように。一度自信をへし折られたからこそ、ここまで情熱的になれたんだと思います。

 

面接のときは常に「今日は、面接担当者と“対話”をしにきた」という意識を持つように。私にとって、“対話”というのは“自分の素を見せる”ことでもあります。広告業界は個性を重視している傾向を感じていたので、ウソをついたり取り繕ったりしないで、等身大の自分を正直に話そうと心がけていました。「最近ハマってるものは何?」と聞かれたときも、「パンケーキです」とそのとき思い当たったものを素直に答えて、「なんでハマったのか、何が魅力なのか」などパンケーキの話を15分間ほど熱く語ったんです(笑)。そういった「自分のありのままをさらけ出す」姿勢は、面接において大切なポイントだと思います。片手で数えられるほどの企業しか受けていない中で相当な不安もありましたが、結果的に標準を絞って「自分が後悔しない就活」を一貫できたからこそ、第1志望の会社から内定をいただくことができたんだと感じています。

 

入社後は、とにかくやらせてもらえることを、なんでもやっていきたいです。憧れの職場だからこそ、そこで得られる経験はどんなことでも自分の糧になるはず。紆余(うよ)曲折、酸いも甘いも飲み込んで人間としても成長して、いつか「子どもたちへの“広告”教育」に携わることが、将来的な目標です。私自身、広告にはたくさんのことを教えてもらってきました。具体的に教える内容についてはまだ明確には定まっていないので、これから勉強と経験を積んで、見極めていきたいです。

 

自分は何も持っていない人間だ――私の根本には、そんな認識があります。ただ、そこにネガティブな落ち込みやあきらめなどは一切ありません。秀でたものがないからこそ、貪欲に努力しようと自分をいつも奮い立たせています。就活に関してもそうですが、どんなに実力があっても、最終的には運によって左右される側面もあることって、世の中には結構あると思うんです。その運を引き寄せるのは、努力だと信じています。よく「人事を尽くして、天命を待つ」と言いますが、私はこれからも、「人事を尽くして天命をつかみにいく」つもりで、何事にも全力投球していきます!

 

低学年のときに注力していたことは?

学生団体に所属して、全国規模の学生フリーペーパーのコンテストの企画・運営をしていました。メンバーは30人ほどいて、私はその代表をやらせていただいていました。自分はリーダーとしてのカリスマ性があるタイプではなかったので、何よりも協調性を大切に、各メンバーのモチベーションを上げることに尽力。個別に面談をしたり、飲み会の場でこっそりアプローチしたりなど、一人ひとりと対話する時間を意識的に設けて、「相手が何をしたいのか」をじっくり聞き出して、それを実現できる環境づくりをするようにしました。

 

そのコンテストの審査員の選出の際、ある雑誌の編集長にお願いをしたんですが、「忙しい」という理由でなかなか受けてもらえなくて。あきらめきれなかった私は、その雑誌のバックナンバーを1年間分精読して、何度も手紙を書き、その方の講演会にも足を運び、しまいには会社の前で何時間も出待ちまでして…(笑)。「あなたじゃなきゃいけない」という思いを、なんとか行動で伝えようと思ったんです。最終的に、その方は審査員を快諾してくださり、コンテスト自体もよりよいものになりました。このエピソードは、面接でも非常に重宝しました。

 

 

就活スケジュール

大学3年8月
インターンシップで自分の適性を見つめ直す
周りが「インターンシップに行かないと!」という空気だったため、自分も慌ててカード会社のインターンシップに参加。5日間、世界のカード普及率を上げるためのプロモーション案をディスカッションして発表。社員さんの話や会社の雰囲気などを踏まえて、あらためて自分は金融には向かないと感じる。
大学3年1月中旬
学生団体を引退して本格的に就活をスタート
携わっていたイベントが終わってから就活を始める。最初は何からするべきなのかもわからず、周りはすでに就活モードだったため、とても焦った。戸惑いながら企業にエントリー、SPIの対策、企業研究などに取り組む。
大学3年2月
初めて提出したエントリーシートが通らず…
本気で書いたエントリーシートが落とされて大ショック。「このままではまずい!」と焦る。見よう見まねで事例集の本を見ながら書いていた姿勢を反省し、先輩などに見せて意見を聞くようになる。
大学3年3月
エントリーシート提出のピーク
受ける企業数をかなり絞っていたため、後悔のないように時間をかけてエントリーシートを推敲。お世話になっている先輩に添削とアドバイスをもらいながら何度も何度も書き直した。
大学4年4月
面接スタート
準備段階では少しでも慣れるために、友人と模擬面接をした。本番の面接で聞かれた質問は終了後すべてノートに書き出して、今後の選考で同じ質問がされたらどのように答えるかシミュレーションを忘れずに。
大学4年5月
就活終了
第1志望の会社から内々定をいただいて、ほかに進んでいた選考をすべて辞退し、就活を終えた。

就活ファッション

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少しでもほかの就活生より目立てるように、灰色のジャケットとスカートをメインにしていた(企業によっては黒のスーツに)。靴は履きやすくて長く歩いても疲れないようなものをチョイス。靴ずれしないように、靴の中にクッションなど入れていた。就活中は資料をたくさんもらうので、カバンはA4サイズのものが入る大きめのものを。チャックがついているものの方が、カバンを置いたときに中身が見えず清潔感があるのでオススメ。広告業界の面接では、服装に関しても学生の個性を尊重してくれる雰囲気があったので、「自分を表す色は何色ですか」という質問に対する答えをエントリーシートに書いた選考では、その色のシャツを着ていくなどの工夫をした。

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

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