内定者インタビュー

Vol.177 外資系メーカー内定 新潟大学大学院 高橋順也さん

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就活データ
志望業界
:外資系メーカー、人材サービス、広告 説明会参加:約30社(うち個社説明会13社、合同企業説明会3回) 先輩訪問:8人(人材サービス4人、広告4人) エントリーシート提出:8社 面接:8社 内定:2社(外資系メーカー1社、国内メーカー1社) 活動費用:約40万円(交通費10万円、スーツ・かばん・靴など19万円、書籍代3万円、外食費5万円、郵送費など雑費5000円、就活セミナー受講費約1万円)。将来を決めることなので出費は惜しまず、足りない分は親に出してもらった。当初は新潟—東京間の移動に夜行バスを使って交通費を抑えていたが、選考が進んで企業から交通費を支給してもらえるようになると、新幹線利用に切り替えた。

 目標を定めて、積極的に情報収集に動いた

就活準備を始めた当初、選択肢として漠然と視野に入れていたのは、「将来、組織マネジメントに携わることのできる仕事」「外資系企業」「理系の素養が生かせる仕事」です。大学・大学院では機械工学を専攻していましたが、卒業後、技術者として働く自分を想像することができず、むしろ興味を持ったのは、組織運営に携わること。中学・高校で卓球部の部長として部員をまとめることに失敗も成功もした経験や、学内での70人規模の勉強会の立ち上げや運営を通して、メンバーの多様な個性や特徴をふまえて組織をマネジメントすることの奥深さや面白さ、そして世代を超えて繁栄する組織をつくることの難しさを感じていたからです。また、海外の人とかかわりながら働きたいという思いや、マネジメントに携わりたいけれど、せっかく身につけた理系の素養を生かさないのももったいないという思いもありました。そこで、まずは業種にこだわらずに、外資系企業を中心に、経営人材を輩出していると言われている企業などについて調べていきました。

 

就活準備を始めるにあたって重視したのは、就活のノウハウを学ぶことと、人とは異なる情報源を活用することです。自分の周りには、外資系企業を目指す学生も、外資系企業に勤務する社会人もほぼいません。そんな環境下で外資系企業に入社するには、同じ目標を持つ学生の実力や就活のノウハウを知って効率よく対策を進め、さらには、ほかの就活生と自分を差別化しなければ到底およばないと考えたのです。そこで、就職情報サービス会社などが都内で開催している就活セミナーに10月ごろから月に2〜3回、計14回通い、エントリーシートの書き方や面接の臨み方、話し方などを学びました。また、企業探しや企業研究に「東洋経済オンライン」や「ダイヤモンド・オンライン」などのビジネス情報サイトや、ビジネス書、ビジネス誌などを活用し、ほかの学生と情報源を差別化しました。

 

当初は「エピソードが具体的でなく、人物像がまったく伝わってこない」などとセミナー講師の方にばっさりと切られていたエントリーシートも、「何を」「どのように」など5W1Hを明確にして書く練習を繰り返してブラッシュアップ。また、面接もセミナーで対策を立て、自分なりに自信を持って初めての選考に臨んだのが、大学院1年の12月。当時、第1志望にしていた外資系メーカーの選考でした。しかし、5次選考まで進んだ1月に、残念ながら落ちるという結果に。

 

第1志望に落ちて気づいた、自分の夢・目標から企業を選ぶことの重要性

自分が伝えようとしたことと面接担当者の方が知りたいことにズレがなかったかを振り返り、気づいたのは、企業が求める人物像に自分を合わせ過ぎてしまっていたこと。入社することが目的になってしまい、企業が求める人物像っぽい人間に見えるよう、無理をしてしまっていたのです。また、当時の自分は、有名かどうかで企業を選んでしまっていたため、興味を持った企業の個性がバラバラで、それぞれの考えを学ぶのにかなりの労力がかかっていました。本来なら、仕事を通して自分はどうなっていきたいのかというビジョンや、自分の性格・特長に合った会社を見つけるべきだと気づきました。

 

もう1つ気づいたのが、面接担当者の方々の共感を得られていなかったことです。選考が進む人というのは、面接担当者の方が「学生時代に発揮した能力をこの会社でも発揮できそうだ」「うちの会社にいそうだな、一緒に働きたいな」などと共感した人。しかし、自分はそれだけの話ができていなかったのです。例えば、リーダーシップという言葉一つでも個人や企業によって定義が異なります。社会人が仕事で抱える悩みや課題にはどのようなものがあるか知り、それぞれの企業においてそれがどのように異なるかを考え、同じような問題構造をはらんだ自分の経験と、それを解決するために実践したことを選考で伝えることが必要だと考えました。結果的に面接で話していたことは、餅を1万個生産した工場でのアルバイト経験と、教授とケンカした話でした(笑)。

 

これらをふまえて取り組んだのが、自己分析です。将来、自分はどうなりたいのか、またそれは、自分の性格や特長、経験してきたことや培ってきた力などと違和感なくつながるものなのか、自分がこれまで経験したことの中に社会人が直面する問題と近い問題がなかったかなどについてとことん考えました。そのときに活用したのが、先輩訪問です。先輩訪問を自分が将来どうなりたいかを整理する場と位置づけ、「会社の意思決定に携わりたいと言うけれど、それって社長になることじゃないの?」「起業したら?」「機械工学を学んでいる人がなぜマネジメントを目指す?」など、訪問した社員の方からの容赦ない指摘に論理的に答えられるまで考え、また別に訪問した先輩に話し、さらに考える、ということを繰り返しました。そして、友人の自己分析を積極的に手伝うようにもしました。そうすることで自分をより客観視するとともに、多くの学生を見る面接担当者の視点を得たいと考えたからです。

 

また、会社説明会で自分っぽいなと思える社員がいるかどうかにも注目するように。社員の方が持っている感覚が自分の中にもあれば、その会社では、自分らしさを発揮して働けるのではないかと考えたからです。

 

そうして行き着いたのが、機械工学の知識を生かしてマネジメントに携わる仕事だということ。入社予定の外資系メーカーのサプライチェーン部門が、まさにこの仕事にあたります。原料の調達から生産工場の立ち上げ、生産プロセスの開発、出荷に至るまでの過程を構築・運営するという、機械工学のバックグラウンドを生かして人・モノ・カネをマネジメントする仕事。将来、部門のリーダーとしてサプライチェーンを適切に構築・管理する人材を育成するコースに応募し、内々定しました。

 

一方で、サプライチェーンに携わる仕事以外に自分の適性がある可能性もあると考え、メーカーのマーケティング職や人材サービス会社の営業職など、企業ごとに希望職種を変えて応募しました。応募先はすべて、考えや事業に共感し、ここなら自分らしさを発揮できそうだと感じたところばかり。どこも、調べれば調べるほどその企業や社員の方の考えを吸収でき、面接でも企業の考えに近い受け答えができたと思います。

 

自分に合った企業に出合い、入社することができたのは、偏見を持たずに素直な気持ちで人の話を聞くとともに、失敗するたびに改善方法をとことん考えたからだと思います。前者については、セミナー講師の方や訪問した先輩社員、日々読んでいたビジネス誌やビジネス書などから得た情報を、まずは素直に受け止めて、その上で自分はどう思うかや、どう働きたいかを考え続けました。また、後者については、エントリーシートの不十分さを指摘されたとき、先輩訪問で容赦のない指摘を受けたとき、第1志望だった外資系メーカーに落ちたとき、面接が本格化した当初、質問の意図が理解できなかったときなど、つまずくたびに、何が足りないのか、これから何をやるべきかを必死で考えました。そうすることで、自分なりのやり方や次にやるべきことが見えてきて、1回の成功に巡り合えたのだと思います。

 

低学年のときに注力していたことは?

学部時代はテニスやゲームに没頭し、勉強不足のために第1志望の大学院に落ちてしまいました。一方で、尊敬していた友人が他大学の航空宇宙系の研究室に進学したのを目の当たりにし、人生で大きなことを成し遂げるには素早い決断力と計画性、そして不断の努力が何より大事だと痛感。進学後、将来を見据える上で何かしなければと、大学院主催の研修プログラムに応募し、夏休みにアメリカに留学しました。そして、滞在中に現地で働く日本人の方に会うためにボストンやシカゴを訪れ「自分は何も成し遂げられない人間で、これからどうすればいいのか」などと相談したのです。そこで受けたのが、「目標を定めて猪突猛進して頑張ることはできても、目の前のやるべきことをおろそかにしていないか?」という指摘でした。目の前のやるべきことと向き合うことで周囲の人から信頼を得たり、自分が避けていた問題を解決することで思わぬ成長をしたりすること、また、それによって掲げていた目標が本当に目指すべき目標だったのかが見えてくることなどを教わりました。

 

そこで、まずは研修プログラムを代表で卒業することを目標に据え、努力を重ねた結果、代表になることができたのです。小さな成功体験でしたが、自信になったし、それまで自己流で物事に取り組んでいた自分が、人の話を素直に聞いく姿勢も持てるようになり、両者のバランスをとって考えられるようになったと思います。

 

就活スケジュール

大学院1年8月
卒業後の進路について意識し始める
アメリカ・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に短期留学し、現地で働いたり学んだりしている日本人3名に会って進路について相談に乗ってもらった。そこで、科学技術の存在なしに世の中は成り立たないことを実感し、理系の素養を生かした仕事をしたいという思いや、外資系企業で働きたいという思いも強まった。
大学院1年10月
就活準備を開始。就活の流れや概要を把握した
書籍で就活の流れを把握するとともに、情報収集のために都内で行われていた就活セミナーに参加し、グループディスカッションなどを体験。参加学生の意欲・意識、能力の高さに驚き、危機感を感じて学内でグループディスカッションの練習会などを催すように。
大学院1年11月〜12月
企業を探しながら、選考に臨むための力を磨いた
合同企業説明会に参加して心をくすぐられる企業を探し、興味を持った会社の先輩社員を訪問するなどして情報収集。先輩訪問は、月に1〜2人くらいのペースで続けた。また、興味のある企業の出身者の著書などを読み、その企業に求められている人物像を考えることや、就活セミナーでノウハウを学ぶことにも注力した。11月中に当時最も興味を持っていた外資系メーカーのエントリーシートを提出。12月には面接が始まった。
大学院1年1月〜2月
第1志望の外資系メーカーの選考に落ち、企業選びの視点などをあらためた
自分の特長や性格に合った企業を見つけるため、先輩訪問やビジネス書を読むことを通して自己分析をした。その上で、経営者輩出企業や外資系企業などの中から理系の素養や中高の部活動でリーダーシップをとった経験、短期留学の経験などを生かすことができる企業を探した。そうしているうちに、真に働きたいと思える企業と出合うことができた。
大学院1年3月
面接が本格化
選考では、「うちの会社にいそうだな」と思ってもらえるよう、自己分析で明らかになった自分の特長の中から、応募先の社員のイメージに合った部分を伝えることを意識。1月に1社目の面接に落ちたことで、プライドを捨てて開き直れたことや、自己分析や志望企業とのマッチングが十分にできていたことから、順調に選考が進んだ。また、英語面接に備えて、留学中に出会った海外の友人に、外国企業の典型的問答集をもとに面接練習を手伝ってもらった。
大学院2年4月上旬
第1志望から内々定を得て、就活を終える
4月頭に第1志望の外資系メーカーに内々定。1週間後に国内メーカーにも内々定したが、外資系メーカーに入社する気持ちが固まっていたため辞退した。また、選考途中の企業もすべて辞退し、就活を終えた。国内メーカーにはメールで辞退理由などを伝えたが、最終面接で第1志望の企業に内々定していることを伝えていたため、理由を伝えると納得してもらえた。

就活ファッション

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服装のコンセプトは、「こじゃれた感じ」。スーツには着る人の美意識や生活感が表れるため、百貨店で良質な黒のスーツを2着購入した。良いものを着ることでテンションが上がり、自信を持って社会人に会うことができたと感じている。シャツはスーツ専門店で6〜7枚購入し、白でそろえた。ネクタイは、当初は明朗快活な印象を持ってもらえるように赤を着けていたが、自分のテンションと面接担当者の冷静さにギャップを感じたため、冷静沈着になれる青を追加で購入。会社のカラーに応じて使い分け、時計もネクタイの色と合わせる工夫をした。カバンはセレクトショップでややカジュアルなビジネスバッグを購入。靴は、当初は1足だけだったが、くたびれてきたのでもう1足買ってはき分けた。

 

取材・文/浅田夕香 撮影/鈴木慶子

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