内定者インタビュー

Vol.180 放送局内定 中央大学 内田毬子さん

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就活データ
志望業界
:マスコミ、航空業界など 説明会参加:21社(うち合同企業説明会1回) 先輩訪問:5人(レコード会社1人、放送局4人) エントリーシート提出:15社 面接:12社 内定:1社 活動費用:約50万円(交通費10万円、スーツ5万円、靴1万円、ブラウスなどトップス類5着3万円、外食費20万円、書籍代1万円、郵送代・筆記具など雑費1万円、スクール代9万円。証明写真は写真館のモデルをしたときのデータを頂いたので費用はかからず。カバンや書籍は先輩からのもらいものでまかなった。食費は就活中のストレス発散方法だったので、節約は意識しなかった)

 

インターンシップを経験して、アナウンサーからディレクター志望に

昔から人を笑わせて楽しませるのが大好きで、大学では大学祭実行委員会に所属。司会やアナウンスなどの経験を通して、人前で話す楽しさにどんどんのめり込んでいきました。ステージで拍手をもらえるのはとても気持ちよく、自分がしゃべることでイベントがよりよい場になることに、大きなやりがいを感じられたんです。

 

そんな経験から最初はアナウンサーの仕事に興味を持っていたのですが、大学3年の8月に北海道の 局のインターンシップに参加する機会がありました。そこでは番組の企画を考えて発表したのですが、自分の考えたことを「面白い!」と言ってもらえたのがとてもうれしくて。この経験を通して「番組自体の作り手になりたい」と考えるようになり、志望は放送局のディレクターに傾いていきました。

 

10月から本格的な就職活動が始まってからは、放送局をメインにエントリーしていきました。アナウンサーもダメ元で受けようと思ったのですが、いざエントリーシートを書こうとしたら、言葉が出てこなかったんです。「どんなアナウンサーになりたいのか」という具体的な将来像がないんだと、このときあらためて気づかされ、「作り手になりたい」という意識がより一層強まりました。

 

先輩訪問は、主に「茶会人訪問」というFacebookアプリを活用。学部周りでは、マスコミ関係で働いている先輩や目指している友人はほとんどいなかったので、SNSを利用して志望業界で働いている先輩にアプローチできるこのツールは、大変役に立ちました。12月から、大体2週間に1度のペースで訪問を繰り返しました。「何をしたくて入ったのか、主な仕事内容、入る前と入った後に感じたギャップ」などを中心に、疑問に思ったことは些細な事でも積極的に質問をしました。私はいろいろな方と会うのではなく、同じ方に何度か繰り返し会っていたのですが、エントリーシートを添削してくれたり、面接の報告をしてフィードバックをもらったりと、こちらの性格やクセなどを踏まえて親身なアドバイスを頂けたことは、就活において大きなプラスになりました。また、就活後半でモチベーションが低下しそうになったときに、先輩から面白い仕事のエピソードを聞かせてもらうことで、やる気を持ち直すことができました。これも、先輩訪問のメリットだったなと思います。

 

教授のアドバイスをヒントに、弱点だった“数学”を強みに変換

エントリーシートでは、「どのような自分をアピールするのか」という点を意識して、エピソードを使い分けました。例えば、学園祭の実行委員会に所属していたエピソードを書くならば、出演芸人のキャスティングやプロモーションの経験を通して「企画力、実行力のある自分」のアピールにフォーカス。最近関心のあることを書く設問があれば、韓国の竹島問題について触れ、その中で「韓国語を話せる自分」をアピールする…というふうに、PRポイントを絞って端的にまとめるように意識。書き方に関しては、ドラマのあらすじのように、最初の一文で相手をグッとひきつけられる書き出しになるよう工夫しました。ただ、「5年後、あなたはどうなっていますか?」や「入社してから実現したいことを具体的に書け」といった将来の展望について聞かれる設問は、そこまで先の自分を想像することが難しく、うまく言葉にすることができませんでした。おそらく、企業研究が足りていなかったから、その企業に入った後に何ができるか見通しが立てられなかったんだろうと、反省しています。

 

面接が始まっても、準備不足がたたって苦戦する場面が頻繁にありました。一番よく聞かれたのが、「数学科なのになんでテレビ局志望なの?」「理系なのに研究者になりたくないの?」といった質問です。最初のうちは、単純に「作り手に憧れて…」というような浅い返答しかできなかったり、少し背伸びをして「数学的な視点から番組を豊かに…」などと言っても、「具体的にどうやって?」と詰められて返答できなかったり…。そんな不調続きの私にヒントをくれたのは、研究室でお世話になっている教授でした。私が進路の相談をすると、教授はおもむろに『日常にひそむ数理曲線』というDVDを貸してくれたんです。NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」を手がけた佐藤雅彦さんが監修した映像作品で、私たちが日常を作っているモノや景色に“数学”的な要素があふれていることを、子どもにもわかりやすいような視点から解説していました。これを見た後、教授に「せっかくこれまで勉強してきたんだ、もっとうまく数学を使っていきなさい」と言われたんです。本当にその通りだな、と思いました。「視聴者が見ていて共感できて、なおかつ学びのあるバラエティを作りたい。数学を知ることで普段見ている景色がガラッと変わることがある…そんな発見を面白おかしく伝えて、人々の生活を豊かにしたい」――教授のアドバイスのおかげで、私は志望理由をさらに深め、あらためて数学を自分の強みとして認識し直すことができたんです。その後に受けた面接では、「例えば、数学の知識を用いれば“最も脚が美しく見えるスカートの長さ”を割り出せるんです」など、具体的なエピソードを交えて自分をアピールできるようになりました。

 

5月初旬、面接が残っている企業は残り2社となっていました。そのうちの1社が、現在の内定先です。それまでは、「自分は番組を作りたいから、放送局ならどこでもいい」という気持ちがどこかにありました。そう思っていたことも、面接に通らなかった原因のひとつだと思います。ただ、内定先は選考を受けて初めて「自分と社風が合うっていうのは、こういうことなんだ」と感じられた会社でした。待ち時間には人事の方が親身になって会社や仕事のことなどを話してくれたりと、就活生との距離がとても近かったんです。それは「この方たちと働きたい」という思いに変わり、結果的にその希望と番組制作への情熱をうまく伝えられたからこそ、内々定を頂けたのかなと感じています。入社後はとにかく与えられた仕事に全力で取り組みます。そしていつか、笑えて学べる番組に携わって、誰でも楽しんでもらえるようなコンテンツを視聴者に届けたいです!

 

低学年のときに注力していたことは?

いろいろな活動に参加してきましたが、特に頑張ったのは、学園祭の実行委員会でイベントのキャスティングや宣伝活動を担当したことです。イベントは準備時間の長さに比べれば、本番は一瞬で終わってしまいます。だからこそ、本番で来場者が笑ってくれていたりすると、「今までやってきて本当によかった!」と大きなやりがいを感じられるんです。この感覚は、番組制作にも共通しているんじゃないかなと思っています。

 

また、3年次から電子書籍の制作団体に所属して、取材や執筆などを経験。他大学の文系の友達が増えて、自分の知らなかった世界が一気に広がりました。また取材前の地道な資料作りなどを通して、「自分は表に出るよりも、裏方で制作物の根幹を支える方が向いているし、好きだ」と気づき、就活中の大きな指標のひとつになりました。

 

就活スケジュール

大学3年4月
アナウンサーを目指してスクール通いを始める
人前で話すのが苦手だったものの、大学祭実行委員会のイベントMCの経験などから、アナウンサーという仕事に興味を持ち、アナウンサースクールに通い始める。
大学3年8月
テレビ局のインターンシップに参加
テレビ局が主催していた1日インターンシップに参加。自分が志望している企業はどんな仕事をするのか、どんな人たちが志望しているのか、といったことを知る良い機会になった。実際に制作の現場をかいま見たことで、放送局のディレクターの仕事にも興味を持ち始める。
大学3年10月
課外活動と就活準備の両立
学園祭の実行委員会の活動が本格化してきて忙しい中ではあったが、空いた時間を見つけては自己PRや志望動機の推敲、企業研究をしていた。
大学3年12月
説明会参加と先輩訪問
志望業界の説明会やエントリー情報などをこまめにチェクし、説明会参加のためのWebエントリー課題の作成を行う。説明会参加の抽選に応募するために課題を課す企業が数多くあることに驚いた。先輩訪問については、理系の学部に属している自分の人脈だけでは限界があったため、茶会人訪問や肉会などのFacebookアプリを活用。働く先輩に仕事の現場のお話をうかがうことで、自分のやりたいことは何なのか再確認した。このころ、テレビ局のディレクター職を第1志望にする意志が固まった。
大学3年2月
エントリーシート、説明会、面接に追われる日々…
業界・職種によって、自己PRをうまく使い分けた。今までの人生で、それぞれの職種の志望理由にリンクする経験を引っ張りだして、いろいろなパターンの自己PRを作成。テレビ局の文字数の多いエントリーシートに慣れていたおかげか、一般企業のエントリーシートは難なく通過。気持ちに余裕がなくなったときは、先輩訪問をして士気を高めた。
大学4年4月
面接のピーク
個々の企業研究や面接対策を十分にできないままに、面接ラッシュの時期を迎えてしまう。なかなか選考がうまく進まない中で、内定が決まったという友人の報告を聞く機会が増えてきて、どんどん気持ちが落ち込んでしまう。
大学4年5月
苦境を乗り越えて第1志望の企業に内々定
面接が残っている企業が数少なくなり、周囲には「コレで無理なら就活留年する!」と開き直ったふりをしていたが、自信を喪失して精神的にはどん底に近かった。しかし、恩師に「企業への尊敬と感謝の念を忘れずに」と諭され、気持ちを入れ替えることができた。志望理由や自己PRなどを練り直して面接に臨んだ結果、第1志望の放送局への内々定をいただく。

就活ファッション

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スーツは黒・グレーの2着、インナーは5着ほどを着回し。黒スーツは大学入学時に買っていたもので、就活前に「オシャレなだけではなく、知的で上品に見えるもの」としてグレーのスーツを購入。靴は7cmヒールで、脚が綺麗に見えるものをチョイス。明るい対応と元気のよさをアピールしたかったので、髪は就活前にばっさりと切ってショートにした。髪形はシンプルにまとめ、表情がはっきりと見えやすいように。

 

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

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