立教大学ダンスサークル D-mc

団体プロフィール
設立
:1993年 活動内容:ダンス公演の主催、ダンスイベント、コンテストの参加 人数:300人(男女比=3:7/学年構成=2年生130人・3年生100人・4年生70人) 活動拠点:都内(国立オリンピック記念青少年総合センター) 活動日数:週2~6日

総メンバー300人のインカレダンスサークル「D-mc」(ディーエムシー:Dance Musical Companyの略)。もともと、立教大学のダンスサークルを母体に活動していましたが、規模が大きくなるにつれ大学の垣根を越えた交流が活発化。現在は、首都圏のさまざまな大学からダンスを愛してやまないメンバーが集結。国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木)でほぼ毎日、熱い練習が繰り広げられています。2015年2月に開催された、日本一のダンスサークルを決めるコンテスト「JAPAN DANCERS’ CHAMPIONSHIP 2015」では、審査員最優秀賞、オーディエンス賞、スポンサー賞とすべての賞を獲得。他を圧倒する実力を見せつけました。そんな大学トップレベルのダンサー集団を率いる代表メンバーはいったいどんな情熱の持ち主なのでしょうか? 練習の合間にお話を聞いてきました。

舞台演出をすべて手がけ、ハイレベルなステージをつくり上げる

ジャンルリーダーが全練習メニューを決め、進めていく

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ダンスとひと言で言えど、そのジャンルはさまざま。D-mcにはヒップホップ、ハウス、ガールズヒップホップ、ブレイク、ジャズ、パンキングなど13種類があり、それぞれ練習スケジュールがシフトのように組まれているため、ほぼ毎日何らかのジャンルの練習が行われています。90分ひとコマの練習を組むのは「ジャンルリーダー」。新3年生のリーダーが練習メニューの決定、ステージで踊るダンスの選曲から振り付けまですべてを担当(振り付けは複数で担当することも)。レベル差のあるメンバー約30人ずつをまとめ、演技を完成させるべく、ステージの日から逆算してメニューを組む必要があります。「あの先輩がつくる振りを踊りたい」とメンバーが集まるため、リーダーの責任は重大。ダンス技術のみならず、教える力、伝える力など総合的なリーダーシップが求められるそうです。

毎年12月にD-mc公演を開催

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公演や発表会の機会は年4回。4月の新入生歓迎イベント、6月は関東大学学生ダンス連盟∑(シグマ)主催のダンスイベント出演、7月に玉見山祭(青山学院大学のADL、埼玉大学のABC、学習院大学のNo X-itの4サークル合同ダンスイベント)への出演、そして12月に行われるD-mc単独公演です。3年生が引退するD-mc公演は、年間活動の集大成。毎年、戸田市文化会館(埼玉県)で2日間、3公演が行われ、総観客動員数は3000人以上とか。照明や映像、舞台演出などもゼロから作り上げるため、練習以外に、会場に足しげく通い動作確認を進めたり、協賛金を募るため企業へ営業活動を行ったり、観客動員のためのチラシ作成やSNSでの広報活動を行ったりと、さまざまな業務が発生します。8月の夏合宿から始まる過酷な練習を経て、公演が無事終わった時には、達成感と安堵(あんど)感、3年生引退の寂しさなどあらゆる感情が重なり、メンバー全員で涙してしまうそう。

さらなるレベルアップのため、数々のダンスコンテストに出場

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公演出演以外にも、スキルアップや、ほかからの刺激をもらうため、ダンスコンテストに積極的に参加しています。毎年1月には、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のダンスサークルW+I&Sが主催するイベント「First Challenge」「Next Challenge」に出場。全国の学生ダンスサークルが集まるサークル対抗のコンテスト「JAPAN DANCERS’ CHAMPIONSHIP 2015」と合わせ、15年はすべての大会で優勝しました。

代表者インタビュー

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写真左から

作佐部(さくさべ)力さん/団体代表 日本大学 経済学部経済学科 3年

中谷悠成(ゆうせい)さん/副代表 立教大学 社会学部社会学科 3年

小川純佳(すみか)さん/副代表 跡見学園女子大学 マネジメント学部観光マネジメント学科 3年

Q1 活動の目的や活動するうえで大切にしていることは?

技術、表現力、ダンスへの情熱すべての点においてどのダンスサークルにも負けない集団であること。それがD-mcメンバー全員が持つプライドだと思っています。(作佐部さん)

Q2 団体に入ったきっかけは?

高校時代に通っていたダンススクールで、D-mcの先輩に出会い「この人について行きたい!」と思ったから。その先輩は、パンキング(ダンスジャンルのひとつ)レッスンの代行の先生として来ていたのですが、踊る姿を目にした瞬間から「なんてかっこいいんだろう」と衝撃を受けて…。以来、大学生になったらD-mcに入ると心に決めていました。(小川さん)

高校のダンス部の先輩がD-mcの前代表だったので、存在は知っていました。大学で本格的にダンスをやりたいと思っていたのですが、D-mcが“サークル”だというところに「チャラくてダンスも中途半端なんじゃないか」という先入観が。印象が変わったのは新歓公演を見て。レベルの高さはほかのサークルと比較にならないと思いましたし、ダンサー一人ひとりから伝わってくる熱量にも圧倒されました。(作佐部さん)

Q3 活動を通じて何を学んだ? どんなことを得ている?

ダンス未経験で入り、最初は鏡で自分の姿を見るのも恥ずかしいほどカッコ悪かったけれど、今ではヒップホップのジャンルリーダーに。「必死に努力すればできるようになる」と体現できたことが、最大の学びです。(中谷さん)

ジャンルリーダーは、リーダーシップを学ぶ本当に貴重な経験。メンバーに対して一方的に教えるだけではなく、信頼して任せることも大切にしています。例えば、あるメンバーに「あの子に教えておいて」と役割を振ってしまう。誰かに教えるためには、まず自分ができなくてはいけないし、どうすればうまくなるのかを体系的に理解していないと伝えることができません。すると、やらなくては…という危機感とともに吸収がとても早くなるんです。チーム全体がうまくなるにはどうするべきか、モチベーションを上げるためにはどんなコミュニケーションをとるべきか、毎日のように考えています。(作佐部さん)

Q4 ズバリ、D-mcに入って良かった?

大好きなダンスを大好きな仲間とできる。これ以上の幸せはありません。(小川さん)

同じ目標に向かって練習を重ねたメンバーは、一生の仲間。D-mcで公演を作り上げる経験を通じて、将来は舞台演出の仕事をしたいという明確な夢もできました。(中谷さん)

仲間であり、かつ、最高のライバルが周りにいっぱいいる。少し手を抜いたらすぐに抜かされてしまう、という危機感が途切れることはありません。「あいつ、あんなにうまくなってる!」という刺激をもらいながらずっと上を目指していけるのは、本当に恵まれた環境だと思います。(作佐部さん)

Q5 逆に大変だった・つらかったことは?

本番が近づくにつれ、疲労は重なり、極度のプレッシャーに襲われ、心身共にかなり追い詰められます。学業やアルバイトなどでメンバーと集まる時間が取れず、「全員が確実に集まれる時間」である深夜から早朝まで踊り続けることも。踊っている姿を見て友人たちは、「本当に楽しそうだよね」と言ってくれますが、本番を楽しく見せられるのは、これ以上できないほどの努力があるから。そこで初めて、誰かを心から感動させることができるのだと思っています。(作佐部さん)

ジャンルリーダーとして「教える」難しさを日々痛感しています。パンキングの40人のメンバーをまとめているのですが、初めてこのジャンルに挑戦する後輩もいてレベルに差があるんです。長く一緒にやっている同期とは動きを通して振りを合わせていくことができますが、後輩にはきちんと言葉で伝えていく必要があります。自分が実践した練習方法を根気よく教えたり、うまくなるためのポイントを小出しにしたりと、どうやったら成長の手助けをできるのか頭を悩ます毎日です。(小川さん)

振り付けを4人で担当していますが、4人のやりたいことをひとつの構成に落とし込んで調整していくのが大変ですね。ぎくしゃくすることがあっても後輩の前で見せないよう、常にジャンルリーダーとして見られている意識を持ち続けています。(中谷さん)

《社会人との出会い・つながり》

公演を成功させるために協賛していただく企業にあいさつに行ったり、照明や音響を手がける社会人の方たちと協業します。そこでのやり取りの中で、マナーや敬語の使い方を学べたり、今後、社会人として生きるためのいろいろな力が身につけられたと思います。(作佐部さん)

《これから団体・サークル選びをする皆さんへ》
「この道を選んで間違っていなかった!」と声を大にして言える何かを探してほしい。でも、入学していきなり見つけるのは難しいと思うので、興味があるものに首を突っ込んでみてから、やめたり続けてみたりしながら、自分なりの道をつくっていけばいいと思います。(作佐部さん)

貴重な4年間で、情熱を注げるもの、打ち込めることを一つ見つけてほしいと思います。私たちにとっては、それがたまたまダンスだったというだけ。ひとつのことをやり抜くことで、学ぶものはたくさんあると思います。(小川さん)

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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