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Vol.373 テーブルマークグループ

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たけだ・さとみ●販売統括事業部 東日本事業部 首都圏家庭用冷食販売部 販売二課 主任。千葉大学文学部行動科学科卒業。2012年4月入社。学生時代はパン屋でアルバイトをするなど、食べることが好きなことから食品業界を志望。地域型も含めた食品業界を中心に、外食産業など約80社にエントリー、約40社の面接に臨んだ。人事担当者や先輩社員との会話がはずみ、自分を出すことができたことに企業との相性の良さを感じ、現社への入社を決意。

冷凍食品の“おいしい秘密”を知り、自社商品への愛着が芽生えた

「一番大切な人に食べてもらいたい」という想いのもと、3つの事業を展開しているテーブルマークグループ。テーブルマーク・ケイエス冷凍食品を中心とした「冷食・常温事業」、富士食品工業を中心とした「調味料事業」、サンジェルマンを中心とした「ベーカリー事業」。いずれも最高水準の安全管理のもと、これまで積み重ねてきた知見と先進の技術で、高付加価値な商品の提供に努めている。

 

テーブルマーク株式会社に入社した武田さんが最初に実感したのは、自社商品のおいしさ・品質を支える“製造へのこだわり”だったという。
「新入社員研修で『うどんのコシが失われないよう、茹でたてを急速冷凍している』ことや『パックごはんは、パック一つひとつの中で炊飯しているから、米粒が立っている』ことなど、自社商品のおいしい秘密を聞いて感激しました。さらに、冷凍食品は-18℃以下で保存するため、保存料を使用していないという安全性の高さや、調理が簡単で今後も需要が見込まれることなど、知れば知るほど冷凍食品への愛着が深まりました」

 

5月、営業職を希望していた武田さんが配属となったのは、広域営業部。先輩社員に同行して、営業のノウハウを学んだ。そこで目の当たりにしたのは、自分の人柄を売るという先輩の手法だ。
「取引先は主に卸問屋のバイヤーなのですが、卸問屋の先にいるスーパーマーケットのバイヤーとも商談を行います。入社前は、取引先との関係はもっとドライなものだと想像していたのですが、先輩方は人間関係の築き方がとにかく上手。世間話や近隣の他店の話などを織り交ぜながら、取引先に情報感度の高さをさりげなくアピールし、安心感を獲得してしまうんです。商品だけでなく営業担当としても信頼を得ていて、すごいなと思いました。また、先方が商品導入を迷っている時も、最終的には『いつも、ウチのために頑張ってくれるから』と、それが決め手になる場面を何度か目の当たりにしました。果たして、自分にそんな関係が築けるのだろうかと不安になりました」

 

営業の主な仕事は、年2回(春・秋)のプレゼンシーズンに、卸問屋のバイヤーにスーパーマーケットのチェーン各店の特色に合わせて提案する商品を選定すること。加えて、新商品以外の売れ筋品の拡大や、商品導入後の販売促進案の提案も行う。また、商品導入後は、チェーン各店を巡回し、店頭での効果的な売り場づくりを行うのも重要な仕事だ。新人だった武田さんが、最初に力を入れたのは店舗を巡回することだった。
「店舗の中には、あまり冷凍庫内のメンテナンスが行き届いていないところもあります。だから、各店舗に頻繁に足を運び、冷凍庫の適切な温度管理や陳列、売れ行きに目配りするようにしました。メーカーにとっては、商品の品質に関わる大切な仕事だと考えました」

 

9月になると、武田さんは先輩の取引先である卸問屋を引き継いで独り立ちし、卸問屋の取引先である東京、埼玉、千葉、茨城、山梨のスーパーマーケットに足しげく通った。何度も顔を出していると、次第に店舗のPOS(販売時点情報管理)を見せてもらえるようになり、時には現場で追加注文が舞い込むこともあった。
「同じスーパーマーケットでも、店舗によって高級志向から庶民派まで客層が異なり、売れる商品も変わってきます。こうした現場の状況を分析して卸問屋のバイヤーに報告すると、『よく見てくれているから』と追加取引を頂くことも。先方に適切な販促提案をする際にも、売り場をよく知っていることはとても大切です」

 

入社2年目、首都圏家庭用冷食営業部に異動した武田さん。扱う製品は同じだが、1年目に比べて、担当先が増えた。
「仕事量が一気に増え、今までのように店舗ずつ丁寧に巡回していると、仕事が追い付かなくなってしまいました。また、周囲は『2年目だから、もうわかっているよね』という雰囲気。思うように自分の仕事を回すことができず、今思い返すと一番しんどい時期でした」

 

悩んだ末、会社としての重点取引先と、新しく担当する取引先に出向く時間を優先するなど、力の注ぎ方にメリハリをつけてバランスを取ることにした。
「優先順位をつけて、効率的・効果的に仕事をすることを強く意識するようになりました。1年目の頃よりも時間の使い方を考え、一回一回の商談の内容が濃くなったように思います」

 

もう1つ武田さんの意識を変えたのは、「自社だけが売り上げを伸ばすのではなく、取引先も消費者もみんながWin-Winの関係にならなければ、意味がない」という上司の言葉だった。
「売り場が限られている冷凍食品は、他社との売り場スペースの取り合いになりがち。他社商品が自社商品に取って変われば、自社にとってはプラスですが、売り上げに変化がなければ、店舗には何のプラスにもなりません。そのことを念頭に、関係者みんなにプラスとなる販促企画を提案するよう心がけました」

 

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営業に行くため駐車場に向かう。冷凍食品のサンプルを試食してもらうために、車に電子レンジを積んで営業先に向かう。

 

上司も巻き込んで大型受注に成功。Win-Winの結果に大きな達成感

仕事量に苦戦しつつも成果が見え始めたのは、入社3年目の春。1年目に先輩から引き継いだ卸問屋との取引で、スーパーマーケットのバイヤーの上司と自社の上司を巻き込んだ大掛かりなプレゼンを実施し、初めて引き継いだ先輩の実績を超える大型受注に成功したのだ。
「半年前から、準備を進めていきました。上司に同席してもらったことで、“会社として取り組んでいる”という真摯な姿勢が先方に伝わったのだと思います。導入した新商品の売れ行きも好調で、先方も当社も売り上げが伸び、結果はWin-Win。とても達成感がありました」

 

入社4年目になると、売り上げと利益を考えた提案を意識するようになった武田さん。5年目には、単品での売り上げや利益を考えるのではなく、複数の商品トータルでの利益を考えた広い視野での提案ができるようになった。
「例えば、1円の商品を100個売るのと、100円の商品を1個売るのは、売り上げは同じですが、100個売る方が工場の稼働率が上がると考えることもできます。こうしたバランスもシミュレーションしつつ、トータルでの利益を考えて『担当のスーパーマーケットをチェーン全体でこうしていきたい』という企画提案ができるようになりました」

 

営業は、春と秋の新商品発売数カ月前が繁忙期となる。開発中の新商品の試食はもちろん、自ら調理して調理時の扱いやすさや課題も確認し、開発担当にフィードバックする。スーパーマーケットでは店舗によって商品の売れ筋が異なるため、そのデータを収集し、市場のトレンドや強化すべきポイントなどを分析してプレゼン資料を準備。新商品に合わせて販促プランも提案していく。売り場の実情にあった提案ができるよう、武田さんは卸問屋との情報交換と店舗巡回を心がけているという。
「営業のやりがいは、頑張った成果が数字で見えること。そして、その成果が会社全体の業績や自分の評価に反映されることです。また、提案は過去の実績を踏まえて考えますが、そこに自分のアイデアを盛り込む余地がある点にも、この仕事の面白さを感じています」

 

入社時は、「いつかは商品企画の仕事に就いて、自分が作った商品を家族や友人に食べてもらいたい」と考え、まずは商品をよく知るために営業職を希望した武田さんだったが、5年目の現在は、営業の仕事をさらに極めていきたいと考えている。
「これまでも取り組んできましたが、今後はさらに同業他社の状況や世の中の食のトレンドにアンテナを張って、営業活動のヒントにしていきたいと思っています。話題の店には食べに行くなどして、自分のスクラップブックを作っていきたいですね。そして、将来的にはやっぱり商品企画も経験してみたい。企画した商品を自らの手で営業していけたら最高ですね」

 

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取引先と打ち合わせ。新商品の紹介だけでなく、時には利益率の配分などのシビアな交渉を行うこともある。

 

武田さんのキャリアステップ

STEP1 2012年 新入社員研修で社会人としての心構えができる(入社1年目)

入社前の配属面談では営業職を希望。入社直後は新入社員研修で経営理念やビジネスマナー、各部門の役割の理解、工場製造実習などを経験。アルバイトで接客経験はあったが、言葉遣いや電話応対の難しさに、学生と社会人との違いを実感した。

STEP2 2012年 家庭用冷凍食品の営業として仕事の基礎を習得(入社1年目)

新入社員研修後は、広域営業部に配属となり、家庭用冷凍食品を担当。最初の課題は冷凍食品を知ること。自社商品と他社商品を食べ比べ、感想をノートに記録した。営業は先輩に同行し、得意先に顔を覚えてもらうことからスタート。新入社員研修で経験した工場での製造実習は、取引先へ商品の製造過程を説明する際に役立った。1年目は、とにかく先輩の実績をなぞって提案し、先輩の指示を頼りに仕事を覚えていった。

STEP3 2013年 悩みながら自分の営業スタイルを模索(入社2年目)

4月、首都圏家庭用冷食営業部に異動。組織と上司が変わったことで、仕事の基本である「報告・連絡・相談」ができていない自分に気づく。担当取引先が増え、どうしたら仕事を円滑に進めていけるのか悩んだが、優先順位を明確にすることで乗り越え、3年目には引き継いだ先輩の実績を超える大型受注に成功。徐々に、売り上げと利益の両方を考えた見積書の作成もできるように。

STEP4 2015年 より効果的な商品提案ができるように(入社4年目)

利益の確保、売り上げ予算の達成を意識した営業活動を心がける。16年1月、主任に昇格。17年1月には部署の若手で立ち上げた「冷凍うどん拡販プロジェクト」が、社内で最も効果的な販促活動を行ったとして、表彰される。新入社員のメンターとなり、先輩としてアドバイスする立場になってきたが、人によって悩むポイントが違うため、後輩の気持ちを察する難しさを痛感。

ある日のスケジュール

8:30 出社。メールをチェックし、今週のスケジュールを確認。
9:00 毎週月曜日に行われる営業部全体の朝礼に出席。全体の売り上げや予算の進捗状況を把握。
10:30 取引先へのプレゼンに向けて、資料や調理の準備をしつつ、昼食を済ませる。
11:30 来社した卸問屋とスーパーマーケットのバイヤーに、新商品をプレゼン。
14:00 デスクで、見積書や販促提案書、販売計画書の作成などを行う。
16:00 車で卸問屋を訪問。次のプレゼンの打ち合わせ、販促企画のすり合わせなどを行う。
18:00 出先から車で直帰。

プライベート

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小さなころから野球観戦が趣味。大学が千葉だったので、千葉ロッテのファン。年に5回は観戦に行く。写真は2014年5月に会社のメンバーと野球観戦に行った時。

 

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同じオフィスにいる営業の同期5人。誕生会を開くのが恒例行事となっていて、写真は16年1月のもの。「いつもは居酒屋が多いのですが、同期で集まるときは、おしゃれなお店をチョイスしています」。

 

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休日は、よく水族館や動物園に行く。「旅行は国内が多いですね。仕事を忘れてリフレッシュするようにしています。」写真は15年8月の夏休みに訪れた先の水族館でのひとコマ。水族館にふくろうがいたという。

 

取材・文/笠井貞子 撮影/鈴木慶子

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