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ビジネスパーソン研究FILE

Vol.375 株式会社バルス

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たまい・さな●商品本部 インテリア商品開発部 商品2課 係長。奈良女子大学生活環境学部人間環境学科卒業。2009年入社。インテリアに興味があり、学生時代に町家のリノベーションの勉強を行い、インテリアデザインの専門学校にも通学。「商業空間のディスプレー」に興味を持つ一方、飲食店の接客アルバイトで「人と接する楽しさ」も実感。この2つを就職活動の軸とし、どちらの経験もできると感じた現社に入社を決めた。

入社2年目で店長を任され、「楽しく働ける環境作り」に尽力。チームをまとめ、自分も成長

商業空間のデザインディスプレーに興味を持つと同時に、人と接する喜びを味わいたいと考えた玉井佐奈さん。インテリアショップFrancfranc(フランフラン)を展開する現社に入社したのは、「どちらの希望もかなえられる」と感じたからだ。

 

入社後の基礎研修を受けたのち、渋谷店で1年間のOJT研修を受け、半年がたつころにはインテリアを担当するサブリーダーを経験。
「リーダーの考えをくみながら、スタッフの配置や教育指導、売り場の商品構成などに携わり、売り上げ目標を達成できるように尽力することに。アルバイトの皆さんは自分より経験豊富でしたから、当初は店舗の業務を教えてもらいながら『どうしたら、それぞれの良さを出し合いながら働ける場にできるか』を考えました」

 

積極的にコミュニケーションを取り、笑顔で働きかけることを心がけてるうちに、スタッフが楽しそうにしている姿を見かけることも増えたという。
「お客さまにもこうした良い雰囲気は伝わりますし、何より、自分の行動で、店作りに直接影響を与えていけるやりがいを実感できたんです。『人のために働くって楽しい!』と感じ、店長を目指そうと心に決めました」

 

入社2年目、自由が丘店に配属となり、カーテンや寝具、ラグなどのファブリック商品担当することに。売り場作りや商品の発注・管理、売り上げ分析や目標数字の設定などの販売計画を任され、アルバイトスタッフ1名の指導も行った。
「店長を目指すために必要なスキルを学ばせてもらった期間です。責任ある仕事を任されてやりがいを感じましたし、自分の提案した売り場の構成が売り上げにつながっていく面白さを味わいました。品出しや発注作業などの細かい作業はスタッフと連携して互いに振り分けていきましたが、業務に優先順位をつけながら売り場全体を管理していくことが難しかったですね」

 

この半年後の9月、大森店に異動し、希望していた店長を同期の中でいち早く任されることに。これまで経験した渋谷店は300坪以上、自由が丘店は200坪程度だったことに比べ、80坪程度と小規模で、家具よりも雑貨アイテムがメインの店舗だ。
「店長を目指していたので、うれしい気持ちでいっぱいでした! とはいえ、今までとは違い、自分が店長となった以上、店舗の方針や指針について自分で決断しなくてはなりません。スタッフをどう導けば、納得して動いてもらえるのだろうかと思い、そこに大きなプレッシャーも感じていました」

 

社員2名、アルバイト5名という7名のスタッフは、玉井さんより年上。経験が少ないまま店長になったことで、上手にアドバイスができず、スタッフに助けられることも多かったという。
「当初は、気持ちばかりが空回りして、失敗してはフォローしてもらう自分に落ち込みましたね。自由が丘店で指導してくれた先輩や店長に悩みを打ち明け、いろんなアドバイスをもらった結果、『みんなトライ&エラーの繰り返しで成長していくものなんだ。私なりのマネジメントの形を探そう』と思うようになりました」

 

これまでも人とのコミュニケーションに重点を置き、和を大切にする職場を目指してきた玉井さん。自分が大事にしてきたことを軸に、「思いやりを持って、互いに活発に意見交換できるチームにしよう」と決意した。
「経験の差は埋められませんから、力を借りながらみんなで店を作っていこうと。指示するのではなく、意見を引き出しながら、『自分の店』としてみんなが誇りを持ち、楽しく働ける環境を作ろうと思ったんです。雑貨が中心の店舗のため、家具をたくさん置いている店舗よりもお客さまにご提案する機会は少ない。そこで、『積極的に接客する店にしましょう!』という方針を掲げたところ、みんながお客さまと楽しげに話すようになり、店そのものに活気が生まれました」

 

また、異動直後は一大イベントであるクリスマス商戦を迎える時期で、売り場の構成をゼロから考えた経験がない玉井さんはここでも苦しんだという。
「チーム作りの難しさに加え、どんなディスプレーにするのかという売り場のイメージもまとまらず、日々の仕事をこなすだけで精いっぱいでした。けれど、翌年のクリスマスにはこの店舗の売れ筋の傾向を把握した上で、ニーズに合う商品を前面に持っていく見せ方に挑戦しようと。スタッフと連携してスムーズに売り場作りができましたし、前年比で30パーセント以上も売り上げがアップしたんです! 一緒に喜んでくれるスタッフの姿に大きなやりがいを感じると同時に、1年前より成長した自分を実感できました」

 

入社3年目、大きな手応えを感じたクリスマスシーズンの直後、玉井さんは川崎ルフロン店に異動し、150坪規模の店舗で店長を務めることに。
「当時の川崎は高層マンションが多く建設され、住民が増えていた時期。たくさんのお客さまが訪れる立地で、なおかつ、10名のスタッフもみんな経験豊富で接客スキルの高い人ばかり。おかげで、大森店での経験を生かしながら順調に売り上げを伸ばしていくことができました」

 

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開発メンバーと一緒に、次のシーズンの商品ラインナップについて話し合う。ファブリックのサンプルを並べ、どんな商品展開をしていくのか意見を交換し、各自の開発意図も共有。

 

入社4年目で新店立ち上げの難しさを痛感。現在は、多くの経験を生かして商品開発に携わる

玉井さんが初めての挫折を味わったのは、入社4年目のこと。川越に新店を立ち上げることになり、店長を任されたのだ。
「1カ月間、本社に籍を置く形で準備を進めていきました。20名弱のアルバイトスタッフの採用を自分で行うことになり、面接も自ら実施しました。並行して、内装課が作成したレイアウト図面に沿って、商品の配置計画を決め、発注の手配もしなくてはならず、目の回る忙しさでしたね。さらに、オープン日に向けて商品の納品と配置を短期間で行うことに。スタッフ教育にも時間を割けず、事前に他店でアルバイトできるメンバーには、リーダーとして動いてもらうことにしました」

 

商品の検品や配置、ディスプレー作業などをわずか1週間で行ったが、自分以外の経験者は社員1名のみ。あまりの忙しさにスタッフのモチベーションは低下し、オープン後には自らも新店を任される大変さを痛感した。
「既存店のように、各作業の進め方が明確ではなく、仕事の流れを一つひとつ落とし込んでいく必要がありました。自分も初めての経験でしたから、状況に合わせ、手探りでルールを決めていきました。一方、新店として売り上げが注目されるプレッシャーも大きく、売り場作りや接客指導よりも売り上げばかりに目が行き、店の雰囲気はどんどん重たくなっていきました」

 

既存店のように前年の売り上げを参考にできない中、自分なりにさまざまな手を打ったものの、売り上げは伸びない。半年が過ぎ、行き詰まりを感じた玉井さんは自分自身に余裕がなかったことに気づいたという。
「私は何のために店長をやり、誰のために働いているのか。自分を見つめ直し、『スタッフが楽しさを感じて働ける店を作りたい』という原点に立ち返りました。そこからは、スタッフのために働こうと気持ちを切り替え、みんなの意見を聞き、スタッフ自らが自分で考えて動けるように働きかけていくことに。やがて、みんなが提案や行動をしてくれるようになり、店の雰囲気もどんどん良くなったんです」

 

店舗立ち上げから1年後には、売り上げの目標数字も達成していけるようになったという。
「ちょうどそのころ、アルバイトスタッフと自分だけで秋冬に向けた売り場作りを行いましたが、誰もが自主的に動き、スムーズに進めることができたんです。自分が採用したスタッフがここまで成長してくれたのかと実感し、頑張って店長をやってきて良かったと心から思いましたね!」

 

入社6年目には、ルミネ北千住店の店長として店舗リニューアルも手がけ、さらに入社7年目で本社のMD部門(マーチャンダイジングの略。商品販売計画などを担当する部署)に異動することに。これが玉井さんの大きな転機となる。
「もともと店長がやりたかったので、MDへの憧れは特になく、『今後のステップのために新しい視野が広がるなら』という気持ちで着任しました。約6000点ある商品の一つひとつを、いつ、どのように販売するのかという販売計画に携わり、主に、商品の発注や各店舗の在庫コントロールを任されました」

 

全体の売り上げを伸ばすために、どの商品をどれだけ発注するのか、どこの店舗にどれくらいの数を置くべきかなど、「数字」を考える仕事だ。そこには経営的な視点が求められ、それまでの自分が目の前の店舗のことしか見えていなかったことを痛感したという。
「店長時代は『自店の売り上げを伸ばすためにこの商品が欲しい』と思っていましたが、経営視点からすれば、各店舗に適正な在庫を行き渡らせることが重要になるんです。仕事の全体像をつかむまでに時間はかかりましたが、大枠で数字を捉えて分析する力が身につきました。商品の入れ替えは3カ月に1回行うため、店長にもそのタイミングでヒアリングし、売れたもの、売れなかったものの要因を聞いて、商品開発を行う商品部に伝えていきました。本社がどう考え、全体をどう動かしているのかを知る経験ができましたし、それを現場に伝えて橋渡しすることが自分の役割だと考えるようになりましたね」

 

また、市場全体の反響についても、店舗時代よりも規模感が大きく、そこにも面白さを感じた。
「坪数や立地に合わせ、各店に配置する商品を最適化していくように考えました。結果が出るのは半年後ですが、自分の対応次第で結果を出せるのがとても楽しくて! 新製品としてベッドパッドを開発部門から提案された時、『大きな店舗に展示台を置き、関連商品と一緒に並べたらもっと売れるはず』と考え、売り方を提案した上で発注数を増やしてもらったんです。すると、売り上げが前年比の数十倍になったんですよ! 自分の発想で新たなマーケットを生み出せたと感じ、本当にうれしかったです」

 

新たなやりがいを実感したのち、入社8年目、2016年8月に商品部門に異動。現在、インテリア関連のファブリック商品開発業務に携わり、6名のメンバーを取りまとめている。
「商品戦略の立案を行い、メンバーに開発の方針を伝えながら商品に反映させるところまで手がけています。経営層や、MD部門、販売部門とやりとりし、自分やメンバーの商品への思いやそれに基づく戦略意図を伝え、意思を持って開発した商品が店舗できちんと展開されるように努めています。会社の方針決定に携わるやりがいがありますし、自分たちが送り出したアイテムが売れ筋商品に育っていく喜びを実感できますね。まだ着任から半年しかたっていませんが、多くのお客さまに『Francfrancといえば、ファブリック商品』と思ってもらえるようなアイテム作りと戦略作りに力を注いでいこうと思います」

 

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MD部門や販売部門との会議に向けて、資料を作成。開発した商品の意図や、店頭で販売する際の戦略提案などを盛り込む。

 

玉井さんのキャリアステップ

STEP1 2009年4月 新人研修時代(入社1年目)

入社後、同期30名と一緒に、会社の事業内容や仕事の流れなどを学ぶ1週間の基礎研修を受ける。こののち、育成期間として1年間のOJT研修へ。渋谷店にて接客や店作り、アルバイトへの指導などを経験。研修開始から半年後には、インテリア・フロアのサブリーダーを任される。リーダーを支えながら、スタッフと活発なコミュニケーションを行い、和やかで働きやすい環境作りに注力した。「自由が丘店に本配属が決まり、渋谷店を卒業する際、店長から『どうしてもあなたを手離したくないと思った。それだけの仕事ができていたということだよ』と言っていただきました。自分なりにやってきたことが認められたと感じてうれしかったですね」。

STEP2 2014年5月 ルミネ北千住店の店長として店舗リニューアルを経験(入社6年目)

3店舗で店長の経験を積んだのち、ルミネ北千住店の店長を任される。着任半年後には一時クローズと、店舗リニューアルも手がけた。それまでの店舗での経験を生かして業務のスケジュールを立て、一時クローズ前のセール実施から新たな売り場作りまで計画通りに行うことができたという。「お祭り騒ぎのような忙しさにランナーズハイ状態でしたが、スタッフみんなと乗り切ることができました(笑)。一時クローズする前、お客さまから『なくなっちゃうの?』と聞かれることもあったのですが、皆さん、リニューアルの話をすると『また来ます!』と言ってくださり、この店、このブランドで働くことへの誇りをスタッフと一緒に感じることができたと思います」。

STEP3 2015年5月 本社のMD部署に異動。販売計画に携わる(入社7年目)

商品本部MD部MD課に異動。商品計画に沿って、全社における販売計画を立て、各商品の発注や各店の在庫コントロールを手がけた。「適正な商品配置をしていくためには、全社における大きな数字から、各店舗が持っている小さな数字まで分析し、深掘りしていくことが必要でした。店長時代と比べ、売り上げの見方も変化しましたし、パソコンでの数字データの分析スキルも上達ましたね」。

STEP4 2016年8月 商品開発を行う部署に異動し、戦略を立案(入社8年目)

商品本部インテリア商品開発部商品2課に異動。インテリア関連のファブリック商品開発戦略に従事し、係長としてメンバー6名を取りまとめる。開発メンバーの代表として、経営層や各部門と連携したり、個々のメンバーの開発に対する細かな修正指示なども行う。また、インドや中国、ヨーロッパなどの展示会に出かけ、商品の買い付けや市場調査なども行っている。「ここ半年間、毎月一度は海外に出張しています。インテリアの最前線に触れながら、自分たちのブランドにどう反映させていくのかを考えることが面白いです。店長時代には考えられなかった経験をさせてもらっていますし、社長をはじめとする経営層と活発に意見交換できる環境にも感謝しています」。

ある日のスケジュール

8:30 出社。
9:00 朝礼に参加後、メールチェック。1日300件程度に目を通してやり取りする。
10:00 商品開発部共有ミーティングに参加。企画の進捗状況や情報共有事項について、各課の所属長に報告。
12:00 同期と近場のカフェへ。ランチタイムでリフレッシュ。
13:00 会議に向けて、プレゼン資料作成などの事前準備を行う。
14:00 来シーズンの商品企画会議に参加し、商品の発注予定数について提案。販売部門と開発段階ですり合わせ、よりお客さまや店頭のニーズに沿った商品開発を目指す。
16:00 MD部門と販売・発注計画について話し合う確認会議に参加。こちらの開発意図や展開プランを共有し、売り場と連携が取れた発注を目指す。
17:00 課内で来シーズンの商品ラインナップを確認。
18:00 翌日の資料を確認し、19時半に退社。同僚と食事をして帰宅。

プライベート

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旅行が大好きで、学生時代の友人や会社の同僚と1カ月に一度は国内旅行に出かけている。「写真は、大学時代の仲間が集まる年に一度の旅行で、2016年2月に金沢に出かけた時に撮ったものです。京都や大阪、名古屋、岐阜など、関西方面に出かけることが多いですね」。一番右が玉井さん。

 

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同期や店長時代の仲間、本社のメンバーなどとバーベキューや飲み会を楽しむことも多い。写真は16年8月に、本社のメンバーと茅ヶ崎でバーベキューをした時のもの(後列右から3人目が玉井さん)。「お酒が大好きなので、季節がいい時期には月に数回、バーベキューを楽しんでいます。仕事仲間ですが、プライベートな話もいろいろできますね」。

 

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16年6月、東京・千代田区の日枝神社が開催する山王祭りで神輿担ぎを初体験。「知人に誘われたことをきっかけに、課のメンバーと一緒に参加しました。課内のメンバーとは、月に一度、焼肉を食べる会を開催しています」。右から2人目が玉井さん。

 

取材・文/上野真理子 撮影/鈴木慶子

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