【重要】会員サービス終了のお知らせ
ビジネスパーソン研究FILE

Vol.376 生活協同組合コープみらい

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
おおたき・ひろみ●東京都本部 参加とネットワーク推進室企画課 担当主任。首都大学東京大学院人間健康科学研究科修了。2012年4月入職。大学で管理栄養士の資格を取得するなど、食に対する関心が高かったので、食品メーカーなど数十社にプレエントリー。5社の選考に進んだ。大学時代に現組合主催の「たべる、たいせつフェスティバル」に教授が出展したブースでイベント運営を経験し、社会貢献度の高さに魅力を感じたことから、入職を決意。

組合員が配達担当の自分を信頼してくれることにやりがいを実感

コープみらいは、2013年に首都圏3生協が合併して誕生した、325万人を超える組合員で構成される日本最大の生活協同組合(生協)だ。コープとは「co-operative union(協同組合)」の略語のこと。個人宅配・グループ配達などの宅配事業、スーパーマーケットなどの店舗事業、共済・保険などの保障事業、福祉事業、ホームサービス・ハウジング・チケット・葬祭事業などの各種サービス事業を千葉・埼玉・東京で展開している。

 

12年に入職した大滝裕美さんが最初に配属となったのは、カタログやインターネットから注文を受けた組合員の自宅に週1回商品を配達する、コープデリ新宿センター。
「まずは、宅配センターでトラックに商品を積んでから、運転して組合員宅に配達するまでの一連の流れを1年上の先輩に同行して学びました。怖かったのはトラックの運転。ペーパードライバーだったので、社内の教習研修に参加し、実家の車を運転するなどして練習しました」

 

配達するのは1日あたり約40軒。最初は宅配センターから1軒目の配達先まで運転するなどして、徐々に運転距離を延ばしていき、2週間後には全ルートを1人で運転。1カ月半後には、先輩が担当していた新宿区の北新宿と早稲田、文京区を引き継いで、1人で配達するようになった。
「商品が入った箱を開けた時に、きれいに納まっていると気持ちがいいですよね。ですから、自分の家族が受け取る時のことを想像しながら、商品を丁寧に扱い、気持ち良く受け取れる状態でお届けすることを心がけました。不安だったのは、毎週同じ時間に到着できるかどうか。待っていてくれる組合員さんも多いので、工事や渋滞などで迂回(うかい)したり、前後の配達先で話が弾んで時間がかかったりすることがあり、慣れるまでは調整するのが大変でした」

 

しかし、大滝さんは自然体で接することを心がけ、組合員との会話を大切にした。
「何げない雑談から、相手の好きな商品や商品をどのように活用しているかなど、自分が知らない情報を得られることも多いので、組合員さんとのコミュニケーションは貴重な機会。不在のお宅もありその日の配達先すべてで話し込むことはないので、途中で調整すれば帳尻が合います。慣れてくると、意識しなくても時間通りに配達できるようになりました」

 

うれしかったのは、夏の暑い日の配達時に「食べていきなさい」と、配達先で棒付きアイスをもらったこと。
「入職3、4カ月目で疲れがたまり、体力的にきつい時期だっただけに、その優しさとアイスのおいしさが心にしみました。それまでお客さまとして接していた方が急に近い存在に感じられて、『商品をミスなく時間通りにお届けしなければ』という意識がいっそう強まりました」

 

2年目、新入職員の指導役となった大滝さんは、後輩に配達ルートを引き継ぎながらこの仕事の楽しさを伝えられることにワクワクした。
「毎週配達していると、自宅にあげて孫のようにかわいがってくださる組合員さんもいらっしゃいました。単なるお客さまと配達員ではなく、配達担当の私を信用し、頼ってくださっていることに大きなやりがいを感じましたし、この気持ちを後輩に伝えられる日が待ち遠しかったですね」

 

ph_business_vol375_01

デスクで組合員との会議内容をまとめる。会議で外出することも多いので、事務処理はまとめて集中して行うなど、効率を重視。

組合員だけでなく、生産者にも良かったと思ってもらえるイベントを企画

14年6月、大滝さんは参加とネットワーク推進室に異動となった。主な仕事は、組合員が産地を訪ねて苗付けや収穫を体験する「生産者交流会」や、50歳以上の組合員を対象に学習をテーマにした「コープみらいカレッジ」などのイベントを企画・運営すること。組合員と生産者の相互理解を深めることが、こうしたイベントの目的だ。

 

先輩から引き継いで最初に手がけたのは、千葉県で行う「田んぼの学校」で、田植え~夏の生き物観察~収穫を3回にわたって体験するイベント。同時進行で、群馬県で下仁田ネギの収穫作業を体験できる「JA甘楽富岡産地交流会『甘楽富岡に行ってんべ~!!』」も担当した。

 

当初は全体の流れを把握しきれていない中、担当者と打ち合わせをしながら準備を進めることに戸惑ったが、こまめに連絡を入れることを心がけて乗り越えた。うれしかったのは、参加した組合員から「来てよかった!」という声を聞けた時。
「組合員さんだけでなく、生産者の皆さんにも『やってよかった』と思っていただきたいので、参加者アンケートの内容を生産者の方にフィードバックし、“喜びの声”をお伝えしています。また、イベントの前後には現地に足を運んでごあいさつするよう心がけています」

 

異動2年目、大滝さんは自ら企画した新しいイベントを実現させた。実は異動直後に提案したが、上司に「難しい」と却下された企画だった。その時は、異動直後ということもあって、まずは仕事を覚えることに専念した。
「自ら行動しないと何も変わらないと考え、2年目に、イベントを注文用カタログと連動した告知にするため、キーパーソンや産地情報に詳しい部署の担当者に相談。企画を練り直して再提案したところ、承認が下りたのです」

 

企画したのは、レタスの苗の定植を8月、収穫を10月に体験する「JA常総ひかりの“惚(ほ)”レタス」というイベントで、注文用カタログに掲載されている商品と連動しているのが特徴。2月から本格的に動き始め、7月に募集を行った。
「初めての試みだったので、40名の定員に届かなかったら…と気が気ではありませんでしたが、無事に集客できてホッとしました。当日イベントに同行してみると、皆さんとても楽しそう! 参加した子どもたちからは『これからは、この産地のレタスを買います』などの声が聞かれ、満足度の高さがわかりました」

 

16年には、50歳以上の組合員に学びの場を提供する「コープみらいカレッジ」の企画・運営も担当した。
「入学から卒業までは6カ月。16年度は『東京生まれのおいしさを知ろう』をテーマに、新宿区の青果市場や青梅市の日本酒酒蔵見学など、地域に根差したさまざまなプログラムを企画。組合員の皆さんからのアイデアと生産者の皆さんのご協力により実現することができ、好評を頂きました」

 

コープみらいが目指しているのは、事業や活動を通じた豊かな地域づくり。大滝さんは、今までの経験を生かして、これからも組合員の皆さんに身近に感じてもらえるイベントを企画していきたいと考えている。
「かかわる人みんなが楽しく続けられるイベントになるよう、『やりたい』という自分の情熱だけでなく、生産者さん・組合員の思いも反映させていくつもりです」

 

ph_business_vol375_02
組合員と今後のイベントについて打ち合わせ。組合員同士の話し合いを調整し、みんなが納得できるよう導くことも、職員としての大切な役割。

大滝さんのキャリアステップ

STEP1 2012年 新入職員研修で社会人基礎力や接客術を学ぶ(入職1年目)

4月に入職し、約3週間の新入職員研修に参加。第1部は、ビジネスマナー、商品政策やコープの取り組みなど、社会人としての基礎を養う研修を行った。第2部は、チームに分かれて課題に取り組む仕事の疑似体験、第3部は物流施設の見学、高齢者や目の不自由な方の疑似体験など。体に重りを付ける、目かくしをして移動するなどのリアルな疑似体験から、あらゆるお客さまに対応できる人材育成に力を入れている組織だと感じた。

STEP2 2012年 コープデリ新宿センターにて商品配達に携わる(入職1年目)

5月、コープデリ新宿センターに配属となる。組合員に安全・安心な商品を届けることをミッションに、新宿区の北新宿と早稲田、文京区の組合員宅に、トラックを運転し、注文された商品を週に1回配達。次週の注文を受けて帰るほか、CO・OP共済・保険の案内、配達中に出会う未組合員にコープへの加入案内などを行った。1年目は、配達ミスや商品を台車で運搬中に落として破損するなどの失敗をしたが、2年目には、ミスなく時間通りに配達できるようになった。

STEP3 2014年 参加とネットワーク推進室にてイベント企画・運営に携わる(入職3年目)

6月、東京都本部の参加とネットワーク推進室 企画課に異動。産地との交流会やコープみらいカレッジなど、本部主催のイベント企画・運営に携わる。そのほか、組合員の代表であるブロック委員15名との会議での意見調整や、組合員が主導で開催するイベントの告知チラシの印刷発注など、組合員が地域で行うイベントのサポート業務にも従事。イベント運営業務は入職前からやりたかった仕事だったので、とてもうれしかった。

STEP4 2015年 主任として広い視野で物事を考え、行動するように(入職4年目)

3月、担当主任に昇格。同じ部署で働く30名の約半数がパート職なので、自分の仕事ぶりや対応がパート職の人たちの目にどう映るかを意識して行動するようになった。5年目にはイベントの企画から開催までたくさんの人たちがかかわることを踏まえて、広い視点で企画・運営を考えられるように。現在は、前年に手がけた「コープみらいカレッジ」の2017年度の企画を立案中。

ある日のスケジュール

9:30 出勤。社外での会議に直行し、組合員とイベントの運営などについて打ち合わせを行う。
12:00 会議会場を出て、途中でランチを取って帰社。移動中にメールをチェックして返信。
13:30 組合員との会議で出た議題のポイントを上長に報告・相談する。
14:00 産地交流の担当者と当日のイベント運営などについて電話で打ち合わせる。
14:30 社内の関係部署にイベント運営について連絡を入れた後、デスクワーク。
15:30 参加とネットワーク推進室の会議に参加し、各課や各自の業務について報告する。
17:00 デスクに戻って、残りの事務処理を行う。
18:15 退勤。

プライベート

ph_business_vol375_04_02
2016年6月、1泊2日で青森を旅行。青森にいる知人と一緒に東北六魂祭を見学し、地元で評判のすし店に案内してもらった。「旅行が好きで、年に数回は国内小旅行を楽しんでいます」。

 

ph_business_vol375_04
17年1月から、週末を利用してスポーツジムに通い始めた。きっかけは、階段を上ったら息が切れるようになったこと。「配達担当時代は、仕事が運動を兼ねていたんですけど…(笑)」。

 

ph_business_vol375_05
実家で飼っている愛犬。サイズは柴犬よりひと回り大きい雑種で、年齢は7歳。「私は餌をやる担当。仕事で疲れて帰った時、頭をなでるのが、一番の癒やしになります」。

 

取材・文/笠井貞子 撮影/鈴木慶子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10分トレーニング:みんなの回答をチェック! ▼
1年生も、もちろん!
大学生・院生・短大生・専門学校生になったら!

リクナビで詳しく見てみよう!

この企業についてリクナビで研究する