人事部長インタビュー

Vol.55 株式会社長谷工コーポレーション

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事業主にマンションの企画を持ち込む

私たちは建設業界、いわゆるゼネコンに位置づけられますが、業界内でも特異な存在だと言われてきました。それは、建設のみならず、マンションを造る事業主に代わって土地情報の収集から事業収支等企画の立案、さらに販売を担ったり、マンション管理を手がけたり、マンション事業をトータルにプロデュースする独自のビジネスモデルを有しているからです。

 

一般的にゼネコンの顧客は事業主になりますが、私たちは販売や管理も行いますからエンドユーザーもお客さまになります。「お客さまが2人いる」というのが、長谷工コーポレーション(以下長谷工)の大きな特徴であり強みです。それをベースにした発想力が、長谷工の企業DNAになっています。事業主のみならず、エンドユーザーのことも考えて踏み込んだ仕事ができる、ということです。

 

そして今、マンションをプロデュースするという「フロー事業」を主軸にしつつ、新しく住まいに付随するさまざまなサービスを展開しようという「ストック事業」の強化を推し進めています。マンションにお住まいの方はもちろん、戸建住宅を含むあらゆる「住まい」にお住まいの方にとって「こんなことがあったらいいな」と思われることをすべて洗い出し、サービスとして事業化しようというものです。

 

エンドユーザーからさらなる信頼を得るために、あらゆることをやっていこうと考えています。そのために、すべての事業においてホスピタリティを持った会社になろうとしています。長谷工にまた、新しい一面が加わることになりそうです。

 

マンション建設数でトップクラスの実績を作ってきたのが、私たち。では、どうしてこうした実績を作ってくることができたのか。ひとつ間違いなく言えることは、私たちの財産は人材だ、ということです。

 

創業当時から、会社の資産は人である、というポリシーでやってきました。それが今も脈々と引き継がれて、組織や教育、人事制度、現場にも浸透しています。人を育てることを、とても大切にしているということです。

 

そしてもう一つ、マンション建設に強みを持ってこられたのは、私たち独自の営業スタイルがあります。それは、事業主からの発注を待つのではなく、自分たちから企画を持ち込んで事業を仕かける、ということです。土地を探して企画を立て、こんなマンションを造りませんか、と事業主に提案していきます。企画、設計、建設、販売、管理など、事業主の依頼に基づいて動くのではなく、積極的に事業を持ちかけていく存在なのです。

 

それを最前線で担っているのは、若手の社員たち。事業主と建設会社で、ベテランだけで打ち合わせをしてプロジェクトを推し進める、といったスタイルではなく、企画の段階から若い社員がプロジェクトを推し進めていくのです。

 

実際、業界内でも、長谷工の営業担当者は若い、とよく言われます。場合によっては、自分の親のような年齢の人たちと堂々と渡り合って打ち合わせをすることも多いです。若いうちから仕事を任せ、仕事を通じて人材がまた育っていく。こうした人材を力に成長してきた会社なのです。

 

「5年で一人前にする」ための教育体系

マンションをトータルにプロデュースしていく、というほかにない事業を展開している会社。さまざまな事業を手がけるグループ会社がある中で、企業間の相乗効果を生み出し、それをビジネスチャンスとして生かしていくことができるのも、大きな強みです。建設の視点、売り手の視点、住まい手の視点など、多様な視点からお客さまの声を聞くことができますから、それをグループ会社間で共有することで、お互いの仕事のクオリティをさらに高めていくことができます。

 

また、さまざまな事業主のマンションを手がけることができる、というのも長谷工の面白さ。特定のデベロッパー会社に入れば、特定のブランドのマンションだけを造ることになりますが、建設会社でありながら、企画の提案から踏み込んでいく長谷工なら、さまざまなマンションづくりに携わることができる。一つのブランドを追求することも働く上での魅力になると思いますが、幅広くいろんなブランドづくりにかかわっていく、ということも大きな魅力といえるでしょう。

 

数十億円から100億円を超えるようなスケールのプロジェクトを企画し、推進していく。それを、20代の若手社員にどんどん任せていく。そうした環境が当たり前となっている中で、長谷工らしさとは何かということを追求し、長谷工で活躍する人材には次の3つのキーワードが重要だ、と考えています。それが、挑戦心、たくましさ、そして地頭の良さです。

 

今後サービス関連事業が拡大していくとき、ここにホスピタリティが加わってくるでしょう。こうしたキーワードを意識している人には、活躍できるチャンスが大きい会社だと思います。

 

人材育成に関しては、グループで共通している考え方があります。それが、「5年で一人前にする」ということ。「ストレンクス・ファイブ」と社内で呼んでいます。一人前として5年で最前線の仕事ができるようになる。そのための教育体制が整備されています。

 

5年で一人前というのは、それなりにハードさが求められるのも事実です。配属された現場ではOJTでガンガンと育てられ、一方で人事から必要な知識や資格を取得するための教育カリキュラムが提示されます。逆にいえば、意欲さえあれば、早く大きく成長できる、本当に通用する力が身につくということです。

 

また幅広い事業があることもあって、女性の採用・登用も積極的に推し進めてきました。販売や管理はもちろんのこと、技術系でも同様です。女性の現場所長もいます。男性にも女性にも、活躍フィールドが広いということも、ぜひ知っておいてもらえたらと思います。

 

学生の皆さんへ

学生時代には、いろんな経験を積むことでしょう。だからこそ、大切にしてほしいのが、「やり切った経験」というものを一つでもいいので持ってほしい、ということです。単に経験したことでとどまらず、学業でもアルバイトでもクラブ活動でも、何でもいいのでもうひとつ上のレベルに到達してほしい。そのためには目標を持って取り組む、ということが大事です。目標を持つと、到達するまでの戦略を立てなければいけません。例えば、学校の勉強との両立をどうするか。どんなステップで目標に向かうか。やり切るために、何を取捨選択するか…。そのように戦略を考え、実行して目標を達成するプロセスは仕事と同じなのです。その経験は、どんな分野であれ必ず仕事に生きます。漠然と何かをやるのではもったいない。目標を立て、やり切ることをぜひ実践してみてください。

 

同社30年の歩み

1937年に個人経営の長谷川工務店(88年に現社名に変更)として兵庫県尼崎市で創業。長谷工コーポレーションの強みは、建設会社の領域を超えた総合力。用地取得、企画、行政折衝、設計、施工、販売、流通仲介、分譲マンション管理、リフォーム、賃貸マンション管理など、マンション事業にかかわる、すべてを担い、マンション事業の中心となり、トータルプロデュースを行っている。販売・管理等を通して得られた顧客ニーズのフィードバックが、事業提案、商品企画力、施工品質に生かされている。
1988年
社名を株式会社長谷工コーポレーションに変更。
1989年
高齢者向けサービス付きマンション「センチュリーシティ大宮公園」完成。
1995年
阪神・淡路大震災において倒壊ゼロ。
1998年
マンション施工戸数、累計30万戸達成。
2003年
「浦安AMCプロジェクト」(高度複合都市開発事業)完成。
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2005年
“住・商・工”調和のとれた「港区白金一丁目東地区市街地再開発事業」完成。
2009年
大阪・北浜の百貨店跡地に「The Kitahama」(54階・465戸)竣工。
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2009年
「ブランシエラ浦和(埼玉県)」「ブランシエラ吹田片山公園(大阪府)」の2事業が長期優良住宅に認定される(分譲マンションとして初の認定取得)。
2014年
マンション施工戸数 累計55万戸達成。

 

 

取材・文/上阪徹 撮影/平山諭

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