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理系のシゴトバ

Vol.165 <前編>【新電元工業株式会社】シゴトバ紹介

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パワー半導体や電源の開発・設計・販売を行っている「新電元工業株式会社」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社場所】東京都千代田区
【事業所・工場】大阪支店、名古屋支店(愛知県)、浜松分室(静岡県)、宇都宮出張所(栃木県)、飯能工場(埼玉県)、仙台分室(宮城県)、計6カ所
【従業員数】1070人(2016年3月31日時点)
【事業内容】パワー半導体、電装、電源製品の開発、設計および販売
-新電元工業株式会社のすごいトコロ-
半導体技術、電源回路技術、モジュール技術という3つのコア技術をすべて自社で有していること。また、それぞれの技術にたけた専門家が飯能工場に一極集中している環境を生かし、日々、切磋琢磨(せっさたくま)することで、低損失、高信頼な製品ができ上がる。

新電元工業株式会社の会社概要・沿革

電気は私たちにとってなくてはならないエネルギーです。その電気エネルギーをいかに効率よく使えるようにするかということは、温暖化対策など地球環境保護の観点からも非常に重要となっています。新電元工業は「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献します」を企業ミッションに、デバイス事業、電装事業、新エネルギー事業という3つの事業を展開。デバイス事業では家電製品、自動車、産業機器などに欠かせないパワー半導体(電気の制御を行う半導体)、電装事業では自動車やバイクの電装部品、新エネルギー事業では、通信基地局用電源や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの開発、設計、販売を行っています。今後は、これら製品にかかわる半導体技術、電源回路技術、モジュール技術のコア技術だけでなく、ソフトウェアや磁性部品もさらに強化していくことで、ますます求められるエネルギー変換のさらなる高効率化を目指し、開発を行っていくそうです。

 

技術開発センターのシゴトバ紹介

今回は新電元工業のコア技術がすべて集まっている技術開発センターのシゴトバを紹介します。技術開発センターとは、今よりも高効率で付加価値の高い次世代の半導体や電源など、将来、役に立つと思われる要素技術を開発する部署です。

 

技術開発センターのシゴトバがあるのは、埼玉県飯能(はんのう)市にある飯能工場の中。埼玉県の南西部にある飯能市は、市内の7割が山野の自然あふれた街です。飯能工場の最寄り駅は西武池袋線飯能駅。飯能駅は東京・池袋駅から西武池袋線急行で約50分。飯能駅南口を出て3分歩けば工場の入り口に着きます。電車のアクセスも良いため、ほとんどの社員が電車通勤をしています。

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技術開発センターはどんな仕事をしているの?

技術開発センターのシゴトバを研究開発部に所属する井上徹人さんが案内してくれました。
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技術開発センターでは、今はまだ世に出ていない次世代のパワー半導体および電源の開発、設計が行われています。井上さんは半導体を担当する部署に所属しています。まず、どんな性能・機能を有する半導体デバイスを作るか、企画して仕様を決定します。そして設計(プロセス設計やレイアウト設計)を行い、設計した仕様に基づき試作品を作製し、評価を行います。研究開発部のメンバーは、この一連の流れに携わることとなります。開発したものが目標とする性能を満たし、量産化の見込みが立つとその技術は事業部へと渡され、市場に出ていくこととなります。

 

なお研究開発部に所属する社員の平均年齢は44歳。
「ベテランの方がたくさんいらっしゃいます。私は入社8年目ですが、若手の部類です。ベテランの先輩方が多いからといって働きにくいということはありません。皆さん人当たりが良くて、何か困ったことがあると真摯に相談にのってくれます。職場の雰囲気はいいですね」(井上さん)
下の写真は、技術開発センターの中にある、クリーンルームでの作業の様子です。設計した半導体の試作をここで行います。クリーンルームでは、写真のような専用の作業服、帽子、靴を身につけて行います。

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半導体の製造はウエーハ(半導体でできた薄い円盤。タイトル部分の写真を参照)の洗浄から始まり、成膜、レジスト(感光液)のコーティング、露光、現像、エッチング(薬品などの腐食作用を利用して、表面加工をする技法)、レジスト剥離といった一連の工程を繰り返して、ウエーハ上に素子を作り込んでいきます。そして一つひとつのチップに切り分け、電極にワイヤで接続するワイヤボンディングを行い、樹脂で封入(パッケージング)する組み立て作業を行い、終了です。上の写真は専用のドラフト内でフッ酸溶液を使ってウエーハから切り出されたチップの洗浄を行っているところです。フッ酸溶液は人体にとって危険な薬品です。ちなみに蛇口から出てくるのは超純水です。

 

技術開発センター 研究開発部で働く 井上徹人さんのおシゴト紹介

井上さんが担当しているのは、次世代パワー半導体として注目を集めている、SiC(炭化ケイ素)半導体デバイスの開発です。化学式からもわかる通り、シリコン(Si)と炭素(C)で構成された化合物半導体です。

「従来の半導体の材料はシリコンが使われてきましたが、SiCを使うと電力損失を大幅に低減できるほか、小型化にも有効です。というのもSiCはSiよりも、絶縁破壊電界強度が大きい、熱伝導率が高いなど、優れた物性を有しているからです」(井上さん)

 

SiC半導体デバイスは電動車両や電車、送電システム、太陽電池、家電、コンピュータなどあらゆるところに搭載が検討されています。例えばハイブリッド車や電気自動車のモーターを駆動する装置にこのSiC半導体デバイスを活用すると、今より大幅に小型・軽量化が実現するとのこと。すでに完成車メーカーでは2020年ごろの販売に向け、試走車にSiC半導体デバイスを搭載し、検証を行っているそうです。

 

SiC半導体デバイスの開発とひと口に言っても、大きくダイオード(電流を一方向にしか流さない作用を持つ素子)とMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Effect-Transistor。電界効果トランジスタの一種で、スイッチング素子などに用いられる)の開発の2種類に分かれており、井上さんが担当しているのが後者のMOSFETです。
井上さんは入社2年目の2010年にSiC-MOSFET半導体の開発に取り組むことになりました。現在、所属しているチームの人数は、井上さんを含め6人。
「最初のころはどのようにすれば求められる性能を持ったデバイスができるのか、手探りの状態から開発を始めました。サンプルを作っては評価を行い、そこから課題を抽出しては、一つずつ解決していきました。そしてようやく掲げていた性能目標値をクリアした試作品を完成させることができ、16年2月の技術報告会で社長をはじめとした役員や多くの従業員の前で発表することができたんです。結果につなげることができてうれしかったですね」(井上さん)
写真は試作したSiC半導体が目標とした性能を満たしているか、専用の装置を使って測定しているところです。

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前編では【新電元工業株式会社 技術開発センター 研究開発部】のシゴトバを紹介しました。

後編では、同部に所属する井上徹人さんに入社の経緯や決め手、会社の魅力などをお話ししていただきます。

次回へ続く

(後編 2月8日更新予定)

取材・文/中村仁美  撮影/臼田尚史

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