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理系のシゴトバ

Vol.167 <前編>【三菱日立ツール株式会社】シゴトバ紹介

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尖った切削工具を開発する「三菱日立ツール株式会社」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社場所】東京都墨田区
【工場】野洲(滋賀県)、成田(千葉県)計2カ所
【営業所】東京、大阪、名古屋ほか、計13カ所
【従業員数】702人(2016年3月31日時点)
【事業内容】特殊鋼・超硬合金などによるチップ、切削工具の製造および販売
-三菱日立ツールのすごいトコロ-
「開発技術の三菱日立ツール」というキャッチフレーズが表す通り、独自の技術で「尖った」切削工具を開発し続けている。その注力度合いは、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「“超”モノづくり部品大賞」を13年連続受賞していることでもうかがえる。ちなみに16年は「高能率仕上加工用刃先交換式異形工具シリーズ」が、「“超”モノづくり部品大賞 機械部品賞」を受賞。そのほかにも日本機械工具工業会 技術功績賞を受賞するなど、数々の表彰実績を持つ。

三菱日立ツール株式会社の会社概要・沿革

家電製品や電子機器、自動車、電車、航空機…。私たちの身の回りにはさまざまなモノがあります。これらの形あるモノをつくる過程において、切削加工は欠かせない技術です。三菱日立ツールは1928年の創業以来、独自の技術で工具の開発、製造、販売を行っています(創業当時の社名は帝国カッター製作所。87年に商号を日立ツールに変更。2015年に三菱マテリアルの子会社となり、現在の社名に変更)。

 

加工分野では、工具の使い方も重要な要素となります。一般的に製造原価の70パーセントを加工費(電力費、機械費、人件費)が占めているからです。残りの25パーセントが間接費、そして5パーセントが工具費と言われています。つまり工具自体の価格は、全体の製造原価に与える影響はあまり大きくないのです。このことにいち早く着目した同社では、価格が高くなってもより高性能な工具を開発することで、お客さまに貢献しようと考えました。そこで08年に打ち出した開発コンセプトが「加工半減」。製造にかかるトータルコストを削減するため、高性能な最新工具を開発・提供しようという取り組みです。さらに14年、同社では加工法をトータルに進化させるため「Hi-Pre2(ハイプレツー。High Precision Pre-finishingの略)」という開発コンセプトを打ち出しました。高精度な金型の製作には、最終仕上げ工程はもちろんですが、その前の荒加工や中仕上げ加工の加工精度が非常に重要となります。そこで同社では荒加工から高精度を追求することで、最終仕上げまでのトータル工程の最適化を図るための工具の開発を行っているのです。この2つの開発コンセプトに基づいたモノづくりに従事していることが他社との差別化であり、「“超”モノづくり部品大賞」を連続受賞するなど、高い評価を得ている理由なのです。

 

成田工場 開発技術部のシゴトバ紹介

今回は三菱日立ツール 成田工場 開発技術部のシゴトバを紹介します。三菱日立ツールには成田工場のほかに滋賀県に野洲(やす)工場という製造拠点があります。違いは製造している製品。成田工場が主に製造しているのがインサート工具(本体に取り付けられる切れ刃)。一方の野洲工場ではドリルやエンドミル(らせん状の刃が付いた工具)を製造しています。いずれの工場にも開発技術部があり、それぞれ工場で製造している製品の高性能化を実現する技術開発に取り組んでいます。
成田工場は千葉県成田市郊外の野毛平(のげだいら)工業団地の一画にあります。徒歩圏内に電車の駅がないため、従業員のほとんどが車通勤をしているとのこと。もちろん、車通勤ではない従業員に対しても十分配慮されており、社用バスを複数ルートで走らせているそうです。

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成田工場 開発技術部はどんな仕事をしているの?

成田工場 開発技術部のシゴトバを同部に所属する稲垣史彦さんが案内してくれました。
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同部では前述した開発コンセプト「加工半減」「ハイプレツー」を実現する、高い付加価値を持った新しいインサート工具の開発に取り組んでいます。インサート工具を構成する要素技術は、超硬素材技術とコーティング技術、形状技術の3つがあります。同部署に所属している約20人の技術者は、そのいずれかの要素技術を専門に担当し、研究開発に従事しています。
「研究開発案件は大きく2種類あります。1つは私たち独自の視点で発想した価値ある新しい工具を提案・発信していくこと。もう1つはお客さまの課題をヒアリングし、それに応えていく形での新製品開発です。1人でフェーズの異なる案件を複数担当しています」(稲垣さん)

photo3

 

写真は仕上げ加工に用いられる高能率刃先交換式工具シリーズのインサートです。ページトップのタイトルバックに使用した写真がGALLEAシリーズで、その先端にはこのようなインサートが取り付けられているのです。GALLEAシリーズは主に自動車の金型加工に使用されるとのこと。同シリーズは「2016年“超”モノづくり部品大賞 機械部品賞」および日本機械工具工業会 技術功績賞を受賞するなど、高い評価を得ています。同社は、「“超”モノづくり部品大賞」を第1回から13年連続で受賞しており、これは全業種のメーカーで唯一だそうです。

 

成田工場 開発技術部で働く 稲垣史彦さんのおシゴト紹介

金型の製作はマシニングセンターと呼ばれる切削加工機械を使って行われます。工程は大きく4つ。まずは材料を切り出す粗加工から始まり、中仕上げ加工、仕上げ加工へと進み、磨き・調整をして完成へと至ります。稲垣さんが担当しているのは、仕上げ用工具の形状開発です。
「新しい価値を提供する仕上げ用工具を開発するため、どんな形状にすれば、目標とする性能を実現できるか、素材技術やコーティング技術の担当メンバーと協力しながら、開発を進めていきます」(稲垣さん)
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試作品ができれば、実際に性能を満たしているか、ショールームと呼ばれる部屋で評価を行います。ここにはさまざまなマシニングセンターが置かれており、実際に切削加工が行えるようになっているのです。写真はマシニングセンター前で開発技術部長の赤松さんに仕様について相談しているところです。
「マシニングセンターに加工データを入力し、仕上げ加工を行います。そしてでき上がった加工サンプルの仕上げ精度が狙った通りにできているかを確認。また刃先の摩耗具合などについては顕微鏡を使ってチェックします。うまく精度が出なかったり、刃先が異常に摩耗していたりする場合は、再度、チームで集まりどうすれば課題を改善できるか検討を行います。そのような課題を乗り越えて、新製品として世に出、お客さまから『これはいいね』というような評価を頂けたときが、最もやりがいを感じる瞬間です。16年9月に私が携わった製品がリリースされたのですが、その売り上げについては常に気にしています。売れているとやはりうれしいですからね」(稲垣さん)

 

稲垣さんが売り上げをチェックする癖が付いたきっかけは、11年10月から15年4月までドイツの販売子会社に出向していたときのこと。ドイツでの稲垣さんは、三菱日立ツールで製造しているすべての製品の技術担当として、営業担当と共にお客さまに出向き、提案営業を行っていました。商談の席でお客さまからの技術的な質問がくるとその場でお客さまが納得する回答をし、販売に結びつけていくという役割を担っていたのです。
「ドイツでの3年半は売れるモノづくりの大切さを学びましたね。日本に戻ってきてからはドイツのときのように提案営業することは少ないですが、お客さまのニーズや課題をいかに汲み取るために、私たち開発メンバーもお客さま先に出向きます。お客さまの課題を解決することが、売れる製品づくりへの一歩だからです」(稲垣さん)

 

前編では【三菱日立ツール株式会社 成田工場 開発技術部】のシゴトバを紹介しました。

後編では稲垣さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなど、お話ししていただきます。

次回へ続く

(後編 2月22日更新予定)

取材・文/中村仁美  撮影/臼田尚史

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