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理系のシゴトバ

Vol.169 <前編>【大久保歯車工業株式会社】シゴトバ紹介

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歯車および歯車を用いた組み立て品を設計・開発する「大久保歯車工業株式会社」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社場所】神奈川県厚木市
【工場】厚木(第一、第二)計2カ所
【従業員数】500人(2017年2月末現在)
【事業内容】建設機械や工作機械など大型の機械向け歯車の製造および歯車を用いた組み立て品(トランスミッションや減速機、車軸など)の製造・販売
-大久保歯車工業のすごいトコロ-
大久保歯車工業の最大の強みは、歯車の設計から機械加工、熱処理、研磨、加工、組み立てまで一貫して自社内で完結できるところ。また歯車といっても、トラックやバスなどの大型車両、建設機械、農業機械、最近では産業機械や工作機械など、大型機械向けを得意としている。開発・設計エンジニアは歯車からトランスミッション(変速機)まで、駆動パーツにかかわる総合的なスキルを備えることで、お客さまの要求を超える製品提供を行っている。

大久保歯車工業株式会社の会社概要・沿革

歯と歯を順次かみ合わせることで、動力をほかに伝達する部品、歯車。日常、歯車を目にする機会はそうないかもしれませんが、実は私たちの身の回りにあふれている機械部品です。自動車はその代表例。エンジンが生み出した動力を車輪に伝達したり、車輪の向きを変更したりするトランスミッションや、エンジンの回転速度を減じて大きな力を出す減速機などは、歯車が同部品の性能のカギを握っていると言っても過言ではありません。大久保歯車工業はバスやトラックなどの大型車両のほか、農業用トラクタや除雪車、林業用運搬車などの特殊車両、建設機械、農業機械というように、中型から大型の歯車、およびその歯車を用いた組み立て品の開発・設計、製造、販売を行っています。

 

大久保歯車工業の創業は1938年。翌39年には歯車メーカーとして一貫生産体制を確立します(当時の商号は大久保鉄工所)。47年に株式会社化し、大久保歯車工業を設立。熱処理施設の増設をするなど、設備の増強に努め、総合歯車メーカーになるための基礎固めに注力。自社オリジナルの製品開発にも乗り出したのはこのころからです。そして70年に、現在の場所に移転し、そこから本格的に歯車メーカーとして国内はもちろん海外にも積極的に事業展開していきます。現在厚木には2つの工場(第一工場と第二工場)があり、第一工場では歯車、第二工場では第一工場で製造した歯車を用いた組み立て品の製造を行っています。大久保歯車工業が生み出した製品は、世界各国のメーカーが採用しています。

 

開発部 開発課のシゴトバ紹介

今回は大久保歯車工業 開発部 開発課のシゴトバを紹介します。大久保歯車工業には厚木に2つの工場がありますが、開発部 開発課のシゴトバがあるのは厚木第二工場。本社のある第一工場とは少し離れていますが、徒歩では約6分という距離なので、行き来も容易です。

 

2つの工場はいずれも工業団地の中にあり、周囲にはさまざまなメーカーの工場が建ち並んでいます。
小田急小田原線・相鉄線海老名駅もしくは小田急小田原線本厚木駅から車でも30分ぐらいかかるため、多くの従業員が車通勤をしています。

 

厚木市は神奈川県の中央に位置しており、横浜からは距離にして約30キロメートル。東名高速道路と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が通っているので、車があれば各方面へのアクセスが非常に便利な街です。

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開発部 開発課はどんな仕事をしているの?

開発部 開発課のシゴトバを同課に所属する上野高喜(こうき)さんが案内してくれました。

 
第二工場が製造しているのは第一工場で製造した歯車を用いた組み立て品。その組み立て品を開発・設計しているのが開発部 開発課です。開発課が担当している組み立て品は大きく3種類。1つは建機メーカー向けのアクスル(車軸)と呼ばれる走行用の足回り部品です。そのほかに減速機と工作機械向けのATC(自動工具交換装置)です。

 

「開発課のメンバーはこれらの製品のいずれかを担当することとなります。どういう機構(機械の構造)にするか、仕様を詰め、3次元CADで図面を描いていきます。仕様を満たす設計ができれば試作および試験を行います。試作しては試験をするという工程を何度か繰り返し、お客さまの求める性能を満たす歯車へと仕上げていくのです。そして受注が決まれば、図面を製造に渡して量産化へと至ります。このように私たち開発のメンバーはゼロの状態から、実際に形となりお客さまに出て行くまでを携わっていきます。性能がいくら満たされても、組み立てにくい製品では量産化にコストがかかってしまうので、組み立てしやすさも意識しながら、開発・設計しています」(上野さん)

 

開発課の人数は約20人。多くは男性ですが、女性も活躍しているそうです。
上野さんが手にしているのは、プラネタリギア(遊星歯車装置)と呼ばれる組み立て品。トランスミッションや減速機などに用いられています。

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歯車を用いた組み立て品の分野で欠かせないのが、軽量・小型化、低コスト化の追求です。
「例えばアクスルを軽量・小型化できれば、それを搭載する機械の軽量・小型化が図れるというだけではありません。軽量・小型化によって積載する個数が増えるなど、輸送コストも下げることができるのです」(上野さん)
軽量・小型化、低コスト化とともに追求しているのが、品質です。特に重要になるのが強度で、写真のようなシミュレーションソフトを使い、強度解析を行います。同社では独自の解析手法を確立し、品質の向上を図っているそうです。

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開発部 開発課で働く 上野高喜さんのおシゴト紹介

上野さんが担当しているのは減速機の開発・設計。
「私たちが設計しているものは、2~3年先にお客さまの製品の中に組み込まれて世に出ていきます。実際、仕様を詰めるところから製品になるまでも半年以上かかるんです」(上野さん)

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開発・設計と言っても、仕様を検討し、CADで設計図を描いて、シミュレーションして終わりというわけではありません。先述したように仕様を詰めるところから出荷するまでの一連の流れを担当していくため、仕事は多岐にわたります。例えば新製品を立ち上げる場合、その性能を評価するための試験内容の検討や結果の検証もその一つ。写真は、実験課のメンバーから、試作品の歯面損傷の状況について話し合っているところです。
「実際に試験を実施するのは、開発部のもう一つの部署である実験課です。例えば静音性や歯車寿命が、求められた要件を満たしていることを評価するには、どのような試験を実施すれば良いのか、また当社の実験設備では本来の馬力が出せないので、どのくらいの時間をかければそれと同条件になるのか、どんな治具(試験で使う道具)が必要になるのかなど、実験課のメンバーと擦り合わせを行います。そして実際の試験結果をフィードバックしてもらい、なぜ、そういう結果になったのか、お互いに知恵を出し合います。こうすることで、品質の高いモノづくりを実現しているんです」(上野さん)

 

上野さんは現在の部署に異動してきたのが半年前なので、まだお客さまのところに納品されたモノはないとのこと。
「この部署に来てまだこれを手がけたというものがないので、本当の意味で減速機の開発という仕事の面白さはわかっていないかもしれません。ただ、一つのことを知っていればできるという仕事ではないというところが面白さです」(上野さん)

 

例えば組み立て品の主要部品である歯車の一つを取っても、さまざまな知識が求められると上野さんは言います。こういう形状の歯車であれば、どのような材料が最適か、また歯車の強度を決める熱処理はどのような方法を用いれば良いのか。それらの知識があればあるほど、より良い製品が開発できるようになるのだそうです。
「いくらでも勉強することがあります。ニッチな技術ですが専門家も多い。技術を追求したい人にとっては、非常にやりがいのあるシゴトバだと思います」(上野さん)

 

前編では【大久保歯車工業 開発部 開発課】のシゴトバを紹介しました。

後編では上野さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなど、お話しいただきます。

次回へ続く

(後編 3月8日更新予定)

取材・文/中村仁美  撮影/平山 諭

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