理系のシゴトバ

Vol.185 <前編>【株式会社放電精密加工研究所】シゴトバ紹介

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航空機のエンジン部品を製造する「放電精密加工研究所」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社所在地】神奈川県厚木市
【国内事業所】飯山、厚木、座間(神奈川県)、成田(千葉県)、名古屋、小牧、春日井(愛知県)、岡山
【従業員数】489名(2017年2月現在、パート含む)
【事業内容】
1. 放電加工を主体とした金属製品の受託加工
2. 樹脂・アルミ・セラミックス・銅などの各種押出金型の製造
3. 耐熱・防食などの表面処理
4. サーボプレスおよび各種産業用機器の製造販売
などを通じて航空宇宙分野、自動車分野、エネルギー分野、住宅分野に製品を提供している。
-放電精密加工研究所のすごいトコロ-
創業者の二村昭二氏は1954年3月に誕生した国産初の放電加工機第1号の開発メンバー。創業以来放電加工のパイオニアとして、世の中の役に立つさまざまな技術をお客さまに提供。培った技術力を生かして、2014年には航空機エンジン部品の生産に参入。同部品の生産拠点である小牧事業所では「Nadcap」という民間航空機分野の特殊工程の認証制度を取得。航空機エンジンの後方部で高速に回転するブレード(羽根)の研削加工から最終検査に至るまでの一貫加工を行っている。

放電精密加工研究所の会社概要・沿革

放電加工とは、電気エネルギーで金属を加工する技術です。この技術は第二次世界大戦中にロシア(当時のソビエト連邦)のラザレンコ夫妻により発明され、戦後間もない頃に日本にもたらされ、研究が始まりました。そして1954年3月に国産初の放電加工機第1号が誕生。この開発に参加していた二村昭二氏は、放電加工という技術がこれからの金属加工に大きな変革を起こすと考え、1961年に放電精密加工研究所を創業しました。当初は放電加工の受託業務が中心でしたが、金型分野や耐熱・耐食コーティングの分野にも進出します。さらに2002年には世界初の直動式デジタルサーボプレス「ZEN Former」を発表。2014年からは航空機のエンジン部品の製造も手がけています。現在同社は「放電加工・表面処理」「金型」「機械装置等」の3つの領域で事業を展開しています。

 

同社の最大の強みは創業より培った高い技術力。2014年より参入した航空機エンジン部品の生産はその証明です。航空機エンジンの部品は、ほんのわずかな傷でも負荷に耐えられずに壊れてしまうため、実績や品質に信頼がなければできません。同部品を製造するMPソリューション中部事業部では、7種類の特殊工程を対象としたNadcap認証を取得し、高品質のエンジン部品の生産を実現しています。

 

MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループのシゴトバ紹介

今回は放電精密加工研究所 MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループのシゴトバを紹介します。
MPソリューション中部事業部のシゴトバは、愛知県内の名古屋、春日井、小牧の各事業所内にあります。今回訪れたのは小牧事業所のシゴトバ。小牧事業所は2014年9月1日に竣工した、同社で最も新しい事業所です。

 

小牧市は愛知県の北西部に位置し、中央自動車道や東名高速道路など複数の高速道路が交わる陸上交通の要衝。そして小牧エリアには航空関係の企業が多く集積していることから、航空機エンジン部品生産の拠点に選ばれました。
最寄り駅はJR中央本線の高蔵寺駅。そこから車で30分ぐらいかかるため、ほとんどの社員が車通勤をしているそうです。また名古屋事業所、春日井事業所ともに最寄り駅は高蔵寺駅。車であれば、各事業所を5~10分ぐらいで行き来ができます。

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MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループではどんな仕事をしているの?

MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループに所属する原田悠佑(写真手前)さんが案内してくれました。

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中部地区にある3つの事業所は、それぞれ作っているモノが異なります。今回、訪れた小牧事業所で生産しているのは、航空機エンジンの後方で高速に回転しているタービンのブレードとエンジンの圧縮機・燃焼器部品です。一方、名古屋事業所や春日井事業所では自動車用部品の精密金型などを生産しています。

 

MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループが担当する生産技術と言う仕事は、より効率的かつ品質の高いモノづくりをするための方策を考えることです。生産設備の立ち上げはもちろん、より効率的な加工工程を考えたり、生産ラインの改善・改良、現場のサポート、設備の保守・メンテナンス、設備や治具の設計、作業者の安全環境の整備をしたりなど、非常に幅広い仕事です。

 

同工場の作業服は白。また、壁も床も白色系でまとめられています。その理由は、航空機エンジン部品のような精密部品を生産する工場なので、汚れには徹底的に配慮をしなければならない工場だからとのこと。
「工場としては非常にキレイな環境の中で、ブレードの研削加工から放電加工仕上げ、表面処理、非破壊検査、電子ビーム溶接、マーキング最終検査に至る一貫加工を行っています」(原田さん)

 

MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループ 原田悠佑さんのおシゴト紹介

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原田さんが重点的に携わっているのは、低圧タービン・ブレードを一貫加工する重点管理設備の立ち上げ、および設備が止まらないようその完成度を高めていくことです。重点管理設備とは、製品を投入してから加工処理、運搬、搬出までをすべて自動制御で行うというもの。原田さんはその担当として運用や保守・保全、改善に携わっているのです。大型の設備であるため、製品の投入から搬出までにかかる時間は2時間。どこか1カ所でも動きが悪いと、設備が止まり、中の製品がダメになったり、前後の工程に製品が滞留したりと大きな影響を及ぼします。そのため、原田さんたちのデスクは、生産ラインのすぐそばにあります。万一、故障が発生しても、すぐに駆けつけ復旧できるようにしているのです。

 

設備は使えば使うほど、故障確率が高まります。どうすればその確率を下げることができるのか。デスクでは予防保全の方法を検討していることが多いですね。例えば、壊れやすい部品があればそれを省けないか検討したり、省けないのであれば代用品を探して提案書にまとめたり、その形状の設計をしたりしています。担当した直後は製品落下やケーブル断線、シリンダの動作不良など、さまざまなトラブルが発生しました。先輩や設備メーカーの方たちと相談して、一つひとつ解決していくことができました」(原田さん)

 

そのほかにも、問題発生時の様子を報告書に記したり、実際に製造を担当する皆さんが働きやすいように環境を整備したりという仕事があります。作業環境の改善では、作業担当者にヒアリングをするだけではなく、実際に原田さん自身が作業を行い、やりづらいところを確認して改善に取り組んでいくのだそうです。

 

生産技術という仕事の面白さは、自分の考えや意見を生産工程や製品に反映させることができるところだそうです。また経験が増えるにつれ、任される範囲も増えていきます。
「新規アイデアの改善や経験のない仕事も、やる気があれば挑戦させてもらえることがやりがいです」(原田さん)

 

産業用ロボットのティーチング(プログラム作成)、PLC(プログラマブルロジックコントローラ:プログラムで設備や機械の動きを制御する装置)を動かすラダープログラムの記述などは、2年前より任されるようになったのだそう。できることが増えるたびに成長が実感でき、勉強する意欲がわいてくると原田さんは言います。

 

写真は、進捗管理ボードを確認しているところ。毎日朝と昼にボードの前に各現場の担当者を集め、計画通りに生産が行われているか、問題はないかなどについてミーティングを行います。

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前編では【放電精密加工研究所 MPソリューション中部事業部 中部生産技術グループ】のシゴトバを原田悠佑さんに紹介してもらいました。
後編では、同グループ所属の水野和樹さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなど、お話しいただきます。

次回へ続く

(後編 8月16日更新予定)

取材・文/中村仁美 撮影/岡田和男

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