理系のシゴトバ

Vol.187 <前編>【日本鉄塔工業株式会社】シゴトバ紹介

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送電・通信鉄塔や橋梁、特殊鋼構造物を扱う「日本鉄塔工業」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社所在地】東京都江東区
【国内事業所】若松工場、若松鉄構センター、北九州営業所(いずれも福岡県北九州市)、仙台営業所(宮城県)、名古屋営業所(愛知県)、大阪営業所、広島営業所、福岡営業所
【従業員数】240名(2017年3月末時点)
【事業内容】送電・通信鉄塔、橋梁(きょうりょう)に加えて、東京スカイツリー(R)などの特殊鋼構造物も手掛ける、鋼構造物のリーディングカンパニー。設計、製作から溶融亜鉛めっき、メンテナンス、長寿命化、技術開発まで、一貫したサービスを提供している。
-日本鉄塔工業のすごいトコロ-
日本鉄塔工業は、送電・通信鉄塔、橋梁に加えて、東京スカイツリー(R)の部材などの特殊鋼構造物も手掛ける、鋼構造物のリーディングカンパニー。1922年(大正11年)に、溶融亜鉛めっき槽を備えた日本初の鉄塔メーカーとして創業し、戦後間もなく橋梁事業にも進出。鉄塔については、全国各地の送電鉄塔の設計・製造を手掛けているほか、海峡越え鉄塔など、高さ200メートル超の超大型鉄塔の設計・製作も得意としている。また、大型鉄塔の代名詞である中空鋼管鉄塔を世界で初めて開発したことから、中空鋼管鉄塔のパイオニアとしても知られている。

日本鉄塔工業の会社概要・沿革

私たちが日ごろ何げなく使っている電気。スイッチ1つで電気が使えるのは、発電所で作られた電気を変電所に送って電圧を下げ、さらにその電気を各家庭に送っているからです。このように電気を送ることを、送電と言います。この送電に欠かせないのが、電線を支える鉄塔です。
鉄塔は、送電用のほかにも、携帯電話などの通信用、防災無線用など、さまざまな用途の種類があります。1922年の創業時より100年近く、これらの鉄塔の設計・製作を手掛けてきたのが、日本鉄塔工業です。全国各地で鉄塔事業を展開する一方で、1963年には橋梁事業に進出しました。超大型橋梁の加工から仮組み、塗装、保管、出荷まで一貫作業体制をいち早く構築したことで、瀬戸大橋を始めとする日本を代表する長大橋梁プロジェクトへの参画に成功。50年超の歴史を誇り、鉄塔事業と並ぶ、同社を支える主力事業となっています。
さらに近年では、東京スカイツリー(R)の部材などの特殊鋼構造物の製作を積極的に手掛けているほか、2013年には太陽光発電用架台事業にも進出し、数多くの大規模太陽光発電所(メガソーラー)に同社製品が採用されています。

 

技術部のシゴトバ紹介

日本鉄塔工業 技術部のシゴトバを紹介します。
技術部は、主に鉄塔の設計を担当する部署で、シゴトバは、東京都江東区の本社と福岡県北九州市の若松工場の2カ所にあります。両者は担当する主な地域が違います。本社の技術部が担当するのは東日本のお客さまで、若松工場が担当するのは西日本のお客さまです。

 

今回は本社にある技術部を訪問しました。本社の最寄り駅は東京メトロ東西線の東陽町駅。駅から7分ほど歩いたら、本社ビルに着きます。すぐ近くには、江東運転免許試験場があります。

 

技術部ではどんな仕事をしているの?

技術部部長の石田伸幸さんと、技術部 技術グループに所属している姉川徹矢さんが案内してくれました(写真は姉川さんが自社開発プログラムで地震解析をしているところ)。

 

「技術部では、主に送電・通信用の鉄塔の設計や解析を担当しています」(石田さん)
鉄塔の設計は、まずお客さまからうかがってきた荷重や形状の条件を満たすよう、部材やボルトの形状を決めることから始まります。この結果をスケルトン図と呼ばれる骨組み図に落とし込んだうえで、必要なデータを製造部へ回します。この工程を設計と呼び、技術部が担当しています。また、送電用や通信用といった、インフラにかかわる鉄塔のうち、特に重要な鉄塔や高さのある大型の鉄塔については、地震や強風の影響をシミュレーションする必要があります。このための解析や評価も、技術部が担当しています。こうした技術部の作業の後、製造部にて、部材、プレート、ボルトなどを3次元で再現して図面化、製作データ化します。そして、このデータに基づいて工場にて鋼材を加工して製品化し、お客さまへと出荷します。
「技術部の仕事は、鉄塔設計・製作の一連の流れの中で最も上流の工程です。万が一、やり直しが必要な設計、非効率な構造の設計などをしてしまった場合には、後工程の期間やコストに大きく影響してしまいます。このため、十分なチェックを行い、効果的な構造であることをしっかりと確認しながら、設計を行うことを、常に心がけています」(石田さん)

 

技術部 姉川徹矢さんのおシゴト紹介

 

姉川さんが携わっているのは、新規鉄塔の設計および既設鉄塔の強度検討です。
「最近、私が新規設計で担当しているのは、風力発電機を搭載する鉄塔です。この鉄塔のモデリングから解析、強度検討まで行っています。また、既設鉄塔の検討では、重要な送電鉄塔の耐震評価を行っています。ほかにも、設計作業の効率化のためのプログラム開発も担当しています」(姉川さん)

 

近年、高度成長期に作られた社会インフラの高経年化対策が社会的課題となっています。基幹インフラの一つである鉄塔も同様で、国内の鉄塔の多くが30~50年前に建てられたもの。このため、耐風性、耐震性などに問題がないかを精緻に解析して評価し、問題があれば部材を取り替えたり、支柱を補強したりするなど、技術部の出番が非常に多くなってきています。

 

近々に予定されている送電用鉄塔設計基準の大幅改定に伴う仕事量増加も見込まれる中で、技術部の担う作業量が膨大になることから、作業効率化のためのプログラム製作が喫緊(きっきん)の課題となっています。
「ある業務で新しい設計手法を採用することとなり、大量の鉄塔型の応力計算をする必要がありました。その処理を効率化するため、作業内容を抜本的に見直し、従来は手入力していた箇所について、マクロ(プログラムの複数の命令を実行する順番を定義すること)を組むことで自動化を図りました。実は、技術部に所属しているメンバーの多くは、学生時代に建築、土木などを学んでいた者で、プログラム開発を学んでいた人材は少数です。こうした中で、私は、趣味もあってプログラミングのスキルを有していたため、この仕事を任されることとなりました。自分にしかできない仕事に携われることで、とても大きなやりがいを感じています」(姉川さん)

 

鉄塔の設計は1カ月で終わるものもあれば、2~3年かかるものまで、さまざまです。小規模な鉄塔の設計では主担当一人で完結する仕事もある一方で、数十基に及ぶ大規模幹線の鉄塔では、設計する量が多いため数人がかりで取り組むこととなるそうです。
「現在はパソコンで設計や解析作業をしたり、資料を作ったりするなど、デスクワークが中心です。このため出張する機会は工場にいた時よりは少ないです。その分、現場を知る機会を多く作るため、出来るだけ営業に同行してお客さまのところに出掛け、自ら要件をうかがうことを、意識的に心がけています」(姉川さん)

 

姉川さんも入社1年目は若松工場の技術部に所属していました。工場がすぐ近くにあるため、製造現場に行くことも多々あったそうです。このほかにも、実際に鉄塔が建設されている現場に調査に行ったり、お客さまが求めている性能を満たしているか、実証実験をするため実験設備のある大学に出向いたりすることもあり、若松工場の技術部は出張も多いそうです。

 

鉄塔を設計する面白さについて、「新設の場合は、お客さまの要件を満たすよう自分で一から部材やボルトを設計します。この過程で、何度も何度も試行錯誤を繰り返します。そうやって苦労して描いた図面が実際のモノになる。この瞬間は、技術者として言葉では言い表せないほどの大きな達成感があります」と姉川さんは話します。

 

前編では【日本鉄塔工業 技術部】のシゴトバを技術部長の石田伸幸さんと同部所属の姉川徹矢さんに紹介してもらいました。
後編では姉川さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなど、お話しいただきます。

次回へ続く

(後編 9月27日更新予定)

取材・文/中村仁美 撮影/臼田尚史

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