理系のシゴトバ

Vol.197 <前編>【日本ガイシ株式会社】シゴトバ紹介

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セラミックスやベリリウム銅製品で、最先端技術を支える「日本ガイシ」のシゴトバ紹介

-基本情報-
【本社所在地】名古屋市瑞穂区
【国内事業所】東京本部、大阪支社 営業所/札幌市、仙台市、富山県富山市、広島市、香川県高松市、福岡市 工場・研究所/名古屋市、愛知県半田市、愛知県小牧市、石川県能美市 海外/アメリカ、メキシコ、フランス、ベルギー、ポーランド、タイ、オーストラリア、中国、南アフリカなど
【従業員数】単独3937名(2017年3月現在)、臨時516名(2016年度平均)。連結1万7517名(2017年3月現在)、臨時3451名(2016年度平均)
【事業内容】碍子(ガイシ)などの電力関連機器、自動車・エレクトロニクス部品などの各種産業用セラミック製品、ベリリウム銅など特殊金属製品の製造販売およびプラントエンジニアリング事業
-日本ガイシのすごいトコロ-
日本ガイシの社名にもなっている「ガイシ」といえば、電力の安定供給に欠かせない部品。さらにセラミックスの特性を利用した排ガス浄化用セラミックス「ハニセラム」やPM除去フィルター、半導体製造装置用セラミック部品なども製造している。
一方で、希少金属ベリリウムを添加した「ベリリウム銅」の量産化にも成功。今や自動車や産業機器、航空機、スマートフォンなどに欠かせないベリリウム銅だが、製造するのは日本ガイシをはじめ、世界で数社だけ。そのほか、グローバルスタンダード製品も数多く保有している。また、売上高の約60パーセントを大気や水の浄化や再生可能エネルギーの安定化に貢献する製品が占め、環境貢献メーカーとしても注目されている。
2014年度から、2017年度に売上高に占める新製品比率を30パーセントまで上げる「2017 Challenge 30」を掲げ、達成見込み。今後も継続的に新製品の創出に取り組んでいく。

日本ガイシの会社概要・沿革

明治中期、日本にもようやく電気が普及し始めました。しかし日本の技術力はまだ低く、電線と鉄塔をつなぐのに欠かせない、高電圧に耐える「ガイシ」はすべて輸入に頼っていました。日本のためにもガイシを国産化しなくては。そんな使命が発端となり、1919年日本ガイシが設立されました。
その後、ガイシ製造で培ったセラミック技術をベースに、さまざまな事業分野に挑戦した日本ガイシ。これまでに世界トップクラスのシェアを誇る製品を多数創出しています。
現在、海外売り上げ比率は約7割。世界中に製造・販売拠点があり、文系の1/3、理系の1/5の総合職の社員が海外駐在を経験するなど、多くの社員がグローバルな舞台で活躍しています。

 

エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部のシゴトバ紹介

今回は日本ガイシ エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部のシゴトバを紹介します。エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部のシゴトバの本部は愛知県の知多事業所。そこで研究開発や、製品の製造が行なわれています。
作った製品を売る「営業」のヘッドオフィスがあるのは東京・丸の内、東京駅正面にある丸の内ビルディングの25階。窓の下には皇居の外苑が広がる絶好のロケーションです。

 

エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部のシゴトバではどんな仕事をしているの?

エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部 サブマネージャーの小河伸行さんに案内していただきました。

 

「東京本部は、営業の主力拠点です。日本ガイシ全体のさまざまな製品を扱う中、私が担当するのは知多事業所で製造しているベリリウム銅を使った金属製品。私も含め、国内・海外合わせて約20名が担当しています」(小河さん)

 

そもそもベリリウム銅とは、銅にベリリウムを添加した特殊な銅合金のこと。ベリリウムは超軽量で高強度、熱にも強い金属元素ですが、これをほんの数パーセント、銅に混ぜるだけで、銅本来の導電性や熱伝導性に優れる性質に加え、特殊鋼にも匹敵する強度とバネ性、耐疲労性・耐熱性が生まれます。

 

「日本ガイシが日本で初めてベリリウム銅の工業化に成功したのは1958年。 ベリリウム銅は、ほかの銅合金に比べて高い強度と優れた導電性を兼ね備えているので、家電やスマートフォンはもちろん、自動車や産業機器、航空機から海底ケーブルまで、さまざまな製品の信用性が必要となるところに使われています」(小河さん)。
さらに近い将来、電気自動車や家庭内ロボットが普及することで、さらなる需要の拡大が見込まれているそうです。

 

エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部 小河伸行さんのおシゴト紹介


▲営業部の担当者と、商材を見ながらミーティングする小河さん。

 

東京本部の営業部の一角にデスクがある小河さんですが、所属は開発部。同部の本体は愛知県の知多事業所にあり、小河さんも2010~2012年の3年間、そこでベリリウム銅の材料開発に携わっていました。いわばベリリウム銅を知り尽くした専門家です。

 

今の小河さんの仕事は、営業部の担当者と共にお客さまの元に出向き営業をする、開発部所属のセールスエンジニア。文系出身の営業担当者では答えきれない専門的・技術的な質問や課題に対応しつつ、お客さまと工場をつなぐ役割です。
「BtoBのビジネスなので、営業で出かけるのは主にメーカーの研究所や工場。いわゆるティア1(完成品メーカーに部品を供給する企業)とかティア2(ティア1メーカーに部品を供給する企業)と呼ばれているところです。例えば自動車や工業製品の部品を作っている工場や研究所で、責任者の方にお会いして、ベリリウム銅を採用するとどんなメリットがあるかを説明します。もちろんそれだけで採用になることはなく、次にベリリウム銅を使って製品を試作してもらい、その結果に満足していただけて初めて採用となります」(小河さん)

 

試作してみたら、想定外の問題が起こることもあります。原因は素材そのものなのか、それとも製造工程にあるのか。お客さまとディスカッションしながらトライ&エラーを繰り返し、課題を一つひとつ解決していきます。時には「うちの工場でこういう実験をしてみましょう」と提案することもあるそうです。最終的に、お客さまにとって満足できる製品として使えるようになるまで、協働して製品開発を進めます。
「お客さまから『この性質をもっと引き出せないか』とか『この規格で作ってもらえないか』という要望を頂くこともあります。そんなときは、お客さまの製造スケジュールも考えながら、工場にこうしてほしい、こんな物を作れないかと依頼する。そういう調整は、私のような現場を知っているセールスエンジニアでないと難しいですね」(小河さん)
逆に、市場全体を見渡す営業的な視点から、製造に当たる現場の人たちに、今のニーズや市場動向といった最新の情報を提供したり、今後の展開や新しい製品について提案したりすることも心がけているそうです。

 

とはいえ、素材と向き合う研究者から、一転してスーツ姿で営業に回る部署への異動に戸惑いはなかったのでしょうか?
「材料開発の仕事を始めた時から、最終的には、自分が開発した材料を売ることまで経験したいと思っていました。研究者として成長したいのはもちろんですが、現場と市場の両方を知ることで、より的確な判断をスピーディーに下せるようになると思ったからです。だから東京本部への異動も自分から願い出ました。この先、また知多事業所に戻る可能性もありますが、できればその前に、今のベリリウム銅市場の主戦場である中国で、一度は仕事してみたいですね」(小河さん)


▲展示会で、訪れる人にベリリウム銅をアピールする小河さん(左端)。

 

前編では【日本ガイシ エレクトロニクス事業本部 金属事業部 開発部】のシゴトバを紹介しました。
後編では小河さんに入社の決め手やシゴトバの魅力、これから就活を迎える学生さんへのアドバイスなどをお話しいただきます。

次回へ続く

(後編 12月20日更新予定)

取材・文/小野千賀子 撮影/刑部友康

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