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WOMAN'S CAREER

Vol.199 株式会社光文社

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はしろ・あさこ●月刊クラッシィ編集部 デスク。36歳。東京都出身。早稲田大学第一文学部人文科卒業。2003年入社。現在、夫と息子(1歳)との3人暮らし。

できなかった仕事は翌朝やる。時短勤務の業務改善で効率も上がっていった

ファッション・ライフスタイル誌『CLASSY.』のデスクとして、アラサー女性向けの誌面作りを担当する羽城麻子さん。「光文社内でも、最も多忙な編集部」と言われる『CLASSY.』編集部に来たのは、産休育休から復帰した直後の2016年6月だった。

 

物心ついた時から本が好きだった羽城さんにとって、「出版社で働くこと」は長く描いてきた夢だった。新卒で光文社に入社すると、配属されたのは、メンズファッション誌『Gainer(ゲイナー)』編集部。編集者としての知識やスキルはやりながら覚えるべく、配属当初は、「読者スナップ」ページを任されることに。月に20~30人の男性ビジネスパーソンの撮影を、人選、アポイント設定、撮影ディレクション、誌面作りまですべて一人で手がけた。
「社会人になったばかりなのに、年上のカメラマンやライターに指示を出して誌面を完成させないといけない。どう撮るべきかわからないことだらけで、現場が学びの場でした。ファッション誌には、例えばスーツなら『シルエットをきちんと見せたいから背景はすっきりさせる』『タイドアップ(※)するならネクタイのノット(結び目)は美しく見えるように』など、撮影テーマごとにさまざまなポイントがありますが、自分なりの判断基準を持つには、回数を重ねるしかありません。撮り終えた写真を先輩にダメ出しされ、再撮(撮り直し)を経験しながら、数カ月後にはファッションページも任されるようになりました」

 

(※)ネクタイを締めているスタイルのこと。

 

配属当初、編集スキルはもちろん、スーツや時計、車、靴など、男性ファッションに関する知識もほとんどなかった。男性ファッション誌を読み込んでブランドについて調べるほか、撮影に協力してくれたビジネスパーソンに普段のファッションやライフスタイルなどをヒアリングするなど、少しずつ理解を深めていった。

「光文社では、編集者一人ひとりが読者と会って、生の情報を聞く『読者調査』を大切にしています。読者の時間をもらってヒアリングしているのに、読者が口にしたブランドについてわからなければ失礼にあたることも。そこで、誌面で扱うブランドの簡単な歴史はすべて頭に入れるように、あらゆる情報源に触れて勉強しました。30歳前後の読者層の話をもっと聞きたい、という思いから、合コンを頻繁に開催したことも。その甲斐(かい)あってか、1年目の秋には、私が提案した企画が巻頭特集になりました。新人でもどんどん仕事を任せてくれる環境に感謝しながら、仕事の面白さにどんどんはまっていきましたね」

 

入社9年目にはデスクに、11年目には表紙担当となり、雑誌の“顔”を任されるなど、仕事の幅はどんどん広がっていった。誌面全体の半分近くを担当したこともあり、連日深夜まで編集部に缶詰めになりながら、納得のいく誌面ができた時や、読者アンケートで高評価を得た時の達成感がエネルギー源となっていた。

「デスク時代は、より多くのページを任され、さらに連載記事をまとめたムック本を出版するなど、多忙を極めていました。働き方が大きく変わったのは、13年目の長男を出産してから。編集の仕事を続けるために、同業他社に勤務する夫と双方の会社から近い場所に引っ越し、4カ月間の産休育休を取得後、時短勤務で『Gainer』編集部に復帰しました」

 

ワーキングマザーの編集者はいなかったが、「入社以来ずっと所属している『Gainer』編集部なら受け入れてくれるだろう」という気持ちで復帰したところ、その2カ月後に雑誌の休刊が決定。まったく未知の世界である、女性ファッション誌『CLASSY.』へ異動することになった。

「部内唯一の時短勤務でありながら、編集部のメンバーや外部スタッフと、いちから関係を作らなければいけない。異動後はその不安が大きかったですが、やるべきことをちゃんとやるしか信頼関係を築くすべはない、と振り切れてから、ラクになりました。仕事の合間に“なんとなくネットサーフィンする”といったゆとり時間をすべてカットし、1日でやるべきことの優先順位をつけることで、『できなかった分は明日やろう』と潔くあきらめることができます。大事なのは、自分はこの仕事もあの仕事もできるんじゃないかと期待しないこと。ここまでやったら1日を終わりにしようという、仕事ありきの働き方ではなく、時間のリミットありきで考えると、業務効率がぐっと上がることに気づきました」

 

光文社は、子どもが3歳になるまでの時短勤務であれば、減額されることなくフルタイム勤務と同額の給与が支払われる。そういった会社の制度が、「いかに業務効率を上げて働けるか」というモチベーションを支えているという。

「『CLASSY.』では、実売部数を上げることで企業タイアップ記事を増やすほか、自社ECサイト、Webサイト、インスタグラムをはじめとしたSNSなどの展開も積極的に手がけ、雑誌というオールドメディアの活性化を図っています。その根本を支えているのは、光文社が大切にしてきた読者目線。今でも、週1回、読者とのランチミーティングを設定し、読者調査レポートを提出しています。読者が求める情報に寄り添い、地に足のついたファッションやライフスタイルを提案することが、雑誌の実売につながっているのだと思います。時短勤務を続けながら質の高い誌面を作るために、密度の濃い働き方を、これからも模索し続けたいですね」

 

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掲載する候補写真(紙に出力したもの)を並べセレクト、レイアウトを考える。

 

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外部ライターと、次回号の誌面について打ち合わせ。

 

羽城さんのキャリアステップ

STEP1  入社1年目、メンズファッション誌『Gainer』編集部に配属される

入社前の3月に新入社員研修を終え、4月1日から配属が決まった。「一匹おおかみの集まり」のような編集部で、配属早々任されたのが読者スナップページ。男性のビジネスパーソンの場合、道端でキャッチして誌面に登場してもらうハードルが高いため、知り合いやライターのつてで何とかモデルを集めていた。「先輩編集者から『もっと柔らかい光で撮ってきて』『ここは硬い光で』『どうして、この服をこの場所で撮ったの?』など厳しく言われるのですが、経験がないので、光の加減もわからない。拙い言葉でカメラマンに指示を出すと、先回りして理解してくれるなど、スタッフに教わりながら編集のノウハウを学んでいきました」。

STEP2  入社9年目、同編集部のデスク担当になる

『Gainer』でメンズファッション、グルメ、インテリア、ライフスタイルなど幅広い企画を担当したのち、9年目にデスクに昇進。同時期に、担当していた連載記事をまとめたムック本『大人のマナー集中講座』も制作した。「デスクとして、企業タイアップ記事など責任のある大きな誌面も任されるようになり、企業と読者の双方が求める情報を考えながら企画を立てる難しさを経験しました。ムック本制作は、雑誌とは違い、本の売り上げの全責任が自分にあるというプレッシャーが大きかったですね。120ページ近くある書籍編集の大変さを痛感しつつも、完成した本を手に取った時の達成感を味わうことができました」。

STEP3  入社11年目、同編集部の表紙担当を任される

表紙担当を任された当時、30~40代の経営者が表紙を飾っていたため、モデル撮影とは異なるブッキングや事前取材、撮影準備などに奔走した。「多忙な経営者の皆さんに、撮影のために数時間確保してもらうことが難しく、撮影に慣れていない中、短い時間内で撮影を終えられるのだろうかといつもハラハラしていました。でも、こちらが焦ってぴりぴりすると、現場の雰囲気はますます悪くなります。穏やかに余裕を持って接することで、撮影がスムーズに進むことも多く、編集者が作る空気の大切さを実感しました」。

STEP4  入社14年目、4カ月の産休育休を経て職場復帰

4月に『Gainer』編集部に復帰すると、同年6月には休刊が決定。入社以来一貫して『Gainer』に携わってきたため、寂しい気持ちと新しい媒体への不安感を抱きながら『CLASSY.』編集部に異動。同じ会社とはいえ「編集部が変われば、転職と同じくらい環境が変わる」と言われるほど、編集部のルールが異なり、戸惑うことも多かった。「プランの出し方や誌面チェックなどが“『CLASSY.』のやり方”として確立されているので、まずはそのキャッチアップに苦労しました」。ただ、産休育休で仕事から離れたことで、羽城さんはあらためて編集の仕事への愛情を感じたという。「産後、久しぶりの外出で書店に行き、本や雑誌を手にしたら、『やっぱり誌面を作っていたい』と湧き上がってくる思いがありました。ずっと編集業ができている自分は幸せだなと思っています」。

ある一日のスケジュール

7:30 起床。家族の朝食準備、洗濯。
9:30 夫が息子を保育園に送る。その間に家事をしてから家を出る。
10:30 出社。メールチェックや書類整理。
12:00 読者調査のため、『CLASSY.』読者とランチをしながら、ライフスタイルについて話を聞く。
13:00 ファッションブランドの展示会に行く。
15:00 帰社後、誌面の入稿作業。
18:00 退社し、保育園に迎えに行く(羽城さんは週3回担当。残りの1回は夫が担当し、1回は実母が20:30まで見ていてくれる。忙しいときは延長保育することも)。
19:15 子どもにご飯を食べさせ、入浴。
21:30 寝かしつけ。
22:30 自分の夕食。メールチェックや保育園の準備。
25:00 就寝。

羽城さんのプライベート

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社会人になってからできた友人たちは、定期的に遊びに行く貴重な存在。これは自分の誕生日の記念にスタジオで撮ってもらった1枚(中央列の右側が羽城さん)。

 

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2016年のゴールデンウイークに家族とグアムへ。息子ができて生活は一変!

 

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2014年夏に、友人と浴衣でお出かけ(真ん中が羽城さん)。家族以外の友達と過ごす時間も大切にしたい。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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