WOMAN'S CAREER

Vol.204 <後編> 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

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今回の取材先 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
リクルートマーケティングパートナーズが目指すのは「ひとりひとりのライフイベントの積み重ねに寄り添い、人生の“しあわせの総量”が増えている世界」。結婚・進学・教育・自動車などの領域でさまざまなサービスを展開している。
さいしょうじ・あや●まなび事業本部 オンラインラーニング事業推進室 事業開発部 コンテンツグループ グループマネジャー。神奈川県出身。35歳。東京工業大学 大学院総合理工学研究科 化学環境学科修了。2006年入社。現在、夫と4歳の娘と3人暮らし。

月額980円で1万本以上の授業動画を配信するオンラインサービス『スタディサプリ』のコンテンツ開発責任者を担う最勝寺さん。このサービスに最初に携わったきっかけに、仕事観が大きく変わる契機となった結婚があるそう。後編では、仕事と結婚、子育てとの両立について話を聞きます。

「辞めてもいい」のひと言が、「働くこと」を考え直すきっかけになった

-『スタディサプリ』の前身『受験サプリ』の立ち上げからプロモーションを手がけることになったきっかけを教えてください。

『受験サプリ』の構想を聞いたのは、当社社長の山口と飲みに行った2010年冬のことでした。「オンラインで見放題の授業配信サービスを作りたい。来年(2011年)1月の社内の新規事業提案コンテストで採用されれば、4月から事業部を立ち上げる」という話を聞き、私もぜひその一員になりたいと手を挙げました。

 

一番大きなきっかけは、入社6年目での結婚と、夫から言われたある言葉にありました。それは、「仕事を続けても辞めても、好きなようにしたらいいよ」という何げないひと言。私は共働きの両親を見て育ったので、「仕事はどんなに大変でもやらなければいけないもの」だと思っていました。それが「仕事を辞める」という選択肢があると知ったとたん、自分にとって仕事とは何だったのか、よくわからなくなってしまったのです。

 

働くとはどういうことか、就職活動をもう一度やり直すような気持ちで考えた時「自分の意思で仕事を続けるのなら、次の世代に何か残せるような、未来を創っていくものに携わろう」と心が決まりました。山口と飲みに行ったのは、たまたま大学時代からの知人だった彼に、キャリアの相談をしようと考えたから。『受験サプリ』の内容は、まさに次の世代に残せる、そして未来を創っていけるサービスだと感じましたね。

 

-新規事業のプロモーション、集客を手がけ、大変だったことは何でしたか?

実は、『受験サプリ』に立ち上げをやりたいと異動し「さあこれから」という時期に、妊娠がわかったんです。それが2011年6月だったので『受験サプリ』のローンチとともに、娘もおなかの中で育っていったという感じでした(笑)。翌年1月には無料会員数18万人突破を目指そうとみんなで走り抜き、達成と同時に、9カ月間の産休・育休に入りました。その時は、「子育てをしてみて、素直に感じるものを大事にしよう」と、復帰時期は決めていませんでした。子育てに集中したいと思ったら会社を辞めてもいいとも思っていたんです。

 

ただ、仕事から離れて半年すると「働きたい」という気持ちが自然と強くなっていきました。「妻」「嫁」「娘のママ」というそれぞれの役割を強く感じ生活していましたが、「最勝寺綾という私自身」でいられる時間や場所はどこにあるだろうと考えることが多くなったんです。それはやはり仕事をしている時の自分だ、と思えたのが復帰を決めた理由でした。ただ、『受験サプリ』のマーケティンググループに復帰したとき、また働けるというワクワク感の一方、「ワーキングマザーとなってもこれまでと変わらず本当にやれるのか?」という不安の方が大きくありました。

 

リモートワークの全社導入で「ワーキングマザー」を意識しなくなった

-復帰後、働き方はどう変わりましたか?

最も大きな変化は、以前は自分のためにいくらでも使えた時間が、全然なくなったこと。それまでは、苦手なことでもたくさん行動して経験を重ねることでなんとかアウトプットをしてきました。でも「量が担保できなければできることは限られる」と、最初は不安が大きかったです。

 

それが変わったのは、「自分だけでは仕事ができない」という現実を認められるようになってから。入社9年目にグループマネジャーとなり「私の仕事は、メンバーのアウトプットを最大化するために働く環境を整えること」と振り切れてから、同僚やメンバーにもどんどん仕事をお願いできるようになりました。

 

「働き方」の考えが変わるきっかけになったものはありますか?

入社10年目の2015年に全社的に導入されたリモートワークですね。自社オフィス以外での勤務が可能になり、気持ち的に、とてもラクになりました。今は、私のメンバーのほとんどが週1日、サテライトオフィス勤務や在宅勤務などのリモートワークをしていて、「午前中は会議がないので在宅でやります」などとメンバーも自由に使っています。周りにそんな働き方が増え、「ワーキングマザーだから早く帰る」のではなく、「ひとつの働き方を選んでいる」と思えるようになったのは大きいです。常に対面で話さなくなった分、チャットなどのコミュニケーションツールを活用するようになり、むしろこまめな情報共有ができていると思います。

 

「スタディサプリで人生が変わった」というカスタマーの存在が励みに

-グループマネジャーとしての現在の仕事内容を教えてください。

『スタディサプリ』は、すでに1万本・5000時間の授業を配信しており、今後もどんどん展開していきます。現在10人いるメンバーが、そのコンテンツを企画し、制作会社や講師の先生たちと制作を進めているので、私はその企画立案サポートや進捗管理をしています。

 

-今の事業に携わってよかった、と思うのはどんなときですか?

『スタディサプリ』を一緒に作る制作会社さんや先生方と、同じ方向を向いているなと思える瞬間です。先生から「もっとこんなコンテンツをやったらいいのでは? 一緒に作りましょう!」と提案されることも多く、そういった声を頂くたびに、もっといい授業を届けたいという思いに胸が熱くなります。

 

また、年度末には、『スタディサプリ』で勉強した全国の生徒たち数百名と先生たちを招待する「合格祝賀会」を開催します。一生懸命勉強し結果をつかんだ子たちが憧れの先生に会えて喜ぶ姿には本当に感動しますし、『スタディサプリ』にかかわるメンバーは皆、この瞬間のために頑張っています。保護者から頂いた、「スタディサプリが、引き込もりだった息子の人生を変えました」という手紙も、大切に保管しています。

 

-今後、手がけたいことは何ですか?

教育のあり方は、どんどん変化しています。2020年には大学入試制度が大きく変わり「学び」とは何かの価値観も変わってくるのではないかと思います。『スタディサプリ』をもっと進化させ、受験だけがゴールになるのではなく、「生きていくために必要な力」を誰でも身につけられる社会を作っていきたいと思います。

プライベート写真

2015年12月、高校からの友人たちと自宅でクリスマスパーティー(中央が最勝寺さん)。

 

ある一日のスケジュール

後編_タイムスケジュール0601

朝型になったのは、職場復帰してから。それまでは完全に夜型だったが、自分の時間を作るには、娘が起きる6時半以前しかないと、生活スタイルを一変させた。朝に仕事をするときは「リモートワーク」として勤務時間申請をしている。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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