WOMAN'S CAREER

Vol.212 <後編>TOTO株式会社

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今回の取材先 TOTO株式会社
トイレ、バス、キッチンなど水回りを中心に、豊かで快適な生活文化を創造してきたTOTO。温水洗浄便座「ウォシュレット®」の開発など、さまざまなイノベーションを起こしてきたものづくり企業。
さくらい・まり●特販本部 特販第二部 特販第三課。愛知県出身。30歳。日本女子大学人間社会学部心理学科卒業。2009年入社。現在、夫と2歳の娘と3人暮らし。

大手設備業者(サブコン)を担当し、オフィスや病院、マンションなどへトイレを中心としたTOTOの水回り器具を提案している櫻井さん。結婚、出産を経て変わった仕事観や、見えてきた課題への取り組みなどをうかがいました。

代理の営業担当によるサポートに救われた

-結婚、出産を経て、職場復帰するに当たり、不安はありましたか?

入社5年目で結婚、6年目で出産し、産休・育休で1年半職場を離れました。営業職として時短勤務復帰する社員は当時ほとんどいなかったので、「お客さまが必要とするタイミングで対応できなくなるのでは」という不安が一番大きかったですね。でも、上司の配慮で、同部署内に私と同じお客さまを担当する代理の営業担当が就くことに。その代理担当の同僚社員と2人体勢でお客さま対応ができるようになり、「対応が遅れたら迷惑をかけてしまう」という後ろめたさが解消されました。そのサポート体制はとても心強かったです。

 

-復帰後に、働き方の変化はありましたか?

時間の制約ができたことで、(出産前より)判断力や行動力がつきました。メール1通送る際も、以前は「誤字・脱字がないか」「文章としておかしいところはないか」など丁寧に読み直して送っていたのですが、時短勤務でそれをやっているとほかの仕事が前に進みません。「伝えたい要件が伝わればいい」と、細かいところに目をつぶれるようになり、業務スピードはかなり上がったと思います。わからないことがあれば、すぐに聞きに行くなどその場で解決するようにして、翌日に仕事を持ち越すことも減りましたね。翌日になれば「娘が体調を崩して会社に来られない」という可能性が常にあるので、「明日確認します」「明日伝えます」など、なんとなく先延ばしにすることがなくなりました。

 

より働きやすい会社になるようにと「懸賞論文制度」に参加

-ワーキングマザーとして、当事者になったからこそ取り組んだことはありますか?

営業職で復帰している人はまだまだ少ないので、今後、後に続く社員がより働きやすくなるように、環境を整えられればと思っています。そのための取り組みとして、復帰半年後に、同期と2人で社内の「懸賞論文制度」に応募し、「40歳 2児のママでも管理職になるためには?」をテーマに論文を作成しました。「懸賞論文制度」というのは、年に1回開催される社内制度で、何らかのテーマに対する問題点や改善点を、社長以下経営陣に直接提言できるというものです。論文テーマの発案は、私と同じタイミングで妊娠、出産した同期から持ちかけられました。1年半の産休・育休を取得した私に対し、彼女は半年で営業職として復帰しました。しかし、時短勤務を取っていた復帰後の1年間、子育てとの両立への懸念と周囲の配慮が重なり合い、担当顧客を持つことができなかったそうです。「営業としてのキャリアが長いのに、担当を持てないのは会社にとっても大きなロスではないか」と疑問に感じるようになり、今後の女性登用に関する社内の問題点をまとめようと、論文作成に取り組み始めました。

 

-論文のためにどのような行動をして、どんな成果がありましたか?

まずは社内のワーキングマザー一人ひとりに話を聞き、当社での働きやすさ・働きにくさ、両立のために工夫していることなどをヒアリングしていきました。そこで出た先輩ママたちの意見やアドバイスをまとめ、具体的にどのような制度や環境が整えば、長く働ける会社となるのか、改善案を作成しました。例えば、その案の一つに、「異動の辞令を10月に出してほしい」という内容を入れました。当社の総合職は全国転勤の可能性がありますが、子どもができると、保育園など預け先を確保できるかが非常に重要な問題となります。今まで異動の辞令は2月に出ていたのですが、それでは保育園への申し込みはすでに締め切られていて、転勤後にすぐ働き始めることができません。そこで、10月に辞令のタイミングを変え、預け先の確保ができるようにと提言しました。ほかにも、転勤に伴い両親の帯同をサポートする「両親の引っ越し代や住宅補助手当」の提案や、子育てとの両立の難しさを多くの社員に知ってもらうために、「時短勤務後にママ社員に同行する」という施策も盛り込みました。論文は入賞となり、社長から「提案内容を実現できるようにしっかり取り組んでいく」という言葉も直接頂きました。
論文作成の過程で、先輩ママたちに意見を聞いた際は「社内でワーキングマザー同士が意見交換できる場があれば心強いだろうな」と感じることが多くありました。実際に、産休・育休に入る社員も増えているので、そういったコミュニケーションの場づくりもできればと思っています。

 

-今後、手がけたいことは何ですか?

サブコンさまの担当営業としてキャリアを重ねてきたので、その経験を生かし、お施主さまや設計事務所さま、ゼネコンさまの担当営業にチャレンジしたいと思っています。建築業界において、衛生工事に一番詳しいサブコンさまと長く関係を築いてきたからこそ、ゼネコンさまや設計事務所さまなどとの工程においても「こういうコミュニケーションができたら、案件はもっとスムーズに進むのではないか」と思うことがあります。さまざまなメーカーがある中で、当社を選んでいただくにはどうすればいいかを考え、その結果として受注に至ったときの達成感がとても好きなので、営業として、新しい領域から見える景色も味わってみたいですね。

 

2016年10月、保育園のハロウィーンイベントにて。お友達と仮装パーティーを楽しみました。

 

ある一日のスケジュール

後_スケジュール03大学生の時、両親が東京に引っ越したこともあり、現在も実家の近くに住んでいる。保育園のお迎えをお願いしたり、娘が熱を出したときに見てもらったりと、助けられることが多い。子育てと仕事の両立において、親の存在の大きさを痛感している。夫は社内同期で同職種。仕事で一緒になることも多く仕事への理解も深い。

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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