WOMAN'S CAREER

Vol.213 <前編>株式会社AOKI

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今回の取材先 株式会社AOKI
AOKI・ORIHICA(オリヒカ)というメインブランドを掲げ、メンズ&レディーススーツを中心に、フォーマル、カジュアルまで幅広い商品を展開。「誰もが日替わりでスーツを着られるようにしたい」という創業時の思いを継承し、お客さまへファッションのトータルコーディネートを提案している。
すがま・のぶこ●営業本部 レディースエリアマネージャー。東京都出身。38歳。経済学部経済学科卒業。2002年入社。写真は、担当店舗・銀座本店のレディース商品フロアで接客をしている様子。

レディース商品に特化したエリアマネージャーとして、担当する21店舗を回り、売り場改善や接客改善などを行っている須釜さん。新人時代から、店長を目指すきっかけとなった新店オープン時のエピソードをうかがいました。

社員一人ひとりを大切にする風土があると感じた

-就職活動時、大切にしていた企業選びの軸はありましたか?

人を大切にする会社で働きたい、という思いがありました。洋服に興味がありAOKIを受けた際、数カ月前の会社説明会で会った社員の方に「お久しぶりですね。お元気でいらっしゃいましたか」と声をかけられ、驚きました。一人ひとりのことを覚えてくれていて、人を大事にする風土を感じました。
選考が始まると、実際に店舗に足を運んで「就活中なので教えてください」と仕事内容について聞いて回っていました。忙しい中、店員さんは皆嫌な顔一つせず、とても丁寧に対応してくださり、温かい会社だなと実感。自分が働く姿を想像できたのも、入社の決め手の一つとなりましたね。

 

「3年は頑張る」という意地しかなかった

-入社1年目で担当した仕事内容を教えてください。

入社後は和光光が丘店(埼玉県和光市)に配属され、販売を担当。そこで5年半、接客経験を積みました。メンズスーツをはじめ、服や小物に関して知識がまったくありませんでしたが、細部にこだわる奥深さがとても面白かったですね。当社には、社内の認定資格「スタイリスト制度」があり、メンズ服の歴史や、商品のディテール(細部)の呼び方、色柄などについて学ぶ機会があります。接客における技術習得の研修なども充実していて、身長が低い方に合うスーツの着こなしなど、体形に応じた商品の選び方もここで学びました。

 

-入社後にぶつかった壁はありましたか?

正直、1年目は、毎日のように「辞めたい」と思っていました(笑)。お客さまのニーズを引き出せないまま、帰られてしまうことも多く「どうして何も買わずにお帰りになったの?」と先輩に聞かれても何も答えられず、悔しい思いをしてばかりでした。「欲しいものがなかった」場合でも、「値段が合わなかった(高かった)」という理由なのか、「欲しいデザインの商品がなかった」という理由かによって、次回来店されたときの対応は異なります。あるいは、接客中に「好きなデザインがない」とヒアリングできていれば、ストック(陳列されていない商品在庫)の中から求めるデザインに近いものをお出しすることもできます。わざわざお店に足を運んでくださったお客さまなのだから、何かしら満足いただいてからお帰りいただきたい、という先輩方の意識の高さについていくのに必死で自信を失ってばかり。「社会人として、とにかく3年は続けて頑張ろう」という意地だけでくらいついていました。ただ、お店に立って1年後には、冠婚葬祭で着用する礼服を、スーツからシューズ、ベルト、シャツ、ネクタイやチーフまでトータルで提案しご購入いただけるようになるなど、少しずつ成長を実感できるようになりました。

 

応援への感謝の気持ちをメッセージカードに託した

-入社2年目以降の働き方の変化について教えてください。

2年目に入ると、担当商品の売り上げ目標を意識しながら、スタイリストとしてお客さま一人ひとりの体形や雰囲気に合った商品をどう提案できるか、考えられる余裕が出てきました。4年目には副店長を任され、店長が目指すお店のあり方に近づけるために、パートナーさん(パート・アルバイトスタッフ)とどんなコミュニケーションを取るべきかなど、現場サポートに徹して動いていました。

 

-ターニングポイントとなった仕事はありましたか?

入社6年目に、竹ノ塚総本店(東京足立区)の新店オープンが決まり、副店長として配属されたことです。開店後の1週間は、開店セールにつきお客さまが殺到します。レジに一日中、長蛇の列ができるほど混雑するため、オープン時は、ほかの店舗や本社から社員が応援に駆けつけてくれるんです。総勢50人ほどの社員がヘルプに来てくれるため、皆が店舗近隣に泊まるホテルの手配やホテルに移動するタクシーの手配、お弁当の注文など裏方の業務もこなしました。
竹ノ塚総本店に配属されたメンバーであれば、「自分たちのお店を作っていこう」と強い気持ちを持っているので、どんなに忙しくても頑張れます。でもほかの店舗や本社スタッフなど、通常業務のある方は「自分のお店のこともやりたい」「進めたい仕事がある」という気持ちを持っているかもしれません。そこで、応援に駆けつけていただいたことに感謝の気持ちを伝えようと、社員一人ひとりが泊まるホテルの部屋にメッセージカードを置くサプライズを用意しました。自分が以前、新店(新潟店)のヘルプに行った際、ほっと一息つける空間がホテルの部屋だったことを思い出し、「この手紙を読んで、明日も頑張ろう」と思っていただけたらいいなと思ったんです。
そのサプライズは社内でも話題になり、いまだに「あの時お手紙を頂いて感激しました」という言葉を頂くこともあります。いろんな立場の方の気持ちを想像しながら動くことの大切さを、周りの反響からあらためて実感しました。

 

-副店長経験が、その後のキャリアにどう影響しましたか?

副店長として店長を身近に見て、店長の思い一つでお店は変わると実感しました。当時の竹ノ塚総本店店長は「来週はこの商品を提案しよう」「こんなお客さまにはこう対応しよう」などアドバイスが明確で、作りたいお店のイメージがぶれない方で、その仕事ぶりに憧れましたね。
それまで「店長になりたい」という明確な意思を持ったことがなかったのですが、スタッフのマネジメントや売り上げを上げる過程にものめり込み、店長のライセンス資格の取得に挑戦しました。社内のライセンス取得のためには、パートナーの社員採用面接のロールプレーイングや店長として素質を見る試験、売り上げの要因分析と次週の売り上げ目標に対する行動内容のプレゼンテーションなど、さまざまな試験に合格しなくてはいけません。オープン時期の年に副店長をやりながら資格の勉強をするのは時間的にも大変でしたが、目指したい方向ややるべきことが明確になり、前向きに仕事に取り組めるようになりました。

 

須釜さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した須釜さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。

一番長く働いたのが、最初に配属された和光光が丘店。教育担当だった入社5年目の先輩は、社内認定制度の勉強のために遅くまで残る須釜さんに付き合ってくれ、厳しくも愛情ある指導に恵まれた。異動が決まった時は、離れるのが嫌で落ち込んだが、新店を経験できたことがその後のキャリアの糧になった。

 

副店長として新店オープンを経験し、店長職を目指したいと思うようになった須釜さん。後編では、店長になってからのエピソードやこれから挑戦したいことについて話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 9月1日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/臼田尚史

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