WOMAN'S CAREER

Vol.215 <前編>スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

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今回の取材先 スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
「最高のコーヒー」を提供することはもちろん、日常に潤いをもたらす “スターバックス体験”(感動経験)という付加価値を追求してきたスターバックス。企業理念である、「人々の心を豊かで活力あるものにするために-ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」を、社員、アルバイト含むパートナー一人ひとりが体現している。
※スターバックスは働く従業員のことを、パートナーと呼んでいます。
ほしの・ゆりこ●営業本部 ディストリクトマネージャー。神奈川県出身。40歳。文教大学国際学部国際文化学科卒業。1999年入社。夫と7歳の息子、4歳の娘と4人暮らし。

東東京エリアの9店舗を統括するディストリクトマネージャー(エリアマネージャー)を任されている星野さん。就活当時、まだまだ認知度の低かったスターバックスに入社した理由や、店長としての経験について話をうかがいました。

「こんな人たちと働きたい」と入社を決意

-就職活動時、大切にしていた企業選びの軸はありましたか?

大事にしていたポイントは、「その会社で成長している自分の姿をイメージできるのか」でした。若いうちから裁量を与えられる会社で働きたいと考え、業界問わず幅広く会社説明会に足を運んでいました。
スターバックスが日本1号店を銀座にオープンしたのは1996年。就職活動を始めた1998年当時は全国に30店舗ほどしかなく、まだまだ認知度の低いコーヒーチェーンでした。事業や仕事内容についてよく知らないまま、幅広く業界を知る一環として会社説明会に行ったのがスターバックスとの出会いでした。会社説明会で前に立って説明していたのが新卒1期生の20代若手社員で、これからの事業拡大に向けて、年代や性別に関係なく、みんなで成長していこうという勢いを感じたのを覚えています。プレゼンテーションの最後に、「皆さん後ろを見てください」と言われ振り返ると、緑のエプロンを着け、コーヒーやスコーンを用意した社員がずらり。広報部やマーケティング部、営業本部など全部署のパートナーの皆さんがいたのです。「自分が興味のある部門や社員の方に、自由に話を聞きに行ってください」と言われ、学生一人ひとりの意思を尊重した対応に、このような人たちと共に働きたいと強く思いました。飲食やサービスに関する知識はまったくありませんでしたが、ここだ! という思いはその時固まりましたね。

 

自らが決めた目標に向かうプロセスで、人は成長すると実感

-入社後にぶつかった壁はありましたか?

入社後は、水道橋西通り店で接客を担当し、日々目の前の業務に追われていました。いつかは、結婚や出産といったライフイベントを迎えたいと考えていたため、「それまでの20代は、自分の時間を自分のために使って働こう」という思いが強くありました。20代は夜遅くまで働くことも多く、仕事とプライベートとのバランスをうまく取れなかったことが、今思えば、壁だったのかなと思います。
 

-ターニングポイントとなった仕事は何ですか?

入社3年目、茅場町店ストアマネージャー(店長)での経験です。
入社後、スターバックスは急速に店舗数を拡大し、2年目には神田駅前店で店長を任されました。求められる成長スピードは、想像以上のもので、1年ほど店長経験を積んだあと、新店オープンの店長を任されたのが茅場町店でした。
アルバイトを含め25名の店舗パートナーの採用から育成までを担当し、1年たったころ、パートナーの力をどこまで引き出せるのか、これまでにない大きなチャレンジがしたいと考えました。そこで考えたのが、ホワイトデーに向けた「クッキー販売キャンペーン」です。みんなで力を合わせてクッキーをたくさん販売することで、より多くのスターバックスエクスペリエンス(感動経験)をお客さまに提供する、という施策を企画しました。
当時、クッキーは1日10~15枚販売できればいいという状況の中、茅場町店では「3日間で1,000枚販売する」という大きな目標を設定しました。お客さま一人ひとりに合わせた会話を通じて、クッキーの良さをお薦めする、という接客を徹底しました。「自分たちで決めた目標に向けて自発的に動く」ことでどのような化学反応が起こるのか、壮大な実験のような施策でしたが、3日間終えた時には1,000枚が本当に完売したのです。パートナー一人ひとりが、「どうしたらお客さまが喜んでクッキーを購入し、より多くのスターバックスエクスペリエンスを実現できるだろうか」と考えながらお声がけを工夫する様子を見て、背伸びした目標に向かうことで、人はどんどん成長することができるのだと実感しました。この成果は1,000枚の発注を許可してくれたサポートセンター(本社)のバックアップや、近隣店舗からの接客応援があってこその達成でもあり、みんなで目標に向かって共に成長することの面白さを学ぶことができました。

 

29歳のとき、新卒入社社員で初の女性ディストリクトマネージャーに

-店長を経験したあと、今に至るキャリアについて教えてください。

29歳の時、新卒入社の中では女性初となるディストリクトマネージャーになりました。最初は総武・習志野地区にある複数店舗のマネジメントを担当。神田地区、日比谷虎ノ門地区の担当を経て、現在は、お台場豊洲地区の9店舗を担当すディストリクトマネージャーをしています。

 

ディストリクトマネージャーの最大の役割は、「お店とパートナーを成長させること」にあります。ビジネスを成長させることはもちろん、担当店舗の接客や、組織・人材開発を立案し、パートナーにアドバイスをするなど、コンサルテーションも行っていきます。適切な人材配置がなされているかをチェックするのもディストリクトマネージャーの役割。店舗によって客層が変わり、求められる接客スタイルも異なるため「この店舗のパートナーは、あの店舗の方がより力を発揮できるだろう」と適材適所を実現するための人事異動案を提案することもあります。
ディストリクトマネージャーになった当初は、成果を出さなくてはならないというプレッシャーを感じ、担当店舗の店長に、私が良いと思うやり方を押し付けてしまうことが多々ありました。そのため、店長との間にミスコミュニケーションが生まれ、思うように成果がでないこともありました。また、30歳で結婚、33歳、37歳で長男、長女の産休育休を取得し、仕事との両立にも悩みました。
肩の力が抜け、店長との会話を大事にできるようになったのは、最近のことかもしれません。

 

星野さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した星野さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。

フルパワーで働いていた20代から、ライフイベントの変化、責任あるポジションへの昇格などで30代は悩み多き時期に突入。40代を迎え、子育ても落ち着いていくこれから、新たな自分の成長が待っていると思うとわくわくしています。

 

ディストリクトマネージャーとなりプレッシャーで落ち込むことが多かったという星野さん。後編では、2度の産休・育休を経て悩みながらやってきた仕事とプライベートとの両立、変わった仕事観について話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 9月15日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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