WOMAN'S CAREER

Vol.220 <後編>株式会社リコー

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今回の取材先 株式会社リコー
デジタル複合機、カラーレーザープリンターをはじめ、ソフトウェア、半導体、撮影者を取り囲む上下左右360度の全方位をワンショットで撮影できる全天球カメラ「RICOH THETA」など幅広い分野の製品を約200の国と地域に展開する精密機器メーカー。デジタル複合機などを利用するオフィス顧客への提供価値拡大と、これまで培ってきたプリンティング技術を商用印刷や産業印刷などオフィス以外に広げることの2つを成長領域に定め、重点的に事業を展開している。
なかむら・まゆみ●研究開発本部 リコーICT研究所 AI応用研究センター ソリューション探索室。神奈川県出身。33歳。電気通信大学大学院情報システム学研究科 社会知能情報学専攻修了。2009年入社。現在、夫と4歳の娘、0歳の息子と4人暮らし。

社内の各部署の業務にかかわるビッグデータを解析し、業務改革に向けた課題の解決に取り組んでいる中村さん。後編では、異動当初に感じた課題の乗り越え方と、仕事とプライベートの両立についてうかがいます。

現場の知見をデータによって客観的に証明することで、課題解決の糸口を生み出す

-6年目に現在の部署に異動して感じた仕事の難しさとは、具体的にどのようなものだったのでしょうか?

異動して最初の2年弱は製品の保守・営業にかかわる課題を、その後、8年目から現在にかけては、人事や総務、経理などのスタッフ部門にかかわる課題を解決するためのデータ分析と提案を担当していますが、当初は、課題を解決したいと考えている部署の仕事を知らないことと、納期の短さに苦労しました。

 

前者については、これまでの仕事は決まったメンバーで研究所にこもって進めることが多かったため、保守や営業部門の社員がどんなふうに働いているのかを知らなかったんです。

 

にもかかわらず、気軽に「こんなデータをください」と依頼して、たびたび怒られていました。対象の部署の社員は日々、厳しいスケジュールで業務を行っています。そこに「データを抽出して渡す」という追加の作業が発生するわけですから、相手の業務や負担を理解しないまま、かつ、データの収集目的を明確にしないまま依頼しては怒られて当然です。でも、当時の自分はそれがわかっていなかったんですね。

 

後者については、対象の部署の課題をヒアリングして精査し、分析に必要そうなデータを提供してもらい、分析し、意味のある結果を出して提案する、ということを可能性探索に比べると短い期間で行わなければならなくて。1人目の産休・育休から復帰して以降、短時間勤務制度を利用して働いていたこともあり、限られた時間の中で素早く取り組むことがなかなかできませんでした。

 

-どのように克服しましたか?

まずは相手の職場に足を運んで、相手の業務を知るようにしました。多い時で週4回、私が現れても珍しいと思われないくらいに相手の拠点に出向いていると、細かい点で理解できていないことを教えてもらえたり、「こういうことがわかってきたんですけど、現場の感覚としてはどうですか?」などと相談したりできるようになり、対象部署の社員からの信頼度が少しずつ増すようになりました。あとは、素早く結果を出すために、やらなくてよいことを見極めるようにしましたね。

 

-今の仕事のやりがいを、どんなところに感じていますか?

データ分析を基にした提案が採用されたり、提案によって業務改善がなされたりすることはもちろんですが、対象部署で経験則として蓄積されている知見をデータで証明できるとうれしいですね。長年、そこにいる社員たちが蓄積してきた知見はそう間違っていないですし、それをデータで客観的に裏づけるのは、私たちの役割の一つです。

 

そして、現場の社員が気づいていなかった新しい知見をデータから導き出すのも私たちの役割。自分の興味のある「人の行動や動作」と「データ分析」の両方を通して、社内の業務課題の改善に携わることができることそのものにやりがいを感じています。

 

同僚への情報共有が、仕事と育児を両立させるポイント

-お子さまを2人ご出産されています。出産後、社内のどのような制度を利用されましたか?

保育園入園のタイミングの都合で、2度とも産休・育休の期間は6カ月間でした。復帰後は短時間勤務制度を利用して、通常の勤務時間よりも2.5時間短い5時間勤務で働いています。短時間勤務は、5時間、6時間、7時間の3つから選べます。

 

また、在宅勤務をいつでも行える状態にしています。今は対象部署に足を運びたいのであまり活用していませんが、必要なときに使うつもりです。それから、個人のタブレット端末にメールを転送して見られるよう申請中なので、許可が下りれば、対象部署の拠点への移動中など隙間時間にメールに対応でき、より効率的に時間を使えるようになると思います。

 

-仕事と育児を両立する上でどんな工夫をされていますか?

仕事の進捗状況を同僚や関係者にこまめに共有し、仕事の悩みや不安を家に持ち帰らないようにしています。

 

前者については、限られた時間の中、短いスパンで一定の結果を出すには、「今何をやっていて、どこまで進んでいて、どこに難しさを感じているのか」といったことを周りに説明・共有することが重要だと1人目の出産後に学びました。周りと共有することで、子どもの病気などで急に休まなければならなくなるなど、どうしてもうまく進められないときに同僚にフォローしてもらえますし、進め方のアドバイスももらえます。

 

後者は、仕事で焦りや不安を感じたまま帰宅すると、表情や態度に出てしまって、心から楽しく家族と接することができなくなります。1人目の出産後にそういう時期があったので、今は意識して、切り替えて帰宅するようにしています。

 

-今後の目標を教えてください。

「課題に対して成果を出す」というプロセスを今の仕事でしっかり回せるようになった上で、可能性探索の仕事に戻れればと考えています。

 

というのは、課題に対して成果を出すプロセスを回せるようになりたいというのも、現部署への異動を希望した理由の一つだったからです。可能性探索に携わっているときに「このテーマは先々どのように決着するのか」がずっと見えなくて、何かしら結果を出せるようになりたいと思っていたので。

 

この1年で一つ、採用に関する改善提案を実現できたので、向こう1年でもう一つ結果を出して、さらにもう1年で確実に結果を出せるようになりたいですね。

 

そして、可能性探索の仕事に戻ったときには、先端技術を用いて新しい製品を作り上げられる人になりたいなと思っています。

 

週末は、家族4人で散歩に出かけるのが恒例。近所の公園に出かけるなどして過ごす。

 

ある一日のスケジュール

vol.220_リコー様_スケジュール02

 

短時間勤務(5時間)の定時は9:15〜15:15だが、業務の状況に応じて16時ごろ退社することが多い。「夫に保育園の迎えを頼んで通常勤務者の定時である17時半に退社することも許容されています。フレキシブルに対応できて便利です」とのこと。保育園の送りは夫と半々。夫が車で送って行くときに同乗して駅まで送ってもらうことも。

 

家事の分担は明確に決めていないものが多いが、ゴミ捨てや風呂掃除は夫の役割。夫の方が出勤・帰宅とも遅く、帰宅後、やり残した家事を片づけてくれるのでやり残すことも多い。

 

取材・文/浅田夕香 撮影/鈴木慶

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