WOMAN'S CAREER

Vol.221 <前編>外務省

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今回の取材先 外務省
日本の国益を増進し、平和で安定したより豊かな国際社会の構築を目指す外務省。職員は、日本では外交政策を立案する「外務官僚」として、海外駐在中は世界各地の大使館・総領事館などで働く「外交官」として、安全保障や経済、国際的なルールメイキングへの参加や交渉、海外の日本人の保護、日本の正しい姿の発信など多様な課題に取り組んでいる。
やまさき・まりあ●外務省アジア大洋州局 南部アジア部 南西アジア課 課長補佐。東京都出身。30歳。東京大学法学部卒業。2010年入省。現在、夫と4歳の長男と3人暮らし。写真は、南西アジア課メンバーとの打ち合わせ風景。

南西アジア7カ国との外交担当として活躍する山崎さん。前編では、入省の経緯や「研修生」として社会人の基礎を叩き込まれた1~2年目、ライフステージの大きな変化を迎えた海外での3年目など、激動の新人時代を振り返っていただきました。

オープンでフラットな先輩方の人柄にひかれた

-就職活動時に仕事選びの軸にしていたことは何ですか?

在学中から漠然と、異なる文化に触れ、自分の世界がどんどん広がっていくような仕事がしたいと考えていました。司法試験にチャレンジする道を考えたこともありましたが、法学よりも社会問題に広く携われる方が自分の興味に合っていると考え、国家公務員試験勉強に力を入れることにしました。

 

-何が入省の決め手になりましたか?

試験(現 国家公務員試験総合職)に合格すると、志望する3つの省庁を見学(官庁訪問)できるんです。そこで初めて外務省を訪れ、「自分がやりたいことはここにある」と確信。もともと持っていた国際協力への関心があらためて引き出されていく感覚がありました。在学中は、模擬国連サークルで国際問題について調べたり、開発途上国支援の活動のために海外を訪れたりしたことがありましたが、当時は「外務省の仕事ってこんなもの」と少々偏った視点を持っていたんです。
でも、外務公務員の先輩たちは、官庁訪問に来た私の話をよく聞いてくれ、間違った知識を指摘しては丁寧に説明してくれ、とてもリラックスした雰囲気で応じてくれて。「こういう人になりたい、一緒に働きたい」と思う方が多く、働くイメージを具体的に持つことができました。

 

「研修生」として、社会人の基礎を身につけた1~2年目

-新人時代の仕事内容を教えてください。

外務省では、入省1~2年目は電話取り、頼まれた資料のコピー取り、議事録作成、企画資料作成など社会人としてやるべき基礎的な仕事を身につける時期とされています。私が配属されたのは、開発途上地域の経済協力に関してさまざまな計画を立案する、国際協力局開発協力総括課でした。当時は官民連携のプロジェクトも多く動き出し、ODA(Official Development Assistance:政府開発援助のための公的資金)の一つである、草の根無償(草の根・人間の安全保障無償資金協力)で現地のNGO団体を支援し、そこに民間企業も連携させるといった活動もありました。例えば、「開発途上国で畑を耕して製品の原料を生産したい」という国内メーカーと、畑の地雷除去活動を行うNGO団体を結び付けます。すると、畑がキレイになることで企業は土地を活用でき、現地の方々にとっては安全な土地が確保され、雇用も生まれるというWin-Winの状態が生み出せます。
私自身は、そういったプロジェクトを動かすための資料作成など、補佐的な仕事しかしていませんでしたが、国際協力がどう動くのかを間近で見られる貴重な学びの時間でした。

 

渡仏中の出産。子育てと学生生活の両立に必死だった

-キャリアのターニングポイントとなった仕事、出来事について教えてください。

入省3年目になると、外務省職員(現 国家公務員試験総合職と外務省専門職員採用試験によって入省した職員)は全員2年間の在外研修に行きます。在外研修を経て、現地での在外勤務が続くことも多く、キャリアの中ではとても重要な期間です。
外務省職員は、例年入省前に7言語(英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、中国語)の中から1言語を研修語学として言い渡され、在外研修の2年間でその語学の習得を目指します。私は、学生時代に第二外国語として取っていたフランス語を学ぶべく、南仏のエクサンプロバンスという小さな街での研修を選択。渡仏1年目は語学の習得に集中し、2年目に大学院に通いました。地元の大学院に、国際人道法で有名な教授がいたため、その修士号取得を目指すことに。フランスは「国境なき医師団」が結成された国であり、人道法や人道支援に関して先駆的な国なんです。在外研修は、その2年間をどこでどう過ごそうと個人に任せられていて、自由でもありましたが、それだけ「学びのある2年間にしなくては」という重責もあります。私の大学院は朝8時から夜20時まで授業がびっしり詰まっていることもあり、今振り返ってもよくやり切ったなと思います(笑)。

 

生活環境の変化と同時に起こった人生の大きなターニングポイントが、長男の出産でした。入省2年目に結婚し、妊娠がわかったのは在外研修に行く前。
「渡仏するべきか否か」を人事や上司と相談すると、産休・育休を取得したのちに在外研修に行く選択肢も提示してくれ、続けられる方法を一緒に考えてくれました。そのサポート姿勢が非常に心強く、今でもとても感謝しています。ただ、ずっと準備してきた研修を頑張りたいという思い、また赤ちゃんが生まれる前の方が勉強しやすいのではという子育て経験者の助言もあり、悩み抜いて出した方法は、母に一緒にフランスに来てもらうことでした。
夫は省内の同期で、イギリスへの在外研修が決まっていたので一緒に暮らすことができず、いきなりの遠距離結婚に。母のビザを用意しバタバタと渡仏したあとも、慣れないフランス語と現地での生活、初めての子育てと勉強の両立に、毎日が必死でした。

 

山崎さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した山崎さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。
キャリアグラフ_v1

 

後編では、在外研修後の仕事内容ややりがい、子育てとの両立の工夫について話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 11月24日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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