WOMAN'S CAREER

Vol.223 <前編>株式会社ニコン

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今回の取材先 株式会社ニコン
1917年の創業以来、独自の技術でテクノロジーの最先端を走り続ける光学精密機器メーカー。映像の可能性の追求から、スマートデバイスやバイオサイエンスの進化、高度なものづくり、数十億光年彼方の宇宙を捉える挑戦まで、幅広い分野で人々の暮らしを支えている。2015年には網膜画像診断機器市場における先駆的な企業・英国Optos社を買収するなど、医療事業にも注力している。
ちば・さちこ●ヘルスケア事業部 マーケティング統括部 マーケティング部 商品企画課。静岡県出身。40歳。文学部文化学科卒業。2000年入社。現在、夫と4歳の娘と3人暮らし。写真は、社内メンバーと立ち話中の様子。

入社以来、一貫して生物顕微鏡領域を担当する千葉さん。幅広い製品知識を求められ苦労した新人時代、入社4年目で携わった大型プロジェクトの経験など、営業の仕事内容について話をうかがいました。

ペットボトルに挿してあったストローに、あたたかな社風を感じた

-就職活動時、大切にしていた企業選びの軸はありましたか?

大学時代はドイツに1年間語学留学をするなど、異文化や言語を学ぶことが好きでした。海外に携わる仕事をしたいと、メーカーや商社を中心に回り、中でも海外展開を広く進めている精密機器メーカーに興味がありました。

 

-何が入社の決め手になりましたか?

当社の会社説明会に行ったとき、出されたペットボトルにストローが挿してあったんです。丁寧な対応に、「人にやさしい会社だな」という印象を受けました。
女性の人事担当者がはつらつと自社の話をしている姿に、女性が働きやすそうな職場だと感じたことも決め手の一つとなりました。ただ、当時は「バリバリと長く働こう」と考えていたわけではなく、「やめるときに悔いが残らないように、目の前の仕事を全力で頑張ろう」と思っていました。

 

製品知識を身につけるのに一苦労

-入社後の仕事内容を教えてください。

入社後すぐに配属されたのが、生物顕微鏡の営業部署でした。病院や大学の研究室、医薬品メーカーの研究開発部門などで使われる顕微鏡を、アジア地域に向けて販売するのが主な業務です。現地の販売代理店に対して営業支援を行い、そこから各教育機関や企業へとニコン製品を提供いただくのです。
1~2年目は、製品を輸出入するための貿易関係の手続きや、現地の代理店に向けた販売促進施策の提案などを担当。新製品が出た際は、販売代理店の担当者と一緒に、お客さま向けの説明会を開きました。当時は、製品カタログの制作も担当しており、外部のデザイナーや印刷業者さんとやりとりするなど、入社直後から幅広い業務に携わっていました。

 

-新人時代に苦労したことは何ですか?

入社して数年は、自社製品を理解するまでがとても大変でした。
そもそも文系出身の私にとって、生物顕微鏡はおよそ触れたことのないもの。製品を実際に使うお客さま(エンドユーザー)の中にはノーベル賞を受賞した教授など著名な方もいらっしゃいます。当然ながら、お客さまの方がはるかに顕微鏡についてよくご存知です。専門家のお客さまからの問い合わせに対応できるように、製品に関する知識の引き出しが必須でした。社内講習会に定期的に参加するほか、開発担当者に話を聞きに行ったり、光学に関する教科書を読んだりして、現在も常に最新の知識を深めようとしています。

 

タイ政府向け億単位の大型商談に携わった

-ターニングポイントとなった仕事は何ですか?

入社4年目に、タイ全土の高校に生物顕微鏡を納入するという大型商談に携わったことです。タイの文部科学省にあたる省が、千数百台の学校向けの生物顕微鏡の納入を決めたことから、私が商談窓口になったのです。億単位の入札はもちろん初めての経験。規模が大きいので、都度上司の許可をもらいながら、落札、商談、出荷、納入までを行う1年半ほどの大プロジェクトでした。
入札が決まるとまず、工場の生産計画を立て製造スケジュールを綿密に調整。大規模な物量をスムーズに輸出するために、国際物流の担当部署と出荷スケジュールを詰めていきました。ただ、スケジュールを組んでいても、日本と納期に対する感覚が違い、遅延が発生することも…。そのたびにスケジュールを見直し、時には運輸会社の担当者と直接話をして日程調整をお願いするなど、正確な生産管理、スケジュール調整にはとても苦労しました。
「無事、納入まで完了するのだろうか」とハラハラしたこともありましたが、タイの販売代理店さんととてもいいパートナーシップを築けていたのが心強かったですね。現地の状況を教えてもらったり、スケジュール通りに進めるよう納入先の学校現場へ調整に回ってもらったり。同じゴールに向けて苦楽をともに走り切った経験は、大きな自信になりました。

 

-現地の販売代理店さんと共に仕事をした経験はご自身にどう影響していますか。

「販売代理店さんの立場でお客さまをイメージして仕事をする」ことの大切さを学びました。
タイを担当した後、5年間、韓国の販売代理店を担当したことがあったのですが、一度、大学教授の方から大変なお叱りをいただいたことがありました。新製品の導入を決めていただいた教授の元へ、販売代理店担当者と私、製品説明担当のアプリケーションエンジニアの3人で製品の詳細について説明にうかがったことがありました。しかし、新製品ゆえに私もアプリケーションエンジニアも、製品開発者ほど完璧に製品について理解できておらず、教授の質問に対してすべて明確に答えることができませんでした。その際、販売代理店の担当者さんが「なぜ、素人を連れてきたんだ」と強く怒られている姿を目の当たりにし、現場の厳しさをあらためて痛感。お客さまに対して事前にもっとヒアリングして、開発担当者を連れてくるなどの対応が必要だったと反省しました。世界各地でニコン製品を販売している代理店さんのためにも、やれることがまだまだあると気が引き締まった経験でした。

 

千葉さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した千葉さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。
前編_キャリアグラフ
新人時代は、求められる業務内容と、自分の知識や実力のなさとのギャップに苦しんだが、
経験を積み大型商談を任されるようになり、自身をもって仕事ができるようになった。

 

後編では、1年間の産休・育休を経て、商品企画課で活躍する現在について話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 12月8日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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