WOMAN'S CAREER

Vol.225 <前編>株式会社ゴールドクレスト

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今回の取材先 株式会社ゴールドクレスト
用地取得から商品企画、広告戦略立案、販売・管理に至るまで、すべてを自社で手がける不動産デベロッパー。東京都中央区・港区など都心を中心に、タワーマンションなどの物件を開発している。
いまいずみ・まさこ●設計監理部 係長。広島県出身。35歳。九州大学工学部建築学科卒業。2004年入社。現在、夫と5歳の息子、3歳の娘と4人暮らし。写真は、物件の模型を前に外観デザインについてメンバーと話し合っている様子。

入社以来一貫して設計監理部に所属し、タワーマンションをはじめとした大型物件の開発を担当している今泉さん。新人時代の仕事内容、初めて担当物件を持った苦労と面白さについて、話をうかがいました。

デベロッパーで「住まいづくり」を実現したい

-就職活動時、大切にしていた企業選びの軸はありましたか?

大学で建築学科に進学した時から「住まいにかかわる仕事がしたい」と思っていました。
「住まい」に興味を持ったきっかけは、新築の戸建てに引っ越した小学校1年生の時。完成した家に初めて足を踏み入れた時の高揚感がとても鮮明で「あんな感動を届けられる住まいづくりの仕事ができたら」という憧れから、建築学科への進学を決めました。

 

大学に通っていた当時、建築学科の学生は8~9割が大学院に進学していましたが、私は早く社会に出て実践的な経験が積みたいと思っていたため、就職の道に進むことに。就活を始めた当初は、ハウスメーカーや住宅設備メーカーなど、人々の暮らしに身近な会社に興味がありました。一人ひとりの生活に寄り添い、暮らしをより豊かにするような仕事に携わりたいと思っていたんです。

 

デベロッパーには、「街づくり」「再開発」といった大規模な事業を手がけ、個人の暮らしにはごく間接的にしかかかわらないというイメージでした。しかし、ゴールドクレストの会社説明会に行って、そのイメージが一変したんです。用地の取得から物件の企画、販売、お客さまに対するアフターサービスまでを自社グループで手がけており、人々の暮らしを総合的にデザインできる会社でした。「一人ひとりの住まいづくりにかかわりたい」という夢を、デベロッパーで実現できるのではないかと、魅力的に感じました。

 

デスクに置かれた先輩からのメモに救われた

-入社後の仕事内容を教えてください。

設計監理部に配属になり、マンションの計画、外装・内装デザイン、販売促進物の作成まであらゆる工程を担当してきました。1年目はわからないことだらけなので、先輩が担当する物件の模型を作ったり、会議資料をまとめたりと補佐的な仕事をしながら業務を覚えました。会議では、外観デザインを検討するためのエスキス模型を作り、それをさまざまなアングルから見ながら検証し、「壁の色はもっと明るい方がいい」「エントランスはもう少し大きくてもいいね」などと議論しながらデザインを詰めていきます。壁の素材や色が異なるとどんな印象になるのかなど、先輩たちの発言をメモして、知識を深めていきました。

 

1年目はお客さまの生の声を知るために、土日はモデルルームで接客をして営業も兼務していました。お客さまが物件のどんなところを見ているのか、どんな間取りに利便性を感じるのかを実践的に学ぶ、いい機会となりました。

 

-苦労したことは何ですか?

2年目に初めて「担当物件」を持った時、できないことの多さに毎日落ち込んでいましたね。設計監理部の業務は、土地の仕入れ後の配棟計画、間取りの決定、外装・内装デザイン、エントランスホールなどの共用部分や共用施設の設計デザインから、モデルルーム設計、販売促進のためのパンフレットや図面資料の作成まで、企画から販売までの全工程にかかわります。初担当は28戸の小規模マンションで、外観・間取りもほぼ決まり、工事の着工後に先輩から引き継いだ物件でした。施主としてゼネコン(工事全体の取りまとめを行う建設業者)さんや、設計事務所さんに対してのディレクション業務に、「何の経験もない2年目の自分が指示を出していいのだろうか」と戸惑ってばかりでした。

 

工事計画が着々と進行している中で、社内から「よりいい物件にするためにエントランス部分の素材を見直した方がいい」などの声が出ると、施主である物件担当者として、現場との交渉を進めなければいけません。「もうここまで進んでいるのだから変えられない」「変えるならこれくらいの工事費用が必要になる」といった現場の要望を聞きながら、会社としての意見も伝えなくてはならず、板挟み状態に。現場との信頼関係が築けているとスムーズにいく交渉も、経験値の少なさゆえに最初は難航し、うまくいかないことが多くありました。

 

現場から帰るといつも泣きそうな顔でデスクにいたからか、ある日出社したら「現場の担当者さんに、金額の件は伝えておいたから大丈夫だよ」という先輩からのメモがあったことも。今思えば、その先輩も人一倍忙しそうに現場を走り回っていたのに、私の曇った表情を見て助けようと思ってくれたのでしょう。さりげなく手を差し伸べてくれる周りの環境にはとても救われましたね。

 

内覧会でのお客さまの喜ぶ姿が励みになる

-ターニングポイントとなった仕事は何ですか?

入社4年目で、100戸超の注目度が高い大規模な都心物件を、初めて一から担当したことです。
住棟のプランニングから、間取りの設計、内装デザインのアイデア出しと設計事務所との打ち合わせなどを進め、1年かけて開発していきました。3LDKの間取りを中心にファミリー層を対象とした物件だったので、広い中庭にバーベキューができるスペースも設計。マンション敷地内で交流が生まれるように工夫を凝らしました。内装を考える際は、新人時代にモデルルームで接客をした時の経験が役に立ちました。

 

例えば、キッチンのシンクは広い方がいいだろうと設計したデザインに対し、「広いシンクよりも、広い調理スペースが欲しい」という声を多く頂いたのです。実際に使う立場になって考えるクセは、1年目での営業経験があったから身についたものだと思います。
仕事をしていて一番うれしいのは、完成した物件の内覧会で、入居予定のお客さまが「素敵な家だね」と話している姿を見る時。自分が開発から携わった家に、これから何十年も住んでいただくと考えると、完成した安堵感とともに身が引き締まる思いがします。

 

今泉さんの入社後のキャリアグラフ

これまでご紹介した今泉さんの社会人1年目からのキャリア、現在に至るまでのプライベートにおける「心の充実度」の変化を、ご自身にグラフにしていただきました。
vol.225キャリアグラフ_ 図版03
2008年のリーマンショック後は、全国的に住宅着工数が落ち込んだ時期。それまでの、わき目もふらず目の前の仕事に邁進(まいしん)してきた状態が少し落ち着いたところで、「自分の力をつけよう」と奮起。インテリアコーディネーターの資格を取得した。

 

後編では、2度の産休・育休を経た現在の働き方、仕事内容について話をうかがいます。

→次回へ続く

(後編 12月22日更新予定)

 

取材・文/田中瑠子 撮影/鈴木慶子

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