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理系のシゴトバ

掲載日:2012年4月26日

Vol.62 資源循環型社会を実現するため
産業廃棄物の再資源化に取り組む

タケエイ 事業本部 川崎リサイクルセンター 開発事業部
私たちにとって最も身近な環境問題の一つである廃棄物問題。高度成長期に建設された社会資本(インフラ)や建物の解体および再開発工事などで発生した廃棄物が今後増えることが見込まれ、処分場に困るほどになっています。このような社会構造を変革するために、今、日本政府が推進しているのが資源循環型社会の実現です。循環型社会とは、いらなくなったものを再利用することで限りある天然資源の消費を抑制し、循環負荷の低減を図ろうというもの。つまり廃棄物をいかにリサイクルできるかが重要なカギを握るというわけです。そんな「資源循環型社会」構築へ貢献しているのが、廃棄物処理業界をけん引しているタケエイです。日本の廃棄物の9割(重量比)を占めている産業廃棄物の中でも、新築工事や解体・改修など各種工事現場で排出される建設廃棄物を中心に、収集・運搬から、再資源化、最終処分まで一貫して請け負い、適正な処理を行っています。2007年5月30日には東証マザーズに上場。最近では廃棄物処理の再生素材化、バイオマス発電など新エネルギー源供給事業に注力するなど、より高次な再資源化ニーズへの対応を図っているのです。今回は循環型社会の実現をサポートしているタケエイ 事業本部 川崎リサイクルセンター 開発事業部を訪れました。

産業廃棄物を再資源化する仕事とは?

事業本部 開発事業部のシゴトバ、タケエイの主力処理工場、川崎リサイクルセンターがあるのは京浜工業地帯の最北部、神奈川県川崎市川崎区。石油プラントなどが立ち並ぶ工業地帯の一角にあります。
川崎リサイクルセンターの敷地面積は4万1090平方メートル。東京ドームの総面積とほぼ同じ広さです。そんな広い敷地に混合廃棄物処理ライン、コンクリート処理ライン、木くず処理ライン、スクラップ処理ラインが設置されているのです。これらすべての施設での1日の処理能力は3000トン超。国内有数の処理能力を誇ります。毎日約400台のトラックが到着し、廃棄物が運び込まれるそうです。それらの約85パーセントがリサイクルされています。
今回、川崎リサイクルセンターおよび開発事業部のシゴトバを紹介してくれたのは橋本正志さんと胡家K(こ・かき)さん。橋本さんと胡さんは再資源化処理など委託先開拓や再資源化製品の品質管理などに携わっています。
写真は混合廃棄物処理ラインの一つ、可燃物処理施設に設置されている廃プラスチック(廃プラ)の破砕・圧縮梱包機です。タケエイではより精密に処理を行うために手選別ライン(人による選別)を設けています。そこで選別された廃プラは、この機械によって破砕され、出荷するために圧縮梱包されます。その後、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクル(廃棄物から熱エネルギーを回収して有効利用すること。エネルギーリカバリー)のため、再資源化事業者に搬出するのです。
「川崎リサイクルセンターは廃棄物の破砕、機械選別、圧縮、切断など処理する設備を備えた中間処理工場です。中間処理後の物はマテリアルリサイクルやサーマルリサイクル先に搬出することで、再資源化を行っています。委託先の要望に合う品質を提供するのが私たちの重要な役割なんです」(橋本さん)
川崎リサイクルセンターの頭脳でもあり、心臓とも言える「中央制御室」です。
「ここを担当しているのは事業本部 川崎リサイクルセンター オペレーショングループです」(橋本さん)
オペレーショングループの担当はセンター内設備の運転やメンテナンス。中央制御室の管理モニターにて設備の稼働状況を常時監視。管理モニターだけでは全てを把握しきれないため、点検員に指示を出し、常時チェックを行っています。問題が発生すれば、無線で中央制御室へ報告される仕組みで、品質および安全を管理しているのです。橋本さん、胡さんが所属する開発事業部とも、非常に密接な関係のある部署です。
「例えば再資源化事業者への搬出物の品質に異常があったときには、中央制御室へ連絡を取り、問題解決のために各工程の担当員へ指示をしてもらいます」(胡さん)
開発事業部の業務の一つに、製品規格基準の管理があります。写真は木くず処理ラインで、破砕処理され異物を取り除かれた木材チップの品質をチェックしているところ。木材チップは製紙原料のほか、発熱(発電など)燃料、パーティクルボード(木材チップに接着剤を塗布し、熱圧成形してできる板状製品)の原料として再利用されるのです。
「お客さまにはそれぞれ受け入れ基準があります。例えば木材チップの受け入れ基準は7ミリメートル〜50ミリメートルで、それをちゃんと満たしているか、またダストなど余計な不純物が混じっていないかなどについて、定期的にサンプルをとり、品質を満たしているかをチェックします」(橋本さん)
工場に入るときは、写真のように常にヘルメットと防塵マスクを装着します。
商品開発も事業開発部の重要な業務の一つです。写真はコンクリートがれきから作ったブロックで、まだ試作品とのこと。
「現在、リサイクル製品の開発も自社で行っています。強度、設備、販路など、課題は山積みですが、さまざまな試験を行って検討しています」(橋本さん)
打ち合わせもひんぱんにあります。写真は現場のエリア長と打ち合わせしているところ。
「毎日、いろいろな製品(再資源原料など)チェックしていると、たまに異物が多いなと感じるときがあるんです。そんなときは該当現場のエリア長に即、連絡します。そしてその場で改善策について打ち合わせするんです」(橋本さん)
外部との打ち合わせもたくさんあります。
「リサイクル先を訪問し、お客さまのニーズを伺うことはもちろん、委託した製品などが再利用・適正処理されているか、定期的に処理先の現地確認を行っています。リサイクル先は全国中にあり、出張することも多いです」(胡さん)
開発事業部の執務エリアです。
「デスクでは委託先の選定、契約書の作成などの事務作業のほか、毎月1回、品質を担保するために26項目にわたる土壌試験の分析結果をチェックしたりしています」(橋本さん)
「少しでも安価に、しかも品質よくリサイクルできる処理会社を開拓していくことが、私たちの大事な役割なんです」(胡さん)
執務エリアは工場の中とは思えないほど静かでアットホームな雰囲気。
「工場や委託先など、外に出ていることが多いので、あまり席にはいないんですよ(笑)」(橋本さん)
ハタラクヒト
「環境に貢献したい」という熱い気持ちは欠かせない
 社員を代表して橋本さん(写真右)と胡さんに「タケエイ 事業本部 開発事業部はどんなシゴトバなのか。どんな人たちが働いているのか、どんなやりがい、魅力があるのか」などについて、お話をうかがいました。

 橋本さんは東京理科大学理学部第二部化学科卒業後、2009年4月入社。入社のきっかけとなったのが、大学3年生の夏にタケエイのインターンシップに参加したこと。
「営業担当者について建設現場を回ったんです。それぞれの現場で困っていることなどを聞き出し、その要望に合ったサービスを提案するスタイルにひかれました。この仕事について、社会貢献をしたいと思いました」(橋本さん)

 一方の胡さんは中国・上海出身。神奈川大学大学院経営学研究科国際経営専攻修了後、2008年4月、タケエイに入社。
「大学で環境会計、大学院でCSR会計を学んでいたことから環境に関心を持ったんです。タケエイは中間処理だけでなく最終処分まで行っている会社。中国では廃棄物の中間処理システムが日本ほど進んでいません。ここでそのノウハウを学び、将来、中国でそれを生かせればいいなと思ったんです」(胡さん)

 リサイクルセンターや処分場を統括している事業本部に所属している人の出身専攻は「工学系や農学系の人が多い」(橋本さん)とはいうものの、橋本さん、胡さんそれぞれの出身専攻を見ればわかるとおり、理系文系含めさまざまだそう。
「ただ共通しているのは環境への関心が高いこと。環境負荷を軽減することで社会に貢献したいという思いがあることが重要なんです」(胡さん)
「大気汚染防止法により工場から排出されるばい煙には基準が設けられています。そのため、有害物質の値が高くなったりすると、どの廃棄物が原因となっているのか特定しなければなりません。そんなとき、役立つのが大学時代に学んだ化学の知識です。とはいえ、現在の仕事で必要な知識は仕事をしながら身につけてきたもの。自分から知ろうとする姿勢がいちばん大事だと思います」(橋本さん)

 橋本さん、胡さんともに「入社した当初はお客さんや工場の人が話している言葉がわからず苦労した」と言います。
「例えばALCもその一つ。ALCはAutoclaved Light weight Concreteの略で軽量気泡コンクリートのこと。鉄筋コンクリート造の外壁や間仕切り、床などによく使われる建築資材なんです。そんな専門用語が会話の中でバンバン出てくるので、最初はそれらの言葉を勉強するのが大変でした」(胡さん)
「当リサイクルセンターで廃棄物が適正処理されることで、環境への負荷を減らし社会貢献できることに、大きなやりがいを感じています」(橋本さん)

 最後にタケエイの社風について聞いてみました。
「当社は社長から社員一人ひとりに至るまで全員が、真摯に環境問題を捉え、廃棄物をいかに有効に再生利用するかに真剣に取り組んでいます。本当にまじめなシゴトバです」(橋本さん)
「中国人である私は日本語勉強歴がそう長くはないので、たまに日本語がおかしくなるときがあります。そんなときでも先輩や上司、同僚はにこやかかつ親切にいろいろ教えてくれる。働き心地は本当にいいですよ」(胡さん)

さまざまなリフレッシュ施設を用意

「タケエイエコパークゴルフ大木戸」(千葉市緑区)はかつて、徹底した品質管理のもと、タケエイ自らが適正かつ無害に処理した廃棄物を埋立てた安定型最終処分場の跡地です。2009年にパークゴルフ場としてリニューアルオープンしました。写真は川崎リサイクルセンターの従業員とその家族が、パークゴルフとバーベキューを楽しみながら親睦を深める会が開催されたときの様子です。
川崎リサイクルセンター内にある庭園です。写真正面の木は桜。そのほかにもさまざまな植物が植えられています。また池では金魚が泳いでいるそう。
「昼休みはこの庭でのんびり過ごして気分転換を図っています。私のいちばんのお気に入りスポットです」(胡さん)

タケエイにまつわる3つの数字

首都圏で出た建設系の産業廃棄物を中心に、回収から適正処理・再資源化・最終処分までの一貫処理を実現しているタケエイ。以下の数字は何を表しているのでしょうか? 正解は、次回の記事で!

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取材・文/中村仁美 撮影/臼田尚史 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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