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WOMAN'S CAREER 女性総合職ってどんな感じ?

掲載日:2010年7月1日

Vol.48 子どもや遊びを分析し、おもちゃ開発に生かせる情報を発信

消費者目線の「気づき」でおもちゃの可能性を広げたい

チームメンバーとリカちゃん商品で遊びつつ、構造の面白さなどをチェック。新しい遊び方の発見も。

子どもが楽しく成長できる場に携わりたいと考えた乗松さん。タカラトミーに入社を決めたのは、「幼少期に大好きだったおもちゃを手がけていた会社で、自分も思い出に残るような商品を手がけていきたい」と考えたからだという。

入社1年目には、ガールズ事業室にて女の子向けのおもちゃを企画。初めて手がけたのはシステム手帳型のおもちゃで、お化粧セットやばんそうこうセットなどのリフィルをつけた。
「先輩のアドバイスを受けながら試行錯誤を繰り返してできた商品。街ですれ違った女の子が偶然それを持っているのを見た時は、思わず駆け寄ってしまいそうになりました。『遊んでくれてありがとう』という気持ちで、ボロボロ泣いてしまいましたね」

その後、マーケティング部門を経て、再び商品の企画販売を手がけるガールズ企画室に異動。女の子向けのテレビ番組キャラクターを用いて開発した電子ゲームがヒット! 続く第2弾では、異業種とコラボレーションするカードゲームを考案。約10万個を売り上げる大ヒットに。
「小さな妖精が出てくる物語だったので、第2弾ではカードにつけたおもちゃ用のバーコードを読み取り、妖精キャラクターを集めるゲームを企画しました。文具やお菓子、マンガ雑誌、CDなどとも連動して遊べるようにするため、異業種メーカーとの連携を図りましたが、想像以上に大変でしたね」

自身が企画したロングセラー商品「カプセルシールメーカー ポップル」。写真は開発当時のもので、左奥が現在販売中の商品。

文具や菓子、飲料など、多様なジャンルのメーカーを相手に、ゲームの意図や共同開発のメリットを話して協力を仰いだ。しかし、企業によって事情はさまざま。担当部門が複数にわたるため、社内調整に難色を示す企業もあれば、バーコードを読みとれないパッケージ素材を使っている企業も。そのたびに、乗松さんは対応策を必死で考え、理解を得るための説得を繰り返したという。
「仕事は、1人だけではできないもの。それを強く実感しました。多くの人の協力があったからこそ、遊びの可能性を大きく広げることができた。相手の力を引き出し、気持ちよく仕事してもらえるよう調整することの大切さを知ると同時に、1人では不可能なことでも周りを巻き込めば実現できると考えるようになりました。これは私の仕事観の根本となっています」

入社8年目には、おもちゃの小売店を回り、販売のサポートをするフィールドサポートを経験。ディスプレイや店頭イベントの提案・実施など、これまでとはまったく異なる仕事だ。最初は戸惑ったが、現場を知ることで視野が広がり、消費者の目線をさらに意識できるようになった。また、この時におもちゃにまつわるイベントや実演販売も手がけたが、そこで自由な遊び方をする子どもたちの姿を見たことも大きな糧となる。
「おもちゃは、単なるモノでなく、『遊び』そのものなんです。楽しかった体験まで全部含めてこそのもの。ただ売って終わりではなく、おもちゃを使って遊び、思い出を創ってもらうところまで考えることが必要です。小売店の方の『おもちゃは、パッケージを開けて初めて命を持つ』という言葉が、今も深く心に残っています」

乗松さんは2010年、新設された部署「企画推進チーム」のリーダーとなった。2人の部下とともに、商品事業部門ではなかなか時間をかけて行えない、子どもや遊びそのものの分析や、すでに商品化されているおもちゃの調査や遊びこみなど、企画・開発に必要な情報の収集を手がけている。また、全社のおもちゃを集め、さわって遊べる展示会を社員向けに開催するなど、消費者目線での「気づき」を得るためのイベントも実施。前例のない部署で、しかも人生初の管理職。方向性の決定やチーム・マネジメントにおいて難しさを感じることもあるが、これまで経験してきたすべてが役立っているという。

プライベートでは2004年に結婚。夫とは、「家事はお互いにこなし、そして頑張り過ぎないこと」という共通の意識があるため、仕事と家庭の両立に負担はまったく感じていない。
「仕事は、自己実現の場だと思っています。1人ではできないことも、会社を通して実現していける。自分の気づきが開発者たちにも広がっていく面白さと、そこから当社が発信する遊びの可能性が広がっていくことにやりがいを感じています」

乗松さんのキャリアステップ

STEP1
入社2年目 マーケティング部門にて女の子向け商品のマーケティングを担当
入社1年目に商品企画を経験した後、2年目の99年にマーケティング専任のメンバーを集めた部署に異動。女児向け商品を担当した。多様なジャンルの商品を扱うマーケッターと机を並べ、一緒に働いたことが大きな刺激となった。
STEP2
入社7年目 ガールズ開発チームにて商品企画を手がけ、ヒットさせる
入社4年目の2001年に商品企画部門に異動。3年後の04年、文具店で売れていたカプセルシールに着目し、カプセルシールを手作りして楽しむおもちゃ「カプセルシールメーカー ポップル」を企画。8万個を売り上げるヒット商品に。構造設計でかなり苦労したが、生産、設計のメンバーとともに試行錯誤し、現在も女児向け商品の定番として売れ続けているロングセラーとなった。6歳年上の夫と社内結婚したのもこの年。
STEP3
入社9年目 コンテンツ開発グループにてコンテンツ立ち上げを担当
入社8年目にフィールドサポートチームに異動したのち、9年目にはおもちゃ発のキャラクターコンテンツを創り、ライセンス活用する部署に異動。立体のおもちゃを2次元のデザインにしたり、そこに性格を加えたりと、今までの仕事とは視点の異なるおもちゃへのアプローチを経験。おもちゃを客観視し、さらに面白いコンテンツを創り上げていく過程が勉強になった。
STEP4
入社10年目 リカちゃんマーケティンググループにて生誕40周年企画を担当
40年以上続く着せ替え人形の代表格「リカちゃん」担当の部署へ。定番のおもちゃを初めて担当し、どのお店でも販売されている商品力のすごさを感じる。生誕40周年の広報企画では「ステキなレディになるために、世界に旅立つリカちゃん」をテーマにリカちゃんのブログやホームページコンテンツを立ち上げる。リカちゃんとともにフランス・イタリアにも出張し、ブログを作成。
STEP5
入社13年目 初めての管理職に
おもちゃ開発部門の本部内に新設された「企画推進チーム」のリーダーに。2人の部下とともに、開発に生かせる情報収集・発信の仕組みづくりにまい進している。

ある一日のスケジュール

6:45
起床。朝食の準備をして夫とともに食べる。8時過ぎに2人で出勤。
8:45
出社。メールチェック後、社内横断プロジェクトの資料を作成。
10:30
調査会社と、夏に実施予定の子どもに関する調査の打ち合わせ。おもちゃ開発につながる結果を出せるよう、考え方を共有。
12:00
チームメンバーと一緒に、会社近くのなじみのお店でランチ。
13:00
事業戦略担当、海外事業担当、リサーチ担当など、複数の部署との情報交換会議。9月に予定している全社的なイベントに向けての準備が議題。
16:00
会議終了後、一部のメンバーと直近の業務について打ち合わせ。部署によっては社屋が異なるため、顔を合わせられる機会にしっかりとコミュニケーションをとる。
17:00
電話で業務の進捗や連絡・報告事項について確認。
17:30
この日は早めに退社。平均退社時刻は19時くらい。
18:00
近所のスーパーで買い物をし、簡単な料理を作る。料理は、早く帰れた方が作る。2人とも遅い日は外食することが多い。
20:30
入浴後、帰宅した夫とともに夕食。
21:30
録画していた子ども向け番組を2人で見る。ストーリーはもちろん、CM提供企業にも注目し、仕事のヒントにする。
22:30
1時間程度の読書をした後、就寝。

乗松さんのプライベート

年に一度は旅行に出かける。写真は、2010年のゴールデンウィークに夫と2人で行った岩手県・浄土ヶ浜。週末には近所の河原にお弁当を持って出かけることも。
子どものころから大のうさぎ好きで、3年前に念願のネザーランドドワーフを飼うことに。「抱っこされるのは苦手な子ですが、なでているだけでもふわふわした気持ちになり、癒やされます(笑)」。
読書が好き。読むスピードも速く、単行本なら1〜2日で1冊読んでしまうほど。iPhoneでも電子書籍を購入して読んでいる。好きな作家は重松清。

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取材・文/上野真理子 撮影/刑部友康 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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