
- 日々チェックしている市場動向を頭に入れつつ、今後の施策を立案していく。
デリバティブとは、株式や債券、預貯金、ローンなど従来の金融商品の市場リスクを軽減させたり、より効率的な資産運用を追求するために生まれた金融手法。例えば、ある企業が海外から1個1ドルの商品を仕入れ、国内で150円で販売することを考えると、ドル−円の為替相場が変動することによって利益が変動するリスクがあるが(円安になると、仕入代金を円換算した額が増えるため利益が減少する)、ドルと円の交換レートを固定する「通貨スワップ」というデリバティブ取引を行えば、そのリスクを回避することができる。このほかにも先物取引や各種オプション取引があり、顧客ニーズに合わせ、金利、為替、コモディティ(石油や鉱物資源など、製品の原材料となるもの)にかかるデリバティブ商品、またそれらを組み合わせた商品が次々と生まれている。
間淵さんがデリバティブに出合ったのは、支店で中小企業営業をしていた入行3年目。入行当初は右も左もわからなかったが、定期的な研修や通信教育・OJTを通じて金融の基礎を学び、顧客との信頼関係も深まって、営業が面白くなってきた時期だった。
「当時デリバティブは、一般企業ではあまり取り入れられていなかった商品でしたが、企業の事業リスクをヘッジするツールとして関心を持つお客さまが増えてきた時期でした。本店のデリバティブ専門の営業担当者と一緒にお取引先にうかがい感じたのは、デリバティブの提案には決まったパターンがないということ。お客さまの経営状況や市場動向、商品の特徴などさまざまな要素に臨機応変に対応する力が求められますが、知識次第でよりかゆいところに手の届く提案ができる。お客さまに喜んでいただけ、その結果、成約につながるというのがすごく楽しくて、もっと勉強したいと思いました」

- 若手社員の育成も間淵さんの役割の一つ。週に1回、勉強会を開き、蓄積してきた知見を共有する。
入行4年目に本店の市場営業部へ異動し、デリバティブ専門の営業を2年間経験。東京近郊の約15支店を担当し、支店の担当者とともに業種も規模もさまざまな企業を訪問。顧客の抱える経営課題や財務戦略について、企業トップと直接話し合い、それぞれの顧客のニーズに合ったデリバティブ商品の提案を行う経験を積んだ。その後、営業マニュアルの作成などの営業支援業務を経て、現在は市場営業部全体の収益管理や業務計画の立案などを行っている。市場営業部は約120名。デリバティブ商品の企画・開発、支店に対するセールス支援を行うデリバティブ営業、商品の取引を行うディーリングの3分野を統括する仕事だ。
「私の仕事は、お客さまにデリバティブ商品を提案するための土台作りをすること。現場で営業をしていたころに、『こうすればもっとお客さまが喜んでくださるのでは』と思っていたことを形にするチャンスがあります。契約の手続き一つでも『もっとスムーズにできる方法はないか』『もっとわかりやすい説明資料を作れないか』と自分なりに考えてきた経験が、今になって役立っています」
みずほ銀行の支店数は全国に約500店舗。各店舗が担当する幅広い顧客にデリバティブを提案するためには、商品知識はもちろん、日々刻々と変化するマーケットの情勢も把握していなければならない。新しい商品の提案でも、契約顧客のアフターフォローでもひと筋縄ではいかない仕事だけに、支店や本部の営業担当者と一緒に考えた施策が成功したときの満足感は大きい。その先に、顧客の喜ぶ顔が見えるからだ。
「支店で法人営業をしていた新人時代、何十年も当行とお取り引きをいただいているお客さまとたくさんお会いし、先輩たちが築いてきた信頼を損なわず、未来につながる仕事をしなければと感じました。今は、自分が直接担当するお客さまはいませんが、自分が考えたことを支店の営業担当者を通じて多くのお客さまに伝えることができるため、より大きな責任感とやりがいを感じています。デリバティブ業務のプロとして、営業担当者に『縁の下の力持ち』と頼ってもらえる存在でありたいと思っています」
金融業務は幅広く、みずほフィナンシャルグループにおいてデリバティブ業務はその一部にすぎない。今後は、チャンスがあればほかの分野でも力を試してみたいとも考えている。
「とはいえ、これがやりたい! とは決め込んでいません。どんな道をたどっても、一生懸命やっていれば、結果的に成長できたり、好きなことができると思うんです。デリバティブの仕事にしても、入行前はまったく知らなかったんですよ。それなのに、気がついたら、育児休業もいらないと思うほどのめり込んでいました(笑)。変化の激しい業界ということもあり、出産で長期の休みを取ることが、自分のキャリアにどれだけの影響を与えるのかと深刻に考えたこともあります。でも、上司や同僚、そして家族の理解とさまざまな協力のおかげでスムーズにもとの仕事に戻ることができ、肩に力を入れ過ぎないことも大事なんだと学びました。出産後は以前のように時間を気にせず仕事に打ち込むことはできませんが、子どもと過ごす時間を少しでも多く確保するために、時間の大切さを意識して効率的に業務に取り組めるようになった気がします」