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WOMAN'S CAREER 女性総合職ってどんな感じ?

掲載日:2012年1月12日

Vol.76 人々の生活に彩りを添えるボディウェアを企画する

喜ばれる商品を提供することで顧客との信頼関係が築かれていく

部内にある開発ルームでは、試作品をボディに着せて細部を検討する。


100パーセントオイルカットのスキンケア商品をはじめとする化粧品や、栄養補助食品、ボディウェアをカタログ、インターネット、店舗の3チャネルで販売するオルビス。カスタマーセンターに届く利用者の感想や意見を生かしてすべての商品が企画されているという同社で、朝倉さんは入社以来ボディウェアの企画・開発に携わってきた。

朝倉さんが顧客の声の重要性を強く感じたのは、入社2年目、定番商品として販売していたショーツを担当したとき。ウエストにレースを用いた商品について、ある顧客から「これまでと同じサイズを買ったのにレースがきつい」との意見が届いたのだ。
「『そんなはずはない』と思いつつ返品していただき、自分の目で確認するとともにメーカーにも確認をとりましたが、やはり不良は見られませんでした。お客さまにもその旨をお伝えしたところ『そんなはずはない。10年以上はき続けているからわかる』との言葉が。再度メーカーに詳しく調べてもらったところ、それまで取り引きしていたレースメーカーが生産を中止したため、別のレースメーカーに変更していたことがわかりました。仕様の許容範囲内でできているので不良ではありませんが、従来品を100パーセント再現できてはいなかったのです。その後も同様のご意見が複数寄せられ、『お客さまは正しい』という前提ですべてのことに対応していくことの大切さを実感しました」

その後も、開発時に少しでも妥協や迷いがあると、商品の売り上げが伸びなかったり、厳しい意見が寄せられることがあり、顧客の声の重要性をひしひしと感じたという。その顧客の声を生かして大きな成果を出したのが入社5年目。体型補整下着シリーズの大型リニューアルに取り組んだときのことだった。
「当社の体型補整下着の強みは、動いてもズレず、きつさを感じない点にありますが、カタログを見たお客さまから『きつそう』というご感想を頂くことが多かったのです。どのようにして『きつくなく、安定している』という快適さや補整機能の高さを伝えるか。商品そのものの工夫と見せ方の工夫、両方に腐心しました」

年々シビアになる消費者の目に応えて新しい価値を発信できるよう、日々施策を検討している。

通販商品の場合、顧客が実物を手に取って見ることができないため、カタログでの表現が購買を大きく左右する。朝倉さんはカタログを制作するマーケティング担当にも積極的にアイデアを提案していった。
「例えばブラジャーの場合、カップ下部分に伸縮性のある生地を交差させる設計を企画し、『アクティブクロス設計』と名づけて動いてもズレないことをカタログでアピールしました。さらに、補整結果を視覚的に伝えるためにバストやヒップの等高線写真を撮影し、他社製品や下着をつけない状態と比較する形で掲載したり、開発者のインタビューを別冊にまとめ、補整機能も快適性も備えていることが伝わるようにしました」

販売時期についても、従来は一斉に発売していたところを、ひと月で買い物に使える金額を考慮し、月ごとに数点ずつ発売する形に変更。これらの工夫の結果、売り上げはシリーズ全体でリニューアル前の1.3倍に。顧客からも、「胸がちゃんと寄る」「おなかがぺたんこになった」「苦しくない」などの感想が寄せられたという。それと同時に、朝倉さん自身の仕事に対する意識にも変化が起こったそうだ。
「当社の商品企画担当は、商品のコンセプト決めやデザイン、ネーミングだけでなく、価格の検討や生産体制の管理、カタログでの打ち出し方、お客さまからの問い合わせ対応など商品に関するあらゆる面にかかわります。これまでは、それを頭ではわかっていても、企画することに精一杯で関係部署と意識的に連携するところまではできていませんでした。しかし、カタログでの売り出し方で売れ方が大きく変わることを実感し、売るためには企画だけをしていればいいわけではないことを本当に理解することができたように思います。それからは、マーケティングや発注担当、コールセンターなどの関係部署との連携をより意識するようになりました」

その後、ボディウェア分野の一通りの商品を担当し、入社7年目には主任に、翌年には係長に昇進。現在は課長としてボディウェアの企画部門をとりまとめ、後輩の育成に尽力している。
「1人あたり数多くの新製品を担当しているため、すべてに100パーセントの力で取り組もうとすると回らなくなってしまいます。企画に必要な考え方だけでなく、どのように優先順位をつけて効率的に進めるか、また、私が経験して得た『企画だけしていればいいわけではない』という視点などを伝えるよう心がけています。後輩たちが早くヒット商品を生み出し、自信をつけてさらに成長してもらえるよう働きかけていきたいですね」

「人々の生活に彩りを添える仕事をしたい」という思いで入社した朝倉さん。顧客から届く意見や感想から、日々それを実感している。
「新商品を発売する毎月25日前後は『何かよくないことが起こったらどうしよう』と胃が痛い思いをしていますが、売り上げが順調だとほっとします。そして、『この商品がよかったのでほかの商品も買いました』『家族にも勧めました!』といった心からの喜びの声を頂けると、その方のために役立てたことが実感でき、うれしく思います。『彩りを与えることができたな』と感じる瞬間です」

朝倉さんのキャリアステップ

STEP1
入社1年目 ボディウェアの商品企画担当に
入社当初、ボディウェア担当は上司、先輩社員と朝倉さんの3人。まずは定番商品の靴下の増色を任され、売り上げ目標にかなう商品の色・点数を検討。過去の売り上げ実績や自分の好みなどから新色を2色企画し、部内プレゼンで提案したが、1色は却下され、別の色にすることに。早く経験を積んで客観的な視点を身につけなければならないと感じたという。「当時は繊維や縫製に関する知識が皆無でしたので、先輩や取引先の方に質問するなどしてがむしゃらに取り組みました。あのとき『できない』と思わずに必死で質問して基礎知識を身につけたからこそ、今があると思います」。
STEP2
入社8年目 係長に昇進し、後輩の育成に注力
下着から靴下、ルームウェアまで多岐にわたる商品を一通り担当し、7年目に1年間主任をつとめたのち、係長に。進捗管理や後輩の育成に重きを置いた役割を担うことになり、企画の視点だけでなく業務効率化のノウハウなども仕事を通して後輩に伝えるよう心がけた。「企画した商品の発売が決まるまでに、部内、商品本部の責任者、社長と3回のプレゼンをクリアする必要がありますが、発売が決まってからも発注・物流部門と連携しての生産の調整や、マーケティング部門と協力してのカタログの内容検討など、お客さまの手元に届くまでにやるべきことはたくさんあります。企画が決定したからといって気を抜かないよう助言していました」。
STEP3
入社13年目 課長に昇進し、ボディウェア事業全体の施策を練る立場に
入社10年目に長女を出産し、育児休業を取得後、11年目に復帰。13年目には課長に昇進した。3人の部下を育成するとともに、売り上げや原価の管理から事業計画の検討まで、事業全体をけん引する役割を担っている。また、出産後は子育てと仕事を両立するため、仕事の効率化への意識に磨きがかかったという。「やるべき仕事を後回しにせずにすぐにとりかかることや、優先順位をよりはっきりとつけるようになりました。」。

ある一日のスケジュール

5:30
起床。
7:10
自宅を出発し、長女を保育園に送ったあと、電車で通勤。
8:50
出社。メールチェックなど。
10:00
部下とメーカーとの商談に同席。
11:00
前月の売り上げを分析し、社内に共有するための資料を作成。
12:00
昼食。
13:00
部下とメーカーとの商談に同席。
14:00
発注検討会。過去の実績などを参照しながら発注数を決める。
16:00
チーム内で企画の進捗を確認したり、カタログの誌面チェック、メールチェックなどを行い、17時50分ごろに退社。
19:40
長女を保育園に迎えに行った後、帰宅。夕食やお風呂を済ます。
21:15
長女を寝かしつけながらおしゃべり。
22:00
翌日の長女の保育園の準備。時間が余れば読書をしたり、通販サイトをチェックするなどして過ごし、23時半ごろ就寝。

朝倉さんのプライベート

旅行が好きで長女が生まれるまでは年に2回ほど海外旅行に出かけていた。現在は2〜3カ月に一度は長女を連れて両親や友人と国内の温泉地やテーマパークに出かける。写真は2011年春の九州旅行のときのもの。
長女は外で遊ぶのが大好きだが、平日はなかなかゆっくりと遊べないため、土日は1日に何度も近所の公園や寺院の境内に行って外遊びをする。「『すき間時間は外遊び』という感覚でがっつり付き合っています」。
大学時代に所属した茶道部のメンバーとは、年末年始や季節の節目などに声を掛け合って先生の自宅に訪問する仲。「一緒にいるとほっとする存在。皆異なる道を歩んでいるので、多様な話を聞けるのも楽しいですね」。
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取材・文/浅田夕香 撮影/平山諭 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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