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ビジネスパーソン研究FILE

掲載日:2012年1月13日

Vol.152 新しいサービスでユーザーを喜ばせていく

DVDチームにて、販売企画からマネジメントまで担当。入社半年後に歴史的商品を手がけた

就職活動時に、「手に職をつけたい」と考え、文系出身でありながらSEの道を選んだ小野さん。外資系システム会社でネット販売のシステムなどを手がけるうち、もっと大きなサービスで自己成長していきたいと考えるように。以前から「技術力も、サービスの特徴も、他社がマネできないほどスゴい! いつか働いてみたい」と憧れていた現社。転職でまさに念願を叶えたという。

入社直後の配属先は、DVDチーム。担当カテゴリーの売り上げや利益の責任を負うビジネスオーナーの役割を担った。
「入社後の研修は特になく、前任者から仕事の流れを教えてもらいました。全社員が共有している社内向けのWebシステムで分析ツールなどの使い方も調べられるので、自分で必要に応じて覚えていきましたね」

バイヤーとしてパートナー企業となるメーカー、販売会社などに向け、商品の販売計画をつくったり、プロモーションの提案を行うだけでなく、社内のコンテンツ制作チームやファイナンスチーム、物流チーム、運営オペレーションチームなどと連携し、企画制作や財務計画、倉庫での在庫管理から発送についてまで、すべてをまとめていったという。
「過去の商品売り上げ分析も行い、販売メーカーに向けてどういったプロモーションが有効かを提案するなど、コンサルティング的な業務も多くあります。前職でも分析業務は経験していましたが、アマゾンは分析ツールの性能も、ユーザーの規模も、取れるデータの質もまるで違う。全世界を相手に、DVDという売れ筋の商品を扱う仕事のスケールに圧倒されましたが、これぞやってみたいと思っていた仕事! そのうえ、先方の社長や経営陣と直接やりとりすることができる面白さもありました。責任の重さは感じましたが、大きな仕事に携わるエキサイティングな喜びの方が大きかったですね」

入社から半年後、小野さんはマイケル・ジャクソンの追悼映画『THIS IS IT』のDVD販売企画を手がけることに。世界中に熱狂的なファンがいるため、過去のデータを分析しても一体どれくらい売れるのか予想もつかない状況だったが、小野さんは「困ったときこそベストを考えよう」と考え、ひとつの決断をする。
「お客さまが楽しみに待っていることを考えたら、品切れにさせることは絶対にNGだと思いました。『巨額の投資をしても、在庫を大量に抱えるリスクがある。けれど、足りないよりも余らせる方がいい』。そう判断して綿密な販売計画をつくり、上司に相談したところ、アッという間にOKをもらうことができたんです。アマゾンには『地球上で最もお客さまを大切にする企業』というビジョンがありますが、決してブレることなく、ビジネスの判断スピードも速いことがよくわかりました。驚きを感じるとともに、この会社のスゴさを実感しましたね」

小野さんはメーカーと一緒に販売計画を練り、大量の商品を確保。社内の物流のオペレーションチームとも連携し、いかに効率的に在庫を管理し、迅速な発送をするか、分析を進めていった。
「誰もが積極的に『どうやってコストを抑えるか』『効率を上げるか』を提案してくれました。各個人がビジネスの責任者となり、与えられた仕事のみでなく、お客さまのことを一番に考え、全力投球している。プロ意識の高さに感動し、大きな刺激を受けました」

さらに小野さんは、アマゾン限定商品の企画を考え、メーカーへの提案も行った。
「永久保存版を求めるファンの方々に向けた、スチール素材のブックレット型限定商品を提案しました。当時の上司からは『ホントに売れるの?』と言われましたが、私自身、マイケルのファンでしたし、周囲のファンにもヒヤリングしたところ、『欲しい』との声が多かった。過去にない商品だったので、データの分析だけでは判断できないものでしたが、とにかく情熱を持って、『これはぜひ!』と説得をしました」

お客さまのため、ファンのためを第一に考え、実現に向かった小野さん。そこには想像以上の感動が待っていたという。

バランスボールに座ってデスクワーク。分析作業、資料作成、顧客とのメールのやりとり、ミーティングの調整などを行う。

予想を超える大ヒットに感動! その後、念願の「新規サービス立ち上げ」に携わることに

『THIS IS IT』の販売予約リリース当日、小野さんは緊張しながら反応を待ったが、初日だけでも3万件の予約が入り、まさしく予想通りとなった。また、限定商品も大ヒットし、アマゾンのカスタマーレビューにはアツい高評価が次々と書き込まれたのだ。
「レビューやネット上の反応を目の当たりにし、喜んでくれている人々の多さに感動しましたね。顧客ニーズを満たし、マイケルファンの皆さんに受けいれてもらえたことに、大きな達成感を得ました。メーカーの担当さんからは、『これほどの歴史的な仕事に携われるなんて、奇跡的な出来事だよね』と言われ、本当にその通りだなと。お客さまに対してできることを一歩踏み込んで考えた結果、自分も成長できたと思います。以来、『お客さまを第一に考える』『悩む前にアクションを起こす』が、自分の仕事の信条となりました」

小野さんは、このときに得たノウハウや考え方を生かし、『エヴァンゲリオン』『涼宮ハルヒシリーズ』『タイガー&バニー』など、数々のヒット商品を手がけていった。

2011年、小野さんは社内公募の制度を生かし、現部署に異動。入社時から夢見ていた新規サービスの立ち上げに携わることになったのだ。
「新たなジャンルで、顧客向けのサービスを立ち上げることになりました。新サービスを実現することで、お客さまのニーズを満たすことができるのではと考え、『ぜひやりたい!』と手を挙げたんです」

現在は、アメリカのチームと連携を図りながら、新サービスのビジネスモデルの考案や、財務計画やサービス仕様の確定、リーガルチームとの法的な調整、ビジネスパートナーとなる会社に向けた採用活動などを行っている。
「先月は1人でアメリカ横断出張に出かけ、アメリカ本社やパートナー企業を訪問しました。私1人だけがネイティブスピーカーではないこともあり、語学や文化の壁を超えて、一から信頼関係を築く難しさを痛感。みんなで食事に出かけても、盛り上がりについていけず、苦笑いで済ませることもありました。けれど、仕事上ではわかったふりは許されないもの。自分の言動がビジネスに直結してしまう恐怖は常にありますが、集中力を欠かさず、粘り強くコミュニケーションするよう心がけています」

これから開発が始まり、プロジェクトの管理とプロモーション展開もスタートするため、さらに気を引き締める日々だという。そんな小野さんは、仕事のやりがいについてこう話してくれた。
「アマゾンはユーザーが多く、自分の手がけた仕事に対してすぐに大きな反響が返ってきます。常にお客さまに近い場所で仕事ができる面白さがありますね。大きな裁量を任され、全体の流れに携わり、自分のアイデアを実現していけるやりがいを感じますし、社内での回りくどい調整も必要なく、スピード感あるアクションを起こしていけることにも大きな魅力を感じています」

今後の目標は「お客さまにとって、より一層、便利で面白いサービスを提供していくこと」だという。
「アマゾンの二大ビジョンは、『地球上で最も豊富な品揃えを提供すること』と『地球上で最もお客さまを大切にする企業であること』です。それをもっと増やしていくために、何ができるのかを常に考えています。また、個人的には、仕事はもちろん、プライベートも大事にして人生を充実させていきたいですね。個人の裁量で仕事のペース配分もできる会社なので、きっと実現していけると思っています」

社内のファイナンスチームと財務計画の見直しについて打ち合わせ。ほかにも、オペレーションチームやリーガルチームなど、社内の各部署と打ち合わせを行い、連携を図る。

小野さんのキャリアステップ

STEP1
2009年8月 DVDチームに配属(入社1年目)
現場での経験を積みたいと考え、DVDチームを志望。社外ではバイヤー、社内では担当カテゴリーの責任者としてビジネスオーナーの立場に。売り上げの分析、パートナー企業との商談、企画提案、財務計画の作成やプロジェクト運営の管理などを行い、複数のDVD販売企画を並行。「皆さんが思っているよりも少人数で、幅広い業務をこなしています。大変ではあるけれど、一人ですべての流れを手がけていく面白さを体感!」
STEP2
2010年 1月『THIS IS IT』のDVD販売企画を手がける(入社1年目)
マイケル・ジャクソンの追悼映画『THIS IS IT』のDVD販売企画を担当。メーカーとの在庫確保の交渉から、プロモーション企画、効率的な物流構築のための社内物流チームとの調整など、多岐にわたる業務を遂行。販売予約リリース初日で3万件以上の予約数の大ヒットを収めた。また、趣味のカメラを仕事に生かすチャンスも到来。邦画DVD販売の企画で、主演女優へのインタビュー記事をつくることになり、取材に同行して撮影を担当。Webの記事に自分の撮影した写真が掲載される喜びを味わった。
STEP3
2010年 アマゾンン限定商品企画を担当し、完売御礼に(入社2年目)
アニメ作品『タイガー&バニー』において、メーカーから「主役のキャラクターフィギュアの腕に、アマゾンのロゴを入れたい」と、限定商品企画を持ちかけられる。放映前のため、ヒットするかわからない状態だったが、「やってみよう!」と実現に奔走。アメリカ本社の承認も必要だったが、経営トップから「Cool!」とのうれしい言葉をもらい、わずか2日でGoが出た。アニメ放映後、作品は大ヒットし、限定商品も完売御礼に。「この会社の面白さは、カテゴリーを限られないところにもあります。DVD担当であっても、玩具やサントラ、書籍など、さまざまな商品と連携してプロモーションしていくことができますね」。
STEP4
2011年8月 新規ビジネス開発チームに異動(入社3年目)
新規ビジネス開発チームに異動。アマゾンにはほかの企業のような辞令による異動はなく、自ら社内公募に手を挙げ、面談を受けたうえで異動が決まる。社内システム上に2週間ごとに募集記事がアップされるため、小野さんもいつもチェックしていたそう。新規サービスに携わるこの部署の募集を見つけたとき、『これこそ、やりたかったことだ!』と感じ、すぐに応募した。アメリカチームとの密な連携が必要な今、社内の英会話教室に定期的に参加し、英語のスキル向上への努力を重ねている。

ある一日のスケジュール

8:30
出社。アメリカ本社との電話会議。通常は9時30分から10時に出社。メールチェックは通勤途中にiPhoneで。
10:00
関連部署メンバーとミーティング。事業計画レビュー、プロジェクト進捗確認、情報共有。
12:00
女性の同僚や近くで働く友人とランチ。忙しいときは机で麻婆丼弁当を食べながらネットチェック。
14:00
アマゾン ジャパンの社長とミーティング。プロジェクトの途中経過や確認事項を報告し、フィードバックをもらう。
15:00
デスクで市場分析、事業計画とファイナンス分析、ミーティング調整を行う。
16:00
システムインテグレーションガイドを日本語に訳し、ビジネスパートナーとなる企業に説明。やりとりしながら、サービスフローやシステム要件についてまとめる。
17:00
上司と進行中のプロジェクトについて打ち合わせ。その後、社内の英語レッスンに参加し、19時に退社。退社後は趣味のテニスのレッスンへ。

小野さんのプライベート

1年前からゴルフにハマり、週1回のプライベートレッスンを受けている。同僚や上司、友人と月に1〜2回程度、近場のゴルフ場をラウンド。2011年は友達夫婦と一緒に長野、秋田、沖縄へのゴルフ合宿も開催した。
高校時代からカメラが好きで、社会人になってから本格的にスタート。旅先で現地の人々の写真を撮ることが大好き。写真はチュニジアで撮影したもの。2005年ごろから写真共有サイト、Flickrにアップし続け、賞をもらったり、雑誌に掲載された経験も。
週末には自宅でホームパーティーを。会社の同僚や近所に住む友人を招いてワイワイ楽しむ。同業界の女性を招き、「強い女の会」と名づけた女子会も開いているという。
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取材・文/上野真理子 撮影/刑部友康 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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