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掲載日:2010年4月13日

海外駐在員ライフ

Vol.42 明確な結論を求めない?国際機関での仕事の進め方

対話の末に妥協点を見出す

こんにちは。ポレ・ポレです。今回は、国際機関での仕事の進め方について紹介します。

国際機関で仕事をするうえで私が気をつけているのが、「Win-winの関係」、つまり自分の主張も通しながら、相手の立場も守ることができて、結果的に双方が満足できるような議論のあり方を目指すことです。そうすることで、相手と意見が対立した場合でも、結論は自分が想定していたラインで収まることが多いんです。そのためには、まず、相手の言うことを否定せずに、よく話を聞くこと。同時に、自分がどこまで譲れるか、どこに落とし所を持っていったらいいかを考えておきます。相手の主張をじっくり聞いた結果、やはり合意できないという場合には、譲れるラインまで譲歩しながら反対意見を言い、妥協点を見つけられるように努力することで、想定内の納得できる結果が得られるというわけです。これは、自分の意見を主張し過ぎて失敗した同僚の例などから私が学んだ、いわば「経験則」。結果的に、こうしたほうがうまくいくような気がします。

仕事の指示をする場合も同様。部下の仕事の評価をするときも、頭ごなしにダメ出しすることは避けています。部下からの提案も、まずは「それはgood ideaだね」と受け止める。国際機関の職員は、子どもの頃から優秀と言われて育って来た人が多く、その分、自尊心も強いので、まずは相手の提案を評価するようにしています。そのほうが、相手も積極的に良い提案をしてくれるようになりますから。

アフリカ基準では「几帳面」なケニアの人々

会議の開始時刻を守るかどうかといった時間の感覚も、日本人のそれとはやはり異なります。同じ国際機関でも、ヨーロッパにいたときと、ケニアに来てからでは、ケニアのほうが遅れて始まることが多いように感じています。仕事の場面ではありませんが、家に水道修理の職人を呼んだときなども、「午前中に行くから」と言われて待っていると、7割の確率で午前中に来てくれますが、残りの3割は来るのを忘れていたりするほどです。

そんな状況でも、ケニア人はアフリカのなかでは「真面目」「几帳面」「時間に正確」という印象があります。実際、同じアフリカの国でも、前に住んでいたほかの国と比べると、ケニアのほうがかなり良いように思います。

会議のあり方も独特で、明確な結論や合意を得ないで終わることも珍しくありません。その結果、人によって結論がまちまちだったりして、議事録を見てあとから「あれ? こんな結論だったっけ?!」と戸惑うことも。そのため、「誰が何をいつまでにやる」といった責任が明確でない状態のままになるわけで、こうした事案は往々にして立ち消えになってしまったりします。こういった部分でも、日本の企業のやり方とは大きく異なるのではないでしょうか。

ただ、あまり自己主張の激しいタイプの人は、私の周りには見当たりません。分業化されてはいますが、やはりプロジェクトを進めるのはチーム単位なので、評価されるのも個人ではなく、チーム。チームプレイありきという点も、私の職場の特徴かもしれません。

次回は、ケニアの食生活について紹介します。

Reported by ポレ・ポレ
ケニアに駐在する国際機関の職員。アフリカを含めるフランス語圏の複数の国での勤務を経て、現在に至る。ケニアでは、家族と過ごす時間が何より楽しく、最近は、子どもに本を読み聞かせるのが日課に。
ナイロビはアフリカのサハラ以南の地域の中心となる大都市。高層ビルも多い。
通勤時間帯の渋滞風景。渋滞を避けて朝6時半に出勤する同僚もいる。
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構成/日笠由紀 デザイン/ラナデザインアソシエイツ

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