就活生はインターンシップに行くべき?「行かない」選択をしても大丈夫? 

インターンシップは、学生が社会に出る前に企業での就業体験ができる制度です。就活生にとってインターンシップにはいろいろなメリットがあるといわれます。また『就職白書2019』によると、2018年度の企業のインターンシップ実施率は95.9%(前年度差+11.3ポイント)。従業員規模やエリアを問わず多くの企業が実施しています。しかし「応募するのが面倒」「ゼミやバイトで忙しい」等の理由で、まだ具体的に考えられていない人もいるのではないでしょうか?

参考サイト:就職白書2019(就職みらい研究所/リクルートキャリア)

そもそも就活には本当にインターンシップが必要なのでしょうか?行かなければ不利になってしまうのでしょうか?多くの企業で採用や人材育成を経て、現在は学生の就活支援に取り組む廣瀬泰幸さんに聞きました。

オールウェイズ代表取締役・廣瀬泰幸さんプロフィール写真
プロフィール
オールウェイズ代表取締役・廣瀬泰幸(ひろせ・やすゆき)

慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、株式会社リクルートに入社。大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、一部上場企業の人事部採用責任者を経て独立し、2010年のオールウェイズ設立以降、1000名を超える学生に就活コーチングを行っている。著書に『新卒採用基準』(東洋経済新報社)がある。

企業がインターンシップを行う目的と参加する意味とは?

各社がインターンシップを実施する目的は?

インターンシップとは、「社会に出る前に仕事の場を体験してみること」です。企業で実際の仕事をしている人から直接話を聞いたり、仕事を体験してみたりすることで、業種や職種、企業による仕事内容の違いや働いている人たちの雰囲気、企業風土の違いを知ることができます。会社説明会やOB・OG訪問などで話を聞く場合よりも、さらに現場の空気を肌で感じることができる場と言ってよいでしょう。

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企業側はどんな目的でインターンシップを開催しているのでしょうか。廣瀬さんによると、多くの場合は、企業が学生の知名度やイメージを上げるために、PR活動の一環として実施する意図があるようです。3、4年生だけでなく1、2年生から参加できる場合も多いと言います。

「それぞれの企業がどんな思惑でインターンシップを行っているかは、外部からはわからないものです」と廣瀬さん。サークルやゼミなど周りの先輩たちから情報を収集して判断するべきだと言います。

「インターンシップに行かない」という選択肢もある

採用される力があれば、行かなくても不利にはならない

ではやはり、インターンシップに行かないと就活で不利になってしまうのでしょうか?

廣瀬さんは「確かに多くの学生がインターンシップに参加し、メリットを享受する人が増えるとすれば、行かない人は『相対的に不利になる』と言えるのかもしれません」と認めながらも「しかし個々の学生から見ると、能力が企業の求めるレベルに達していれば、採用されることに変わりはありません。つまり採用される力が付いていれば、インターンシップに行かなくても、本選考で不利になることはありません」と強調します。

裏を返せば、就活において大切な自己分析や自分を磨くことを後回しにして、「みんなが行っているから」「情報に乗り遅れるから」とインターンシップばかりに力を入れるのは本末転倒なのだと言います。

ちなみに、冒頭で紹介した『就職白書2019』によると、インターンシップの選考で落ちた会社には本エントリーしないという就活生は2割くらいいるといいます。しかし、企業側としては、インターンシップでは受け入れ可能な人数が限られるため、インターンシップの選考結果等にかかわらず、本エントリーを歓迎しているところは大変多いのです。インターンシップの選考に落ちても、インターンシップに参加してなくても、そのことだけを理由に、自己判断でチャンスを逃すのはもったないことだと言えそうです。

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インターンシップに行かない方が良いケースもある

廣瀬さんはインターンシップより優先したいアルバイトやゼミ、部活動などがある人の場合、あえて『インターンシップに行かない』選択もありだと説明してくれました。

「大学3年生の夏〜冬は、さまざまな場で上級生として後輩を引っ張る責任が生じ、密度の濃い経験をしていく時期です。それはまさに、就活で企業が必ず聞く『学生時代に力を入れたこと』に直接つながるものです」と廣瀬さん。

就活難易度の高い企業ほど、今までにどんな困難を乗り越え、どんな問題を解決してきたかを聞いてくるもの。「まずは自分がやるべき活動を頑張る。それとインターンシップが両立できなさそうであれば、無理にインターンシップに行く必要はないでしょう。今取り組んでいる活動を通して経験を積み、そのエピソードを就活でアピールする方が良いでしょう」(廣瀬さん)。

インターンシップの参加は絶対条件ではない。与えられた時間を有効に!

企業を志望する決め手ではなく、情報の一つとして考える

さらに廣瀬さんは「インターンシップだけで志望先を決めるのはNGです」と指摘します。

「企業は学生に自社の『いいところ』だけを見せたがるものです。グループワークでは新商品の企画や新事業の検討といった体験をさせてくれますが、実際に入社してそれらの業務に携われるのはごく一握りだけ。インターンシップで体験できることは企業の一面でしかありません」(廣瀬さん)

インターンシップに参加している就活生のイメージ

ですからインターンシップで雰囲気が良かったからという理由で「自分に向いている」と思うのは早計。OB・OG訪問なども参考にして、多様な情報を基に判断すべきでしょう。

一方で廣瀬さんは、中長期のインターンシップをハードルに感じている人や、忙しくて参加できない就活生には、気軽に申し込める短期のインターンシップを勧めます。

「就活の解禁前も、就活生は企業と接触する度に『なぜこの業界なのか』『なぜうちの会社なのか』と何度も聞かれるはず。そのときに次につながる回答をするには、3月までにそれなりの業界研究を進めておかなければいけません」と廣瀬さん。短期間でも発見できることは多く、「目的意識があれば決して無駄にはなりません」とアドバイスします。

「自分に何が大事か」を考え、具体的に計画を立てよう

「インターンシップに今まで参加しなかった皆さんも、それを気にして焦ったり落ち込んだりする必要はまったくありません」と廣瀬さん。限りのある時間の中で、自分が置かれている状況と、何が大事かという優先順位を考えて選択すればOK。

大切なのは「インターンシップに行くか行かないか」ではなく、周りに流されない自分なりの就活をしていくことです。もしインターンシップに参加するなら、「○○までに何社へ行く」と、はっきりカウントできる計画を立てること。そうすれば自然に体が動きだすことでしょう。

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文/鈴木恵美子
編集/鈴木健介

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