教育サービス会社内定 早稲田大学 井ノ上薫さん

就活データ
志望業界:教育、人材 説明会参加:32社 先輩訪問:4人(人材1人、教育3人) エントリーシート提出:30社 面接:25社 内定:1社 活動費用:約10万円(スーツ・靴など4万円、交通費4万円、証明写真1万円、外食など雑費1万円。交通費は関西への新幹線代なども含む。移動は極力定期券と重なるルートを選び、何度も通うエリアは回数券を利用して出費を抑えた)

 

自分のためではなく、誰かのために働ける仕事に

最初は人文系の大学院への進学を志望していたのですが、大学3年生の4月に親と進路の相談をした際に、就職を勧められました。それまでは「勉強したい」という思いだけで進学しようと考えていた部分があったので、あらためて自分の将来について考えました。博士課程までの金銭的な負担は大きく、その後に希望通りの研究職に就ける保証はありません。それよりも、学部新卒というメリットを生かして就職し社会的な経験を積んだ方が、自分の将来により多くの可能性を残せると思い、就職を決意しました。

 

実際に就活を始めたのは、3年の12月になってからです。というのも、勉強したいという思いに踏ん切りをつけるべく、9月から4カ月間、アメリカのボストンに留学に行ってきたんです。留学中まではやりたい語学と美術の勉強に集中し、帰国後から全力で就活に臨もう、と心に決めました。直前まで就職を視野に入れていなかった自分が、さらに遅れを取って就活を始めることに不安は拭えませんでしたが、「なるようにしかならない」と自分に言い聞かせて、スーツを買ったりリクナビに登録したりするなど、手探りでもできることからコツコツ取り組んでいきました。

 

志望業界については、「自分が価値を提供できること、誰かを幸せにできること」という信念を軸に検討していきました。これは、3年生のころから自分の専門分野に関する勉強会などを主催していた影響が大きいです。最初は自分の向学ために始めた勉強会でしたが、そこに集まるメンバーの成長や喜ぶ顔を見ているうちに、段々と自分ではなく他人にモチベーションを持つようになったんです。そのような思いを胸にさまざまな説明会に参加していくうちに、人に学びや新しい出会いを提供できる教育・人材業界に志望が定まっていきました。とりわけ教育業界は目的意識がはっきりとしていて、実際に仕事に携わっている人を見ていると、真面目で「誰かのため」というモチベーションの強い人が多く、自分の性格にも合っているなと感じられたのも決め手となりました。

 

志望が定まって、就活の大まかな方向性が見えてからは、とにかく情報収集に力を注ぎました。業界研究に関しては個々の会社のサイトを確認するのはもちろん、新聞も頻繁にチェックして、業界内の講演会やシンポジウムがあれば積極的に参加。自分の強みである勤勉さや論理的な思考を生かすためのインプットは、常に意識的に蓄積していきました。ここから得た知識やデータは、具体的な数値を付けてエントリーシートに盛り込むことで、周りとの差別化を図りました。

 

「選ばれよう」と思わずに、「選ぶ」意識を持って面接に臨む

面接では、短く簡潔に話すことを心がけました。普段から勢いづくとまくしたてるように話してしまう癖があったので、要点を先に述べて相手の質問の余地を残すように意識しました。あとは、「選ばれよう」と思わないこと。私も最初はこの思いが強く出てしまい、ほかの受験者を意識し過ぎて、「こう見られたい」という自分をとりつくろってしまったことが何度かありました。そうすると得てして、本当に伝えたかった動機や思いが伝えられなくなってしまい、結果落ちてしまうことが多かったんです。慣れてくると、こちらも「選ぶ」という意識を持って面接に臨むことができるようになり、精神的にも余裕を持って話すことができるようになりました。

 

一日に面接が何回も続いたり、あまり面接がうまくいかなかったりしたときには、そのまま美術館やギャラリーに足を運びました。リクルートスーツ姿はかなり目立っていたと思いますが(笑)、気落ちした時にこそ、好きなことをして発散しようと。個人的には就活中だからといって、極端に趣味の時間を削るのは良くないと思います。好きなことは、モチベーション維持のために活用できるはずです。

 

就活後半にかけて、始める前に持っていた「なるようにしかならない」という若干後ろ向きだった思いが、「なるようになる」という前向きなものに変わっていました。就活では、精神面のコントロールがとても大切です。必要以上に気持ちが沈んでネガティブになると、エントリーシートや面接でアピールするべき自分を見失ってしまいます。私は、新しい人とたくさん出会えて、なおかつその人たちが自分の話を親身になって聞いてくれることに、就活の楽しさを見出すことができました。何かしらの楽しさを見つけられると、就活はそれまでよりもずっと楽になります。

 

低学年のときに注力していたことは?

とにかく、自分のやりたいことを精一杯やろうと思っていました。勉強会の主催もその一環です。また、会いたいと感じた人には、年齢にかかわらず積極的にこちらから働きかけてお話をさせていただいていました。学生だからこそ、しがらみなく人に会うことができます。現在はSNSのおかげで、普通に過ごしていたらなかなか会えないような人にも、簡単にアプローチすることができます。結果的に、勉強会で得たものはその後の進路の指針になり、人に会う習慣は面接で物怖じしない度胸をつけてくれました。「就活のために…」と低学年のうちから合同企業説明会などに参加することも貴重な経験にはなると思いますが、純粋に自分のやりたいことを真摯にかつ主体的に取り組んでいれば、自ずとそれが就活にもつながってくるものだと、私は思います。

 

就活スケジュール

大学3年12月
就職情報サイトに登録し、本格的に就活をスタート
リクナビなどの就職情報サイトに登録し、志望業界の会社の募集を念入りにチェック。留学の影響でスタートが遅れた分かなり不安もあったが、先に就活を始めていた友人たちにアドバイスを得るなどして、効率の良い情報収集を心がける。
大学3年1月
積極的に説明会参加
一つひとつの説明会で、何を知りたいのか、何を聞きたいのか、事前に目的をはっきりさせて臨んだ。また、業界研究のために、教育関連の講演会やシンポジウムにも積極的に参加。こうして足を運んで手に入れた生の情報は、後々の面接などで大いに役に立つことに。
大学3年2月
エントリーシートの提出ラッシュ
誰にでも書ける内容ではなく、日々の生活や説明会で感じたことなど、固有の経験を交えた“自分の志望動機”を作るように意識。書いたエントリーシートは、大学の就職課に勤めている知人に見せ、助言をもらった。エントリーシートで落ちることはほとんどなかったので、自信につながった。
大学3年3月
「Biz-IQ」を利用して先輩訪問

この時期にようやく落ち着いた時間ができたので、「Biz-IQ」というSNSを利用して先輩訪問を開始。先輩のプロフィールや職歴の詳細を確認できるので、自分の聞きたいことに対して明確に答えてくれそうな人を選んで話を聞くことができた。エントリーシートの作成前にもっと積極的に先輩訪問をやっておけば…という思いも。
大学4年4月
面接ピーク、希望業界で内々定をもらう
面接前には必ず、エントリーシートに書いた内容を確認。また移動中の電車内などで、受け答えのイメージトレーニングを繰り返し行った。4月下旬に志望度の高かった企業から内々定をもらうが、一時保留。まだ選考が始まっていない志望度の高い一部の企業を残して、進んでいたほかの企業の選考は辞退した。
大学4年5月
就活終了
予定していたすべての選考が終了。内定を保留していた企業に、正式に受諾の連絡を入れて、就活を終える。

就活ファッション

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スーツは「THE SUIT COMPANY」で購入。肩幅が広いため、ジャケットの形選びには気を使った。ボトムスは好みでフィット感のあるパンツを愛用。靴はストラップパンプスで、とにかく歩きやすさを重視。平均的な身長なので、ヒールの高さはそこまで気にしなかった。

 

取材・文/西山武志 撮影/刑部友康

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