総合商社内定 明治大学 片桐竜馬さん

就活データ
志望業界:商社、食品、メーカーなど 説明会参加:43社(うち合同会社説明会3回) 先輩訪問:25人(商社15人、食品5人、メーカー5人) エントリーシート提出:35社 面接:20社 内定:4社(メーカー3社、商社1社) 活動費用:14万8000円(交通費4万円、スーツなど洋服代7万円、書籍代5000円、外食費3万円、筆記具など雑費3000円。「好きなものを着る」という思いがあったので、スーツにはお金をかけた。証明写真はカメラマンの友人に撮ってもらったので費用はかからず)

将来の展望につながったのは、海外と父親への憧れ

「国と国をつないで仕事を作り、ビジネスで世界を変えていける仕事に就く」…これが僕の、就活スタート当初からの一貫した目標でした。こう思う背景には、2つの原体験があります。

 

1つ目は、留学です。中学3年のときに、友達に借りて初めてアメリカのテレビドラマを観たんですね。あくまでもフィクションとはわかっていたんですが、その中に描かれているスケールの大きいライフスタイル――日常的にホームパーティーやイベントが行われているような非現実的な世界に、僕はすっかり魅せられてしまって。以来、アメリカの音楽や映画などを好むようになって、「いつか絶対行ってやる」と思っていました。そして、大学3年のときに1年間休学して、ついにアメリカ・オレゴン州の学校へ語学留学に行ってきたんです。

 

実際に行ってビックリしたのは、集まっている人種の多さです。日本では、周りを見渡せばほとんどが同じ日本人ですよね。向こうではまず、そんなことはあり得ない。僕が滞在の後半に住んでいた所は学生寮のような施設だったのですが、そこには15カ国50人の住人がいました。学校のクラスメイトも出身国はさまざま。それぞれ持っている文化も母国語も違うから、だからこそアメリカでは“言わないと伝わらない”んです。日本のように空気を読む、なんてことはありません。主張しなければ、いないのと同等なんです。そういった刺激的な異文化に触れることで視野が広がりましたし、「日本に閉じこもっていたらダメだ、世界で渡り合える人間になろう」と思うようになりました。

 

2つ目は、父親の存在です。僕の父親は食品メーカーに勤めています。そこで、就活を前にして、あらためて仕事の話を聞く機会を作りました。僕の「なぜ今の仕事を選んだのか」という問いに対して、父親は「人に幸せを提供したい。ただ、自分にはアーティストや作家がやっているように、何かを生み出して直接的に幸せを提供することはできない。だから、人々が好むものを作る手伝いをして、間接的にでも誰かの幸せにつながるような仕事がしたかった。たとえ、自分のやったことが表立って評価されなくてもな」と答えました。素直に、すごくカッコイイなと感じたんです。と同時に、「この人を超えたい」とも思いました。父親の勤め先は、日本では誰でも知っているような商品を作っている有名企業です。しかし、その名前はほとんど海外で知られてはいません。父が日本に幸せを生み出しているのならば、僕はそれを超えるために、世界に幸せを提供できるような仕事をしよう…そう心に決めました。

 

先輩の夢を聞くことで、就活のモチベーションにアクセルを

就活で最も大事にしたのは、先輩訪問です。「まずは人に話を聞かなければ何もわからない」と思い、本格的に就活を始める前段階からどんどん社会人に会って話をうかがいました。最初は父親に紹介してもらい、その後は会った方にまた別の人を紹介していただいて、就活中は毎週1~4人ほどのペースでコンスタントに先輩訪問を繰り返していました。専用のノートを作って事前に質問を準備して、話のメモは事細かに取りました。会った際に必ず聞いていたのは、その方の「夢」です。これは、公私それぞれについてうかがっていました。そこから、今どんな仕事をしていて、どういう目標を持っているのか、どこにやりがいを感じているか…などといった前向きな話を聞けると、自らの就活に向けてのモチベーションも自然と上がっていきました。先輩訪問は面接の練習にもなりますし、毎回とても得るものが多かったです。

 

企業選びにあたってのキーポイントは、個別の会社説明会でした。僕は、その会社の人事の方との相性が、ものすごく大切だと考えています。なぜなら、その会社の社員選びを主導しているのは人事であり、「人事の方との相性≒会社との相性」と感じていたからです。もちろん、一概にそうと言い切ることはできませんが、自分の経験則では間違いなく大きな指標となっていました。会社説明会は選考前にその会社の人事の方と直接会える貴重な機会なので、少しでも興味を持った企業があれば、なるべく参加するように心がけていました。

 

一番の反省点は、テストセンターの対策が不足していたことです。早い時期から参考書を買って少しずつ読むようにはしていたのですが、長い期間ダラダラとやっていても効果は薄かったかなと感じています。問題を解くスピード感や、企業による形式の差異などに戸惑ってしまい、ほとんど落ちることはないだろうと思っていたこのテスト段階で、何社か落ちてしまいました。テストセンター受検というのは言わば門前払いのようなもので、ちゃんと勉強さえすれば誰でも受かるはずです。そこで落ちてしまって、面接で直接自分の想いを伝えられないというのは、自分の怠惰のせい以外の何物でもなく、本当に悔いが残ってしまいます。テストセンターは受検する前に、その会社のテスト形式などをリサーチして、短期間で集中的に勉強するべきだったと思っています。

 

面接は、今振り返っても思い残すことなくやりきれたなと、自信を持っています。一時期、面接中の相手の評価がとても良かったにもかかわらず落とされてしまったときに、人間不信に陥りそうになったこともありました。しかし、父親の「お前を落とす企業なんて、こっちから願い下げだ。それくらいに思っておけ」「どうせ1個しか受からない。その1個が、お前の行くべき場所だ。落とされた所なんてイチイチ気にするな」という言葉に、助けられました。就活中は母親も食事や身だしなみなどいろいろなことに気を使ってくれて、本当に両親には感謝してもしきれないです。周りに内定が出始めて焦り出したときにも、自分が何のために就活をしているのか――「世界の人の幸せを生み出すため」という初心に帰ることで、常に自分らしく堂々と想いの丈を話すことができました。最終的には4社から内々定を頂くことができ、その中でも最も海外展開への期待が高く、大きなビジネスの可能性を秘めている総合商社で働くことを決意しました。いつか、海外で活躍する日本人のロールモデルとなるようなビジネスマンになりたいです。

 

低学年のときに注力していたことは?

「やりたいことを思いっきりやろう」と思っていました。サークルの友人たちと頻繁にサッカーをしたり遊びに行ったりして、毎日をひたすら楽しく過ごしていました。逆に言えば、「やりたくないことを、無理にやらない」という気持ちもあったと思います。なんとなく将来のためなどと思って、早いうちから就活のためのセミナーや勉強会などに参加しても、まったく意味はないだろうと。そういう場は、本当に自分にとって必要だと感じたときに、足を運ぶべきじゃないかと感じています。

 

後輩たちには、とにかく「今しかできないような遊び方」をしてほしいなと思っています。人によって、それは海外に行くことであったり、なにか大きなものを作ることであったりと、その形はさまざまです。僕にとっての留学は、自分の進路を形成した大きな遊びのひとつでした。必ず遊びの中で、たくさんの人とコミュニケーションが生まれます。その積み重ねが、就活の原動力となるような、大きな夢や目標につながるはず。10年後、20年後、自分はどんな人間になっていたいか…そんなことを漠然と考えながら、全力でやりたいことをやりつくして、めいっぱい学生生活を楽しんでほしいです。

 

就活スケジュール

大学3年10月
父親の紹介で先輩訪問をスタート
まずは先輩に話を聞かなければ始まらないと思い、父親に紹介してもらったメーカー・商社などの先輩に、就活の基本的なことからアドバイスをうかがった。話を聞かせてもらった先輩にまた別の方を紹介してもらえるようお願いをして、その後も面接が本格化するまでは、毎週1~4人ペースで先輩訪問を行った。
大学3年12月
学内説明会に頻繁に参加する
空き時間があれば、大学内で開催される明治大学生向けの企業説明会にできるだけ参加。学内説明会は、周りは同じ大学の学生なのでリラックスして話を聞けるし、なにより今まで知らなかった企業に興味を持てるチャンス。そして、わざわざ大学まで出向いて説明会をしてくれる企業は、自分の大学に対するニーズが高い企業だと、プラスの判断材料になった。
大学3年1月
個別の会社説明会に足を運ぶ
最終的に人を見なければその会社の実態はわからないので、志望企業の説明会には必ず参加した。その際、必ずひとつは質問するように。実際にコミュニケーションを取ることによって、その人・その会社との相性を推し量った。
大学3年2月
エントリーシート提出のピーク
毎日のように締め切りがあり、多い時は1日4つのエントリーシートを仕上げて送った。手帳に各企業の締め切りを色付きで記入して、漏らさないように注意した。また、この時期は人に会う機会が少なくなるので、就活関連の予定がない日にはなるべく先輩訪問を入れるようにした。
大学3年3月
テストセンターの受検が始まる
12月から少しずつ勉強を重ねてきたつもりだったが、テスト形式ごとの対策などが行き届かず、いくつか落ちてしまった。テストセンターで落ちてしまったことには、かなり後悔が残っている。
大学4年4月
面接開始、伝えきることを目標に
面接では、相手の反応を見ながらも合わせすぎずに、「自分の考えていることと、夢を伝えきること」を大切に。自信を持って、言いたいことを言い切れたので、面接で悔いを残すことはなかった。
大学4年5月
内定先の検討
ひと通りの就活を終えた結果、複数の企業から内々定を頂いていた。最後に、再度自分と向き合って、自分の夢に一番近づける企業を選んだ。

就活ファッション

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リクルートスーツが嫌いだったので、スーツは薄くストライプの入った比較的カジュアルなものと、無地のものを企業によって使い分けた。周りからは「そんな格好で大丈夫なのか」と何度も言われたけれども、服装について指摘されることは一度もなかった。ネクタイは3本用意して、その日受ける会社のイメージカラーに近いものを選択。靴は毎日磨いて手入れをした。

 

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

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