政府系機関内定 慶應義塾大学 水上貴裕さん

就活データ
志望業界:特になし 説明会参加:60社 先輩訪問:20人(金融10人、マスコミ7人、メーカー2人、商社1人) エントリーシート提出:35社 面接:26社 内定:1社 活動費用:約32万6000円(交通費8万円、クリーニング代4万円、外食費20万円、証明写真1000円、封筒・郵送代5000円。証明写真はスピード写真で撮ったものをスキャナで取り込みサイズを調整し、それをコンビニの写真印刷サービスでプリントして節約。面接後の外食は自分へのご褒美と割り切って、かなり贅沢をした)

インターンシップ選考の失敗から学んだ仕事選び

僕の就活は挫折からのスタートでした。3年の夏に、そろそろ就活のためにインターンシップを経験したいと思い立ち、いろいろな企業のインターンシップ選考に手当たりしだい応募。広告会社・テレビ局など誰でも知っている有名な企業や、外資系金融・IT会社などハッキリ言ってしまえばミーハーな選び方をしていました。結果、面接では「自分が何をしたいのか、何を思って応募したのか」という話がうまくまとまらず、15社受けた選考すべてに落ちてしまったんです。そこで「それなりの大学で、それなりの経験をしてきたから、普通に通るだろう」というおごった気持ちがあったことに、気づきました。

この失敗を深く反省し、就活に対する考え方を根本から改善しようと試みました。それまでは“自分のやりたいこと”をベースにして、企業を見ていました。しかし、これまでの経験を振り返って、「自分はどこにいても、その場所で“自分のやりたいこと”を見つけることができる」と気づいたんです。だから「自分ができること、人より秀でていること」――メディアやIT業界のような華やかな舞台で顧客受けするものを生み出すことではなく、政治や経済の関心を生かして、実直かつ真面目に顧客を支える“縁の下の力持ち”のような役割を担うこと――をベースに企業選びをしていこうと方向性を固めました。

3年の10月になって、もう一度インターンシップの選考に応募しました。今度は、銀行や保険業界を中心に、自分の適性や性格と企業の風土を照らし合わせて、ここなら「自分の力を生かせる」と思った企業を厳選。結果、5社受けて4社のインターンシップに合格できました。インターンシップ期間がかぶってしまったり、大学のゼミ論文の準備があったりなどで、12月までは毎日のように朝早くから終電まで、勉強とインターンシップ詰めのハードな状況が続いて生活はかなり荒れてましたね(笑)。ただ、この忙しさを乗り越えたことで「働くことへの覚悟」ができて、社会人になることに対するプレッシャーが少し軽くなったように思います。

そしてインターンシップの経験を積んでいくうちに、自分の中で志望する仕事の像が、3つに絞れてきました。「一人ひとりの責任が大きいこと・業界横断的な働き方であること・海外への展開があること」です。責任感と好奇心が人一倍強い自分にとって、これらの要素は求めるものであるとともに、適性であるとも感じていました。ことに海外への展開については、大学で国際貿易論・開発経済学を専攻していたので、その知識を存分に生かせるだろうと考えたんです。これら3つを満たした上で、日本のためになるような、公共性の高い仕事ができれば…という想いを胸に、エントリーする企業を選んでいきました。

落ち込んだときには、「自分は何がしたいのか」という原点に立ち返る

就活では「対会社よりも対人」という意識を持って、人と向き合うことを何よりも大切にしました。先輩訪問では、少し調べればわかるような会社についての情報などではなく、どうしてその会社に入ったのか、どんな目標を持って仕事をしているのかなど、その人にしか聞くことができない内容について話をうかがいました。相手を理解して、その相手が今の会社でどんな働き方をして、何を感じているのか…そこから見えてくる会社像は、自分にとっては何よりも確かなものでした。

そのおかげで、僕の書くエントリーシートは、とても人間味のあるものになったと思います。実際に先輩訪問で会ったその企業の方への尊敬や憧れを具体的に盛り込み、企業への志望動機につなげました。自分で書ききっただけで満足せず、定期的に友人とエントリーシートを見せ合う機会を作り、「他人に見られたときの評価」を必ず参考にするよう心がけたのも良かった点です。人間味というポイントは面接でも重要でした。ホームページを見れば誰にでもわかるような情報を志望動機に盛り込んで話すと、明らかに面接担当者に「またその話か…」という表情をされたことが何度かありました。やはり、面接でもエントリーシートと同様に人ありきの動機を伝えることで、自分の思いがより強く相手に届きやすいと思います。

就活で一番苦労した点は、メンタル面のリカバリーです。もともと浮き沈みの激しい性格ではあったので、面接での受け答えでミスをしたり、志望度の高い企業の選考に落ちてしまったりすると、ほかの選考に影響が出かねないほど気分が沈んでしまいました。そんなときには、必ず自分の原点に立ち返って「自分はなぜ働きたいのか、どんな仕事がしたいのか、それが達成できるのはどの会社か…」と、選考が続いている企業を一から見直すことに。こうしたリサーチを何度も繰り返したからこそ、「本当に自分のやりたい仕事に合致している」と確信が持てる企業を見つけることができました。自分の適性に合った金融関連で、日本のため・世界のためという公共性の高い仕事ができる場所――それが現在の内定先、開発途上国への国際協力を行う政府系機関です。業務上、日常的に英語を話す環境で、僕は現時点でそこまで英会話能力がないことには不安を感じています。でも、経済を発展させるようなインフラ開発や、不安定な行政システムを改善するガバナンスの向上など、取り組みたいことはたくさんあります。それらが早くできるように、これから卒業までの期間、語学や経済の勉強などに力を入れていきたいです。

低学年のときに注力していたことは?

「まずはやってみよう」という好奇心を持って、何事も積極的に挑戦しました。やらずにあきらめて後悔するよりも、できるかどうか・合うかどうかは別にして、まずはやってみる。取り組んでみなければ、向き不向きはわかりません。僕は今でも地方学生会・学術・趣味など、それぞれまったく異なる分野のサークルに4つ所属しています。以前はスポーツ系のサークルにも入っていました。やりたいと思ったことは、やらなければ後悔が残ります。「ヒト・モノ・コトとの出会い」はいつでも不意にやって来るので、そのタイミングを逃さずに飛びつくための瞬発力は大事にしていました。

あとは、いろいろな人のいい所をまねすること。大人だけではなく、身近な友達も立派な先生です。自分ひとりではわからないことに、たくさん気づかせてくれます。とりわけ話し方に関しては、塾の講師や政治家、タレント、俳優の方のテクニック(抑揚や緩急など)を参考にすることで、だんだんうまく話せるようになっていきました。

就活スケジュール

大学3年6月    
手当たり次第インターンシップに応募するも全滅
本格的な就活の開始前に就業経験を…と考え、有名企業などを中心に15社のインターンシップに応募したが、すべて落とされてしまう。企業選びに対する姿勢や、自分の短所と真剣に向き合うキッカケとなった。
大学3年10月
反省を生かして再チャレンジ。複数のインターンシップに参加
自分の適性を見極めて、インターンシップ先を厳選して応募。面接では要領よく簡潔に話すことを心がける。結果、保険・金融などの業界で、複数のインターンシップ選考に通過。授業との両立に苦心しながら、さまざまな会社で経験を積んだ。
大学3年12月後半
インターンシップの影響で少し遅れてエントリー開始
かかわっていた議員インターンシップの活動が忙しく、周りより本格的な就活のスタートが遅れてしまった。焦りはあったが、業界研究についてはインターネット上の情報だけに頼らず、日本経済新聞を読みあさるなどして、丁寧な情報収集を心がけた。
大学3年1年
積極的に先輩訪問をする
大学の就職課に行って先輩方の連絡先をゲット。メールではなく、手紙で先輩訪問の依頼を送る。メールで依頼をしていた周りの学生よりも、実際に会える割合は高かった。また興味のある企業の人事部に直接「先輩訪問させていただけませんでしょうか」とお願いのメールを送ることも。こちらも成功率は高かった。2月まで、2、3日に一度のペースで先輩訪問を繰り返した。
大学4年4月前半
短期間に面接ラッシュ
志望先の面接が4月前半に集中したため、毎日平均で4社ほどの面接をこなす。1日に複数社の面接があって時間の調整が利く場合、志望度の高い企業の面接を遅い時間にして、最後まで集中力が切れないように工夫した。4月の半ばに現在の内定先から内々定をもらった時点で、ほかの選考は辞退。

就活ファッション

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スーツや靴などは塾講師のアルバイトで着用していたものをそのまま使用。リクルートスーツというわけではなかったが、それが問題になることはなかった。常に身なりの清潔感を保つため、ワイシャツなどで2日に1度はクリーニングを利用した。費用はかさんでしまったが、一人暮らしの上に、4月は面接が立て続けに入って帰りも遅かったため、ほかの作業の時間を確保するためにも必要な出費だったと感じている。

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

 

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