カード会社内定 大妻女子大学 山崎里恵さん

就活データ
志望業界
:インフラ、専門商社、メーカーなど 説明会参加:31社(うち合同企業説明会1社) 先輩訪問:19人(インフラ7人、放送6人、映画配給会社3人、商社2人、広告1人) エントリーシート提出:15社 面接:10社 内定:1社 活動費用:約8万8000円(交通費2万円、スーツ4万円、カバン1万2000円、外食費1万円、証明写真3000円、郵送費3000円。書籍代は兄が使っていたもの、学校の図書館で借りたものを使用したのでかからず。面接の合間に外で昼食を取るときには、牛丼チェーン店などを利用して節約)

アナウンサー志望からの転向の決断

就活を本格的に始める前は、ずっとアナウンサー志望でした。きっかけは、大学1年次に非常勤講師だったアナウンサーの方の講義を受けたことです。その方から、日本語の美しさや発音の奥深さについて学んでいくうちに、やがて「先生と同じ仕事がしたい!」と思うように。高校時代に部活で取り組んだ演劇や、大学で放送研究会に入ってやったラジオDJなどの経験を通じて、以前から声に携わる職業に漠然と憧れを抱いていて、先生との出会いによって、その憧れが具体的な目標に変わったんです。大学1年の12月からアナウンサースクールに通い始め、それからは「自分はアナウンサーになるんだ」と自己暗示するほどに、ほかの職種には見向きもしていませんでした。

 

大学3年になって周りが少しずつ就活モードになる中で、私はもっとアナウンサーの仕事の現場を知ろうと思い、先輩訪問を始めました。しかし、現職のアナウンサーの方や、元アナウンサーでほかの仕事をしている方にお話を聞いていくうちに、「自分は本当にアナウンサーになりたいのか…」と疑問を感じるように…。

 

自分が心から好きでこだわっているのは、声に気持ちを込めることや、美しい発声をすることであり、それが一番生かされるのは“朗読”というフィールドでした。アナウンサーという職業は、純粋に声の質を追求していくわけではなく、ジャーナリズム精神やバラエティのセンスなどさまざまな要素が総合的に要求される仕事。その現場は私の追求したい世界とズレがありました。あれこれ悩んだ末に、このフィールドで戦っていくには自分の動機は弱すぎると判断して、アナウンサー以外の道を探そうと決意したんです。

 

一般的な就活に切り替えた当初は、急に視野が広がった企業探しに戸惑いを感じていましたが、徐々に楽しさを感じるようになりました。自分の今までの経験や適性などを顧みて、企業規模の大きくない専門商社やメーカーを中心にリクナビで検索。そこには釘やドアノブ、ちょうつがいなどを専門的に扱う会社もあって、「普段自分の気にも留めないものにも、人の手が丁寧に行き届いているんだ」と、とても感動したんです。そんなきっかけから、人の生活を支えるニッチな業界に携わりたいと思うようになりました。また、大学3年の夏に新卒マッチングイベントに参加したのですが、そこで出会ったインフラ業界で働く先輩がとても素敵だったので、インフラ系の企業も視野に入れていました。

 

12月からのエントリーが始まるまでの間は、“就活”を口実にして、サークルや所属していた学生団体の知り合いづてに、たくさんの大人に会いました。就活が本格化する前に、自分なりの “目指すべき社会人像”をあらためて把握したいと思ったからです。そこでは、仕事や就活のことばかりではなく、その方のプライベートや日々の生活で感じることなど、多岐にわたってお話をうかがうように。それまで、私にとって社会人というのは「常に真面目できちんとした存在」であり、自分もそうならなければならないんだというプレッシャーを感じていました。しかし、いろいろな大人に会ってそれぞれ違う価値観に触れたことで、「自分は自分のままに大人になっていい、無理をしなくていいんだ」と思えるようになり、とても気が楽になりましたね。

 

自分の“当たり前”を見直して、自己アピールにつなげる

12月にエントリーを開始してからは、機会損失にならないよう少しでも気になった会社はなるべくエントリーするように心がけました。全部で150社ほどはしたかと思います。説明会やエントリーシートの締め切り情報などは逃さないよう、メールは毎日数回こまめにチェックして、情報管理を徹底。その中でさらに気になった企業があれば、必ず個別の企業説明会に参加しました。そこで働く人と実際に対面して何を感じるかが、自分にとって一番大事な会社選びのポイントでしたね。

 

今の内定先は金融業で、当時はまったくと言っていいほど興味を持っていなかった業界でした。会社情報を一目見たときの「なんとなく雰囲気が合うかも…」という直感を頼りに、説明会に参加したんです。そしたら、そこでの学生たちへの対応がそれまでのどの企業よりも丁寧で、本当に学生の立場になって気を使ってくださっていて。「この方々と一緒に働けたらいいな」と、強く感じられたんです。ともあれ、業界自体に興味を持てたわけではないので、金融はこの会社のみで、あとは以前の志望通り専門商社やメーカーを中心に選考を受けました。

 

エントリーシートでは、自分の“当たり前”を見直して自己アピールにつなげました。例えば、私は10年以上日記を書き続けています。私にとって、それはほかの人たちもやっている当たり前なことだと思っていたのですが、就活を機にそれが決して当たり前ではないということに気づいたんです。同じように、サークルで当たり前のように気をつけていたことや、授業で当たり前のように意識していたことなど、自分のさまざまな“当たり前”から、「時間に余裕を持ってタスク管理ができる」「他人のニーズを親身に聞き出すことができる」などの自分の強みを見いだすことができました。そうした身近でわかりやすいエピソードは、面接などで話したときにも相手の共感が得られやすかったように思います。

 

就活を続けていると、段々と当初の目的意識が薄れていって「内定がゴール」と思ってしまいそうになることがありました。そうなると、格好つけたことを言ってしまったり、しっかりとした人間を演じようとしてしまったり…。無理をしているのが伝わるのか、面接担当者の反応も思わしくありませんでしたね。このままじゃダメだと思った際に、一度冷静になって「内定はスタート、決してゴールじゃない」と気持ちを入れ替えたことで、その後は自然体で面接に臨めるようになりました。

 

選考が進んでいくうちに、現在の内定先の志望度はぐんぐんと上がっていきました。説明会で感じた通り、皆さん温かい方々ばかりで、親身になってこちらの話を聞いてくれました。「相性がいい」と言ってしまうと漠然としてしまいますが、心からそう思える企業に出合えて、本当によかったです。

 

低学年のときに注力していたことは?

私は、大学生活ではずっと声にかかわる活動に携わってきました。中でも“朗読”は、特に力を入れたことです。最初は週一で先生のレッスンを受けていただけの個人的な活動でしたが、東日本大震災後に被災地へボランティアとして朗読をしに行ったのをきっかけに、いろいろな場所で発表するようになりました。また、所属していた学生団体では電子書籍の編集に携わり、さまざまな大学から集まったメンバーのまとめ役を任されました。

 

何かに打ち込めるものがあると、時間はあっという間に過ぎていきます。その時間は振り返ったときに、とても有意義な経験として心に刻まれました。そうした経験は、回り回って自分を突き動かす確かな“自信”につながるんじゃないかなと、私は思っています。

 

就活スケジュール

大学3年8月
アナウンサー志望から、志望を転向
友人を頼りに就活に関するスケジュールなどの情報を集めつつ、リクナビを使用して企業研究をスタート。
大学3年12月
企業へのエントリー開始
エントリーは悔いを残さないよう、少しでも気になったらしておく。その代わり、流れてくる選考情報のメールが膨大な量になるので、情報管理はこまめに、かつ丁寧に。
大学3年1月
説明会へ参加
実際に企業に勤めている人たちの学生に対する対応や話し方をよく観察して、自分と会社との相性を推し量る。
大学3年3月
就活と課外活動の両立
大きな朗読の発表会があり、その準備と就活でパンク寸前に。ただ、どうしてもやりたかった発表会だったので、最後まで責任を持ってやり遂げた。結果的に、ここで妥協しなかったことが、その後の自信につながった。
大学4年4月
面接のピーク
面接では無理に取り繕わず、しゃべりやすい言葉を選んで、心をこめて話をした。落ちたときには「自分をすべて否定されたわけじゃない、その企業と合わなかっただけ」と自分に言い聞かせる。
大学4年5月
内定を頂いて就活を終了
現在の内定先から内定をもらって、ほかに進んでいた選考をすべて辞退し、就活を終わらせる。

就活ファッション

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スーツはINED、洋服の青山で購入した3着を着まわし。ブラウスは企業によってレギュラーカラー、スキッパーカラーを使い分けていた。靴は説明会用と面接用の2足を用意。髪形はハーフアップがメイン。コテで内巻きにして、できるだけシルエットがキレイに見えるように意識してセットした。

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
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