化粧品メーカー内定 早稲田大学 江端大介さん

就活データ
志望業界
:メーカー、ITなど 説明会参加:40社(うち合同企業説明会10回) 先輩訪問:20人(メーカー13人、教育5人、広告1人、鉄道1人) エントリーシート提出:70社 面接:30社 内定:3社(化粧品メーカー、IT企業、地方銀銀行) 活動費用:約21万4000円(交通費5万円、スーツ2着6万円、靴2足5万円、外食費3万円、証明写真4000円、書籍代8000円、セミナー代1万円、郵送代・筆記具代など雑費2000円)

夏のインターンシップで思い知った、就活生としての自分の現在地

ゼミではマーケティングを専攻し、OA機器メーカーと提携して実践的な演習をしていました。さまざまなフレームワークを活用しながら現状分析をし、業績向上につながるような新しいサービスを模索。最終的には企業の役員にプレゼンをして、細部にわたってフィードバックをいただきました。この演習を通して「世の中にまだ存在していないものを考える」ことの難しさと楽しさを知り、将来的に仕事にできればと考えるように。とりわけ、広告などの形なき“コト”を生み出すものではなく、製品などの形ある“モノ”を作り出すことに魅力を感じていたので、就活開始当初から志望の中心はメーカーでした。

 

就活は、まず先輩訪問から。何もわからない状態だったので、まずは経験者の話を聞こうと思ったんです。先輩探しにあたっては、いろいろな方法を試してみました。はじめに、大学の就活課で見せてもらえるOB・OGリストを利用しましたが、かなりご年配の方や連絡先が古くて届かないものも混ざっていて、あまり効率のよい方法ではないなと感じました。それからはSNSを積極的に活用するように。ブログで見かけて気になったメーカーのマーケティング部門勤務の方には、そこに付記されていたTwitterのアカウントにリプライを送って連絡を取って、訪問の約束を取り付けました。また、「茶会人訪問」というFacebookのアプリを活用。掲載されている社会人の方は先輩訪問を快諾されているのでほぼ確実に会える上、「就活生のために何かしてあげたい」というモチベーションの高い方々なので、親身になって話を聞いてくれました。僕がこのSNSを通して出会った先輩の中には、「質問力がない」「メールの文章の礼儀がなってない」などと、叱ってくれる方も。具体的に自分のどこが良くて、どこが悪いのか指摘してもらえたことで、自分がこれからどんな意識を持って就活に臨んでいけばいいのか、指標を明確にすることができたんです。その後も、何か壁にぶつかって気分が落ちたときには、モチベーションを上げるために先輩訪問をしていました。

 

僕の就活中の大きなターニングポイントは、夏のインターンシップ選考です。本選考のシミュレーションとして、業界にこだわらず20社ほど受けましたが、通過したのはたったの2社。うち1社はほとんど抽選のような形だったので、自分の力で通ったのは1社のみ。エントリーシートの段階でも6社ほど落とされましたが、それ以上に自分の経験不足を痛感させられたのは面接、とりわけグループディスカッションでした。グループディスカッションは、慣れていない学生ばかりが集まっていると、問題解決に向けて「とりあえずアイデアを自由に出してみる」といった流れになります。しかし、できる学生がひとりでもいれば、「問題の再定義から現状分析へ…」と流れるように議論全体を設計していきます。今までゼミで議論は繰り返してきたつもりでしたが、このような場になれている学生に対して、まったく歯が立ちませんでした。選考にほとんど通らなかったこと自体よりも、できる学生との能力差を目の当たりにしたことで、僕の就活に対する意識がよりシビアなものになったのです。

 

現状に危機感を覚えた僕は、知識の習得と場慣れのために、就活関連のセミナーに積極的に参加しました。面接やグループディスカッション対策など実践的な講座を中心に、有料のものを含め10以上のセミナーを受講。無料のものも内容は充実していてとても役に立ちましたが、有料のものは参加者の意識が高く、より本番に近い緊張感で演習ができました。セミナーは主催側が信頼できる母体であれば、そこまで内容的にハズレだなと感じるものはありませんでした。ただ、参加対象が初心者や特定の業界に限定されている場合があるので、その点には注意が必要です。

 

とにかく身体が資本、規則正しく健康的な生活リズムを

自分が志望の中心としていたメーカーのエントリーシートは、長くて時間のかかるものが多かったので苦労しました。最初は堅苦しい表現を多用して、格好つけた文章を書いていましたが、なかなか通りませんでした。このままではダメだと思って、先輩やセミナーの講師の方に見てもらうように。そこでもらったアドバイスを参考にして、難しい漢字やカタカナ語を使わないようにし、結論を先に述べて具体的な数値を入れるなど、わかりやすいエントリーシートにするように注力。それからは、エントリーシートで落とされないようになりました。出し始めから通らない時期が続いて落ち込んだときも、夏のインターンシップでの失敗経験があったからこそ、すぐに気持ちを立て直すことができたんだと思います。

 

しかし、就活が軌道に乗り始めていた3月に、思わぬアクシデントに見舞われました。急性胃腸炎で倒れ、1週間の入院を余儀なくされたのです。そのため、エントリーシートの提出や面接をいくつかあきらめなければなりませんでした。せっかくのチャンスを、自分を見てもらえずに逃したかと思うと、本当に悔しかったです。大きな原因のひとつは、就活中の不摂生でした。一人暮らしのため、食事が面倒くさくなりカップラーメンばかりになってしまい、睡眠時間もまちまち。そんな不規則な生活習慣を反省し、退院後はどんなに忙しくても食事と睡眠はしっかり取るように心がけました。どんなときでも、やはり身体が資本です。一人暮らしの皆さんには、特に健康面には気をつけてほしいなと思います。

 

4月に入ると毎日のように続く面接ラッシュ。一度、とても志望度の高い企業に落ちて、とても悔しい思いをしました。しかし、これまでのセミナーで十分練習を積んで、本番では自分の力を出しきれたという手応えがあったので、後には引きずりませんでした。最終的に、地方銀行とIT企業、化粧品メーカーの3社から内々定を獲得。「形あるものを生み出して、たくさんの人の役に立ちたい」という当初からの目標に立ち返り、化粧品メーカーのマーケティング部門に行こうと決意しました。

 

僕は、「就活が楽しかった」とは決して言いません。楽しいこともあるけれど、つらいこともたくさんありました。楽しめるに越したことはないと思いますが、無理やり「就活楽しい!」と思い込もうとすると、それは精神的な負担になります。ただ、卒業後に社会に出て働く以上、就活は通らなければならない道です。肯定的にでも否定的にでも、自分なりの角度から、しっかり向き合うことが大事なんだと、就活が終わった今では感じています。

 

就活中に、「もっと早く将来についてのビジョンを持てていたら、インターンシップで出会った彼らのように、もっと効率よく就活ができたかもしれない…」と、どうしようもない後悔をして、ふさぎ込んだこともあります。そんなとき、助けてくれたのは大学の友人と両親です。悩んだときに親身になって話を聞いてくれて、自分に対して過小評価しがちな僕に対して、「お前にはこんないいところがある」と励ましてくれました。この就活、決してひとりでは乗り越えきれなかったと思います。だから周りには、感謝してもしきれません。

 

低学年のときに注力していたことは?

最も頑張ったこととして記憶に残っているのは、大学2年のときに主催した映画の上映会企画です。東日本大震災後、いろいろな情報に振り回されている周囲の人たちを見て、「彼らのために自分にできることはないか」と考えるようになっていました。そんなときに、たまたま受講していた講義で教授が「原発について描かれた映画の上映会に興味はないか」と聞いてきたんです。僕は「これだ!」と思いすぐに手を挙げて、大学内での映画上映のために各所の調整に奔走しました。

 

そこで一番力を入れたのは、広報活動です。原発問題に積極的に言及している著名人の方にお願いをして、推薦文をもらえないかという交渉をしました。みんなが知っているような有名な方からコメントをもらうことで、原発問題について普段あまり考えない人に少しでも関心を持ってもらいたいと思ったからです。結果、有名ミュージシャンの方などから推薦文をいただくことができて、校内で配ったチラシやSNSを用いた宣伝の反響もよく、上映会当日は300人規模の会場をほぼ満席にすることができました。

 

 

就活スケジュール

大学3年5月
先輩訪問を開始
まず社会人の方にお話をうかがいたいと考え、興味がある仕事をされている方にTwitterやFacebookアプリの「茶会人訪問」などのSNSでアポイントをとってお会いする。
大学3年7月
インターンシップにエントリー。なかなか通らず危機感を持つ
「本番のシミュレーションのためにも、インターンシップはたくさん受けておくべき」という先輩からのアドバイスがあったので、業界をしぼらず20社ほどエントリー。しかし、思っていた以上に選考がうまくいかず、「このままではいけない」と危機感を持った。
大学3年8月
インターンシップに参加する

2社のインターンシップに参加。優秀な学生に数多く出会い、彼らのグループワークでの思考力や発言力を目の当たりにして、自分の力不足を思い知る。これがその後の就活のモチベーションに
大学3年10月
面接やグループディスカッションのセミナーに参加
「とにかく経験を積みたい」と考え、無料の面接セミナーや、有料のグループディスカッションのセミナーに参加。ここで実践的な経験を積めたことが、大きな自信につながる。
大学3年12月
学内の企業説明会に参加
毎週末に学内で行われる企業説明会に必ず参加。外部で開催される合同企業説明会は人が多いばかりで企業の話を十分に聞けなかったが、学内の企業説明会は人数もそれほど多くなく、質問時間も長めに取ってもらえたので、実りある話を聞くことができた。
大学3年1月
個社説明会に足を運ぶ
できるだけ幅広い企業との接点を見つけようと考え、少しでも気になった企業の説明会には時間を作ってなるべく参加。また、面接の経験を積むため、ベンチャーやIT系など選考の早い企業の選考を受ける。
大学3年2月
エントリーシート提出のピーク
毎日のようにどこかのエントリーシートの締め切りがあったので、エクセルで各企業のエントリーシート提出日を管理し、忘れないように工夫した。この時期にも、空き時間には積極的に説明会に参加。
大学3年3月
体調を崩していくつかの選考を辞退
急性胃腸炎で1週間ほど入院。そのせいでかなりの予定をキャンセルすることに。自分の不摂生な生活を反省し、生活リズムを改善。栄養バランスの良い食事を心がける。
大学4年4月
面接開始
4月1日から11日連続で面接を受けた。即日で結果がわかる企業もあり、一喜一憂の日々が続く。それまで面接対策を精一杯やってきたことで、落ちたときにも「これで落ちるなら仕方ない」と引きずらないで、気持ちを切り替えることができた。最終的に複数の企業から内々定をいただき、自分の志望に一番近い企業を選択。

就活ファッション

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スタンダードな黒のスーツを2着。雨に濡れたときのことを考えると、スーツは2着以上用意しておくべきだと考えた。靴も同様。ネクタイは業界によって使い分けた。銀行・メーカーの際にはシンプルな青、IT・ベンチャーの際には少し目立つ紫、など。カバンはA4ファイル、ペットボトルも入る大きさで、置いたときに自立するものが便利だった。

取材・文/西山武志 撮影/鈴木慶子

就活をはじめる以前に、本当はいろんな不安や悩みがありますよね。
「面倒くさい、自信がない、就職したくない。」
大丈夫。みんなが最初からうまく動き出せているわけではありません。

ここでは、タテマエではなくホンネを語ります。
マジメ系じゃないけどみんなが気になる就活ネタ。
聞きたくても聞けない、ホントは知りたいのに誰も教えてくれないこと。
なかなか就活を始める気になれないモヤモヤの正体。
そんなテーマを取り上げて、ぶっちゃけて一緒に考えていきましょう。

みなさんが少しでも明るく一歩を踏み出す気持ちになれることが、
私たちの願いです。