イー・ギャランティ株式会社

みつだ・たつひろ●2008年入社。営業一部 第二課長。慶應義塾大学経済学部卒業。大学時代から株式投資を始め、企業を分析し、今後を予測する面白さに夢中になっていた。就職活動では金融業界を中心に活動。その中で保証ビジネスという新しい事業にひかれ入社を決意。

30人のベンチャー企業が保証ビジネスのパイオニアになる

金融業界に焦点をしぼり就職活動をしていた時、「ちょうど日程が空いていたから」と出席したのがイー・ギャランティの会社説明会だった。30人弱のベンチャー企業で、「保証業」という聞いたこともないビジネスモデル。しかし、売掛債権(※1)のマーケットが日本には200兆円ほどあるのに、保証がかかっているのは2パーセントのみという話に、将来性を感じたという。
(※1)営業活動などにより販売した商品・サービスの未回収代金を顧客に請求できる権利のこと

「イー・ギャランティは、企業間取引で生じる販売代金の未回収など、リスクに備えた保証を提供している会社。倒産などで債権(※2)の未回収が発生したときに、当社が保証金を支払うというサービスを提供しています。欧米では売掛債権の17パーセントに保証がかかっていますが、日本ではビジネスモデルそのものが珍しい。マーケットが未開拓の状態ですし、この会社なら、パイオニアとなって業界をつくっていくことができると思いました」
(※2)金銭の借主に対して貸金の返還を請求する貸主の権利

 

入社し営業部へ配属され、まずは先輩に同行して営業のイロハを学ぶことからスタート。最初に訪問したのは、ダイヤモンドの原石を宝石店に卸す会社だった。
「一粒ずつが非常に高価なため、あっという間に2000万円、3000万円という売掛(代金はあとで受け取ることを前提に商品を売ること)になるのがこの業界の特徴です。売ってから、代金を回収するまで約3カ月ですが、その間に宝石店が倒産してしまったり、社長がダイヤモンドをポケットに入れて夜逃げしてしまったり、ドラマのようなことが実際に少なからず起こるんです。毎月売り上げがあるため、常に3000万円の売掛金を持っているのはやはり不安だと、イー・ギャランティにお問い合わせをいただき、先輩と営業に行くことになりました」

 

イー・ギャランティには、企業側からのお問い合わせが多いため、営業担当が新規開拓をすることはあまりない。全国規模で出す7万件近いダイレクトメールの返信や、全国50行の銀行との提携で入る紹介案件に、営業担当がアプローチしていくのだという。
実際に訪問してからは、お客さまの取引先リストから、どの取引先の保証をしてほしいかを選んでもらう。イー・ギャランティでは、引き受けたリスクを分析、審査し、金融機関や機関投資家に対してリスクを分散させるため資金の分割を行っていく。お客さまは高額なリスクを分散させることにより万が一の際にも低い損失で済む。例えば、1000万円のリスクを100万円に分割すれば、金融機関や投資家が引き受けるリスクも少なくすみ、期待収益率(リスクを引き受けた対価として得る収益の期待値)も低くなるため、保証のコストも低く抑えることができるというわけだ。
「お客さまの取引先のリストから、回収リスクが少ない優良企業と、リスクが高そうな企業とを審査でチェックしていきます。リスクが高い企業を保証した場合、金額は上がってしまいますので、『ここまでカバーしたものだとこの金額』といったように、何パターンかの見積もりを用意し、お客さまに決めてもらいます。ただ、入社した当初はわからないことだらけで、同行先で先輩が何を話しているのか理解するのに必死…。さらに、役員や社長など、企業のトップの方と商談するケースがほとんどなので、商談以外の雑談にもまったくついていけないんです。ゴルフやグルメトークなど、大学を出たばかりの新人には未知の世界。社会人として仕事以外のアンテナを張る大切さを学びました」

 

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メンバーからあがってきた契約書内容をチェック。のちにトラブルになることを防ぐため慎重に内容を確認していく。

 

業績不振は自分の責任。そう腹をくくってからチームが変わっていった

2年目になると、「金融機関が引き受けたリスクを受ける保証」を担当するようになり、契約内容はより複雑になっていく。その一つが、クーポン債権の保証だ。
「例えば、旅行会社などが発行したバウチャークーポン(※3)を、ユーザーは旅館やホテルで使います。クーポンは基本、後払いなので、旅館はクーポンと引き換えに代金を旅行会社からもらいます。金融機関はそのクーポンを旅行会社から買い取り、旅行会社が旅館側に先にお金を支払うことでビジネスが成り立っています。さまざまなクーポンが発行されているので、一つひとつは少額でも、未回収になるとたちまち大きな損害に。万が一、このクーポンを発行している企業や店舗が倒産してしまったらどうするか。そういった“せっかく買い取ったのに不良債権になってしまうリスク”を、イー・ギャランティが保証するのです 」

(※3)特定商品やサービスなどと交換できる引換券

 

金融機関との契約を進めるため、15ページにも及ぶ契約書を一文一文作成し、半年かけて受注に至ったこともあった。
「倒産や失踪などあらゆるケースを想定し、この場合の保証はどうなるのかと、事細かに記していきます。契約相手が金融機関なので、チェックも非常に厳しく、『この条件は飲めません』『この条文は修正をお願いします』など、毎日修正作業に追われて心が折れかけました(笑)。でも、その経験があったからこそ、見積書や契約書を作成する際、どんな点に注意すべきかが大体わかるようになりました」

 

現在は、3人のメンバーを持つ課長として、自らお客さまを担当しながら、チームの営業数字にも責任を持つ立場に。課長になったばかりの2012年は、メンバーのお客さまに対して当事者意識を持てず、極度の業績不振に陥ったという。
「営業担当として自分のお客さまに意識を向けることに慣れ、メンバーのお客さまのことはどこか他人事だったのだと思います。当然ながら、メンバーと同じ熱心さでお客さまと向き合えず、私の距離の取り方にメンバーも敏感に反応。チームの成績はどんどん落ちていきました。1年たった時、『数字が悪く雰囲気も悪い状態には耐えられない、何か変えなくてはいけない』と自分のマネジメントスタイルを徹底的に振り返りました。そこで、足りないのは自分のかかわり方だったと気づいたんです。メンバーの営業成績が悪いのは自分の責任であり、チームで起きるすべての責任は自分に帰属する。そう腹をくくり、どのお客さまにも、自分が担当だと思うほどの熱心さで向かうと決めてから、メンバーの働く姿勢も数字もどんどん変わっていきました」

 

14年には業績トップのチームに贈られるチーム賞も獲得し、「まだまだ売り上げ規模を拡大していきたい」と意気込む。
「日本での保証ビジネスは、私たちがパイオニアだと思っています。前例がないからこそ、売り上げ前年比200パーセントや300パーセントなど、驚くような成長を遂げる可能性に満ちている。金融機関の裏でリスクを引き受けるビジネスを今後も広げていき、融資の保証を引き受けるようなインパクトの大きな仕事を手がけていきたいと思っています」

 

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お問い合わせをいただいたお客さまに、イー・ギャランティの保証ビジネスモデルを説明。新人時代は苦手だった社長との“雑談”も、今では楽しむ余裕がある。

 

満田さんのキャリアステップ

STEP1 2008年 営業部に配属され新人賞を受賞(入社1年目)

できる人にはどんどん仕事を任せる風土で、1年目の後半には一人でお客さま先に行くように。案件を急いだあまり、社内の承認を得ずに見積書を出してしまったことなど、笑えない失敗も数多く経験。「かなり高額なリスクを保証できますと言ってしまったけれど、審査が下りなかったらどうしよう…と、生きた心地がしませんでした(笑)」。新人時代は銀行からの紹介案件を受けられる実力がなかったため、自らDM(ダイレクトメール)を作成して封筒づめするなど、地道な営業活動も行っていたという。

STEP2 2009年 新規売り上げを順調に伸ばし、営業成績上位2人に贈られる社長賞を受賞(入社2年目)

1年目に同期10人の中から新人賞に選ばれたこともあり、上司の期待感も高まった2年目。営業ノルマはなく、新規お客さまからの受注をいくら上げたかで評価されるイー・ギャランティでは、営業担当の大きなモチベーションは同僚の頑張りなのだと言う。「隣の席の先輩が、新規案件でこれくらいの金額を決めてきた…と聞くと、僕ももっと頑張らなくては、と競争心が刺激されるんです。競争意識によって社内が活性化していくので、僕みたいな負けん気の強いタイプは合っているんだと思います」。半期に一度、成績上位2名に贈られる社長賞に選ばれたものの、2位だったため、「1位になれなかったことが悔しくて悔しくて…」と今でも思うのだそう。

STEP3 2012年 7月に営業部の課長に昇格(入社5年目)

当時の上司の異動に伴い課長に就任。自分のお客さまを担当しながら、プレイングマネージャーとして、3人のメンバーを持つ。「初めは慣れないマネジメントに苦労したが、取引先の社長や部長など、自分よりずっと立場が上の方と話ができるのが面白く、メンバーの営業同行も楽しんでいました。保証業界について知らない方が多いので、伝道師のように話ができますし、『満田さんに全部任せるよ』と頼っていただける瞬間はすごくうれしいですね」。

STEP4 2014年 優秀な成果を残したチームに贈られる「チーム賞」を受賞(入社7年目)

メンバーのお客さまへの関係性を強化し、当事者意識を持ったことで、課長就任から右肩下がりだったチームの成績が好転。チーム賞を獲得する。マネジメントにおいて意識していることは「二度手間を増やさないこと」。見積書や契約書作成では、慣れていないと間違えやすい点が多いため、事前の説明を丁寧にしているという。「『やっておいて』と大雑把に仕事をお願いすると、出てきた資料で不備が多くなりがちです。『この点は注意してね』と説明しておけば作り直しを回避でき、時間の短縮になります。不備の修正に時間を取られてしまうなら、事前の説明を5分増やした方が効率的だと思い、自分が失敗してきた経験を生かしながら注意ポイントを伝えています。一方で、お客さま先など現場での判断はすべてメンバーに任せ、「問題があったら僕が対応するから」と言って、責任を与えることも意識しています」。

 

ある日のスケジュール

8:00 出社し、1日のスケジュールを確認。
9:00 審査や営業目標に関する会議。アシスタントを含め5人で情報共有。
11:00 メンバーの営業同行で新規のお客さま先へ。サービス概要を説明する。
12:00 外出先でランチ。
13:00 既存のお客さまを訪問し、現状の情報共有。
15:00 金融機関を訪問。紹介見込みの会社の有無、顧客ニーズのヒアリング。
16:00 新規のお客さまを訪問し、お見積もり内容を説明する。
18:00 帰社し、メールチェック。営業記録の作成。メンバーからの報告や相談を受ける。
20:00 退社。

プライベート

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休日はゴルフを楽しむ。ゴルフをやっているお客さまも多く、始めてから会話も弾むように。

 

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2013年12月、奈良県に旅行へ。現在、山形県、群馬県も営業エリアとしているため、出張がてら観光を楽しむことも多い。

 

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2014年の年末に地元・広島に里帰りしたときのもの。大好きな広島風お好み焼きを必ず食べる。

 

 

取材・文/田中瑠子 撮影/刑部友康

 

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